19歳川﨑&尾関Vで“10代優勝者”は15人に。過去13人のその後の実績がものすごい!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.149
日本女子プロで川﨑春花、住友生命Vitalityレディス東海クラシックで尾関彩美悠と2戦連続で19歳のルーキーが初優勝を飾った。10代で優勝した日本選手は尾関で15人目。過去のデータを見ると、ほとんどの選手が素晴らしい成績を残している。
19歳川﨑&尾関Vで“10代優勝者”は15人に。過去13人のその後の実績がものすごい!
女子ツアーで初めて10代の選手が優勝したのは1976年のことだ。徳島新聞社杯争奪女子プロで19歳の吉持(現姓増田)姿子がプレーオフで大迫たつ子を破って達成した。吉持はジュニア時代から大器と呼ばれた存在で、高校時代には大学生に交じって日本女子学生(当時は高校生も出場できた)を制したほど。プロでは通算4勝を挙げた。
2人目は13年後の1989年、平瀬真由美が19歳でミヤギテレビ杯女子オープンを制した。そして3人目が宮里藍だ。2003年、高校3年の宮里はミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで18歳101日の当時の最年少優勝を記録して藍ちゃんフィーバーを巻き起こした。
ここから10代優勝者はグッと増えて現在に至っているのだが、川﨑以前の13人の実績を並べると、すごい選手ばかりだということが分かる。
まず13人中、平瀬、宮里、野村敏京、畑岡奈紗、古江彩佳、笹生優花の6人が後に米ツアーで優勝しているというデータがある。国内賞金女王の座に就いたのは平瀬、横峯さくら、稲見萌寧の3人。さらに、稲見は東京五輪で銀メダルを獲得し、宮里は世界ランキング1位も経験している。
これだけでもすごいが、まだある。笹生は世界のメジャー(全米女子オープン)チャンピオンになっているし、国内メジャータイトルを保持しているのは平瀬、宮里、横峯、勝みなみ、畑岡、稲見、山下美夢有と過半数の7人もいる。ここに川﨑も加わるわけだ。
偉大な先輩たちが名を連ねる10代優勝者の系譜。川﨑と尾関も彼女らに負けないくらい成長していってほしいものだ。
10代で優勝した日本女子選手
選手 | 主な実績 |
---|---|
吉持姿子 | 国内4勝 |
平瀬真由美 | 賞金女王2回、国内18勝、米1勝 |
宮里藍 | 国内15勝、米9勝 |
横峯さくら | 賞金女王1回、国内23勝 |
野村敏京 | 国内1勝、米3勝 |
比嘉真美子 | 国内5勝 |
勝みなみ | 国内7勝 |
畑岡奈紗 | 国内5勝、米6勝 |
新垣比菜 | 国内1勝 |
稲見萌寧 | 賞金女王1回、東京五輪銀メダル、国内12勝 |
古江彩佳 | 国内7勝、米1勝 |
笹生優花 | 国内2勝、米1勝 |
山下美夢有 | 国内3勝 |
川﨑春花 | 国内1勝 |
尾関彩美悠 | 国内1勝 |
※住友生命Vitalityレディス東海クラシック終了時
撮影トーナメント/日本女子プロゴルフ選手権
撮影/山之内博章
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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