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2022年ゴルフの打ち納めは済みましたか?来年のゴルフを何倍も面白くする!年末ゴルフのススメ

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第48回

2022/12/12 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ゴルフ場

ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

写真提供/篠原嗣典

2022年最後のゴルフは?今からでも間に合う年末ゴルフのススメ

「ゴルフで一番大事なストロークは何だと思いますか?」

このテーマのゴルフ談義は、熱心なゴルファーほど盛り上がります。
ドライバー命のゴルファーは、ドライバーのことを推すでしょうし、パットでスコアを作っている猛者ゴルファーは、パットの深淵を覗き込むようなディープな話に持ち込もうとするかもしれません。

ゴルフの魅力の一つは、そのゲームの多様性と絶妙な複合要素だといえます。盛り上がるゴルフ談義の一つの特徴として、答えが無限にあったりするものなのです。やればやるほど、知れば知るほどゴルフがどんどん好きになってしまうのは、魅力が増えていくからだという説もあります。

しかしゴルフのゲームとしての本質は、少ない打数でプレーした者が勝つという不変の真理です。どんなに好きだろうと極めるほどに、実際のストロークはどんどん減っていくのです。何という皮肉なのでしょうか。

とはいえ、その不条理ささえゴルフの魅力になっていくのですからこのゲームは底無しなのです。

永遠の迷路のようなゴルフだからこそ、ゴルファーは常にけじめを意識する必要があります。永遠だと達観して、スタミナ勝負に持ち込もうとすると、多くの場合でゴルフのダークサイドに落ちてしまう要因になります。

メリハリをしっかりとつけて、ちゃんと計画をする習慣は、ゴルフを何倍も面白くするコツなのです。

あなたの今年のゴルフトピックは何ですか?

前置きが長くなりましたが、お聞きします。

「2022年最後のゴルフは、もう済みましたか?」

「10月がラストでした」「先週済ませました」という感じで、終わった人も多いと思います。そういう方々に聞きます。

「で、2022年のゴルフはどうでした?」

最後のゴルフを年内最後だと意識しないで済ませたゴルファーは、ダラダラしがちです。
昨年も、今年も、来年も、「変わらない。よくわからない」という風になっているなら、ゴルフのループに迷い込んでしまっていることが多いのです。

「今年は夏にホールインワンしました」「9月に、初めて100を切りました」「11月に初めてバーディーが出ました」

このように大きなトピックがあって、けじめというか、フラグが立つようなことを答えられれば、今年最後のゴルフというイベントは不要です。そのトピックで2022年のゴルフを語れるからです。

トピックはゴルフの回数が増えて経験値が増えるほどなくなっていきます。意図的に、フラグを立てる努力が必要になり、そういう意味で『年内最後のゴルフ』というのは使い勝手が抜群に良いのです。

大晦日の大コンペの思い出と、年末ゴルフのススメ

ゴルフ場

僕がゴルフを始めた年から約15年間、大晦日はゴルフをするものと決まっていました。だから、年内最後のゴルフは大晦日でわかりやすかったのです。

僕が決めたのではなく、親族が集まれる日がそれぞれの仕事の関係でその日しかないから、一年に一度、親族とその仲間が集まってゴルフをしていました。3組ぐらいから始まって、1980年の後半には20組を超える大コンペに発展していきました。

1978年の大晦日を強烈に覚えています。生まれて二回目のラウンドで、初めての複数の組の集まりということだけでなく、コースに着く直前に、カーラジオからビリー・ジョエルの“ストレンジャー”が流れてきました。

曇った窓の外を見る振りをして、理由なく流れる涙を隠したこと。凍ったコースで、ティーが刺さらなかったこと。グリーンが凍っていて、ボールが信じられないほど跳ねて大オーバーしたこと。

翌年は、少し人数が増えて5組になってコンペ形式になりました。僕の組の“篠原”は一人でしたが、他の組に複数の“篠原”がいて、キャディーさんに朝それぞれの関係性を詳細に説明しました。
名字を呼んでも混乱するので、名前を呼ぶか、なんらかの関係性で呼ぶか、キャディーさんたちが打合せをしていて、大変なお仕事だなぁと感心したのです。

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この頃(昭和50年代)、大晦日のゴルフコースはお休みするのが常識でした。ゴルフコースが年中無休になっていくのはバブル期で、その前までは月曜日休みというように平日に定休日があるのが当たり前だったのです。

大晦日のゴルフは叔父たちがコネを駆使して交渉し、無理矢理にコースをオープンしてもらっていたようで、常に貸切状態。その代わりに、クラブハウスの暖房は入っていなかったり、食事はカレーのみだったりしました。

時が流れて1985年からは僕が幹事役を任されることになって、大晦日ゴルフコンペという狂気に刺激を受けた人が増えて、親族とは無関係にどんどん人数が増えていきます。この年、初めて10組を超える大コンペになりました。

賞品はゴルフショップのお客様だった築地の会社に手配してもらった海産物で、冷凍倉庫に預かってもらって、30日に取り行くのです。同時にショップのバンを臨時の冷凍車にするのです。20キロを越えるドライアイスとアルミシートで車内を覆いました。大晦日の朝、車内の温度は氷点下です。

暖房をつけずにスキーウェアを着た僕がコースに持って行き、事前にお願いしていたレストランの冷凍庫に賞品を移します。こんなことを何年も続けていました。参加者が喜ぶ顔に支えられました。

大晦日にゴルフという異常な行動も、山のような海産物をお土産に持ち帰れば、家族も自然と大晦日のゴルフに賛成してくれるというわけです。

大晦日ゴルフだけで一冊の本が書けるほど、たくさんのドラマがありました。最も印象的だったのは1986年の大晦日で、記録的な暖冬で海産物の冷凍保持に苦労をしたことと、参加者の何割かが半袖でゴルフしていたことです。
そして、この年のラストゴルフはコンペ終了後、一旦帰京して再びコースに行き、ナイターで年越しゴルフをしました。

僕の大晦日ゴルフ物語は別として、2022年のゴルフをちゃんと締め括っていないゴルファーは、今からでも年末ゴルフをするのは可能です。(雪で閉ざされているエリアのゴルファーは例外です)

言い訳をしている暇ありません。実行あるのみ。仲間を誘ってゴルフコースへGO!です。

年内ラストゴルフは、少しドラマチックにやろうとするのが正しい!

僕は21世紀に入ってから積極的に「年内ラストゴルフをドラマチックにやろう!」と呼びかけています。

かつて大晦日ゴルフコンペに参加していたゴルファーは、今は自分たちであちこちで同じように大晦日にゴルフを楽しんでいます。数年前に大晦日のゴルフコンペをやめた僕をまた誘ってくれるゴルファーもありがたいことに何人かいます。

しかし、2022年。僕のラストゴルフは、クリスマス前後になりそうです。大晦日にゴルフをすることは、特別なことではなくなったので、昔のようなこだわりがなくなったのです。

年内ラストゴルフは、それが今年最後だと意識した瞬間から特別なものになります。ベストスコアが出たりすればドラマとしては最高に盛り上がり、記憶に残るものになりますが、大叩きしても平凡なスコアでも良いのです。

狙い通りにいかないのは、ゴルフでは当たり前です。その当たり前を確認した、ということを記憶に留めれば年内ラストゴルフの意味があるのです。

「来年のラストゴルフでリベンジじゃい!」と思えれば、儲けものです。来年のゴルフへのパワーが生まれまたといえます。

僕の少し年上の先輩で、一昨年お仕事を引退した人がいます。コロナ禍もありましたが、昨年年内最後の年末ゴルフを企画したのに、一緒にプレーする人が集まらなかったそうです。
先輩は、コースに連絡してキャンセル待ちになっている日を確認して、その日の朝一人でコースに行ったそうです。

けじめをつけるつもりで賑わうスタートホールの様子を遠くから1時間ほど見て、何もせずに帰宅したのが年内ラストゴルフになったのです。

定年後のゴルファーは、業界が考えるほど甘くはありません。仕事関係の人間関係はあっけなく崩壊し、ゴルフに行く人を探す苦労に直面して、その惨めさが嫌になってゴルフをやめてしまう例は止められないほど増えています。

その先輩も実はその年内ラストゴルフを最後に、ゴルフからの引退を考えていたそうです。しかし、笑顔でゴルフを楽しんでいるゴルファーたちを見ていて、「来年は、オレも、あちら側で笑おう!」と決意したそうです。そして1年間、ゴルフ仲間作りをテーマに頑張ったのです。

2022年年末。新しい仲間とその先輩は、笑顔に溢れるラストゴルフをもう済ませたと聞きました。少しイレギュラーですが、ラストゴルフの物語はドラマに溢れているのです。ゴルフの神様は、ゴルファーがゴルフをどのくらい好きなのか、と常に試しています。

終わり良ければ全て良し

ゴルフ場

ゴルフにおいてどのストロークが一番大事か、というテーマのゴルフ談義の話を冒頭にしました。ゴルフ名人になると、誰もが知っているのです。

「ゴルフのストロークは、全てが同じ価値である」
最高も、最低も、同じ1打であり、たかが1打、されど1打。そんなことを言っては元も子もないので、盛り上がるゴルフ談義をニコニコしながら聞くのが正解なのです。

ゴルフのラウンドも、ストロークと同じようにゴルフを極めるほど等価になっていくものです。だからこそ、けじめも大事になるのです。2022年のゴルフと2023年のゴルフは違って欲しいと願うのは、全てのゴルファーに許された権利です。

特別なトピックがない1年に、年内ラストゴルフでフラグを立ててみてください。それによって、色々なものが見えて来るはずです。自然とその年を振り返ることになり、結果として翌年に何ができるか、何をしたいのか、も、わかってくればラッキーです。

そういうメリハリをしっかりつけることは、ゴルファーとしての自分の寿命を延ばすメリットもあります。

2022年は冬季五輪があり、ウクライナで戦争があり、元首相が暗殺されたり、サッカーワールドカップもあり、ゴルフでは若いスターが次々に出てきました。そんな世相のことはどうでも良いのです。

ただ自分と向き合ってゴルフをするのが、年内ラストゴルフ=打ち納めです。終わり良ければ全て良し。ドラマチックなゴルフは待っているだけでは始まりません。いつもと違うほんの些細なことで、ドラマの幕は簡単に上がるのです。




篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】

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