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パットの距離感は「ボールの転がりの速さ」で作る

2023/03/06 ゴルフサプリ編集部 宮川岳也

グリーン

パットで重要なのは距離感? それとも方向性? ゴルファー同士のこんな会話、よく耳にしますよね。どちらか一方が重要というわけではありませんが、実はアベレージゴルファーの大半は距離感に悩んでいるのです。

距離感に悩む理由は主に3つある

調子が良いと90台後半。悪いと110手前。これくらいのスコアでラウンドするアベレージゴルファーの多くは、パッティングの距離感に悩んでいる傾向があります。

以前行ったアベレージゴルファーへのアンケートでも、およそ7割の人が距離感に悩んでいるという結果が。では、なぜたくさんのアベレージゴルファーが距離感に悩むのでしょう。

1.芝によって速さが変わるから

ベント芝のグリーンもあれば、高麗芝のグリーンもあり、芝の種類によってボールの転がる速度が変わるため、距離感をつかめない。

2.グリーンの状態によって速さが変わるから

季節や気候、刈り高など、同じグリーンでも状態によってボールの転がる速度が変わるため、距離感をつかめない。

3.傾斜や芝目によって速さが変わるから

多少なりともグリーンには傾斜があり、また芝目もあるため、ボールの転がる速度は一定にならず、そのせいで距離感をつかめない。

一般的に、上記の3つが距離感をつかめない理由です。

距離感が合わないのは、速度のことを忘れるから

カップイン

「4メートルかぁ…このパットを沈めればベスト更新だ」こんな状況、ゴルファーなら一度や二度、経験があることでしょう。

「俺は3メートルのパットは、これくらいの振り幅でストロークするから、4メートルのこのパットは少しだけ振り幅を大きくすればいいな」こう考えて臨んだパットが意に反して大きくショート。逆に、想像以上に転がって2メートルもオーバー。こういうことも経験済みでしょう。

ここで、先に挙げた「3つの理由」を思い返してみましょう。「!」と思いましたか?それとも「…」でしょうか。3つの理由はどれも「速さが変わるから」距離感がつかめない、といっています。

ところが、多くのゴルファーは「4メートルのパットだから、これくらいの振り幅だな」とか「2メートルのパットだから、このくらいの振り幅だな」と考えてストロークをします。

芝の種類、芝の状態、芝目や傾斜によってボールの転がる「速度」が変わるため、距離感がつかめないということがわかっているのに、なぜか打つ前になるとそのことをすっかり忘れて「4メートル=距離」を基準にして距離感を作ろうとします。

距離感がつかめない理由

つまり、つかめない「理由」はわかっているのに、その理由に合った「考え方」や「方法」がまるでできていないわけです。

もちろん、打つ距離を基準にしてよい結果がでることもあるでしょう。しかし、距離を基準にして振り幅を決めてパッティングをした場合、ショートすると「弱かった」、オーバーすると「強かった」という現象だけが頭に残ります。

そして、次のパットで「さっきは弱かったから、もう少し強く打とう」とか「さっきはちょっと強かったから、少し弱く打とう」と考えて、そのようにストロークします。こうなるとさらに「速度」のことは頭の中から消えてしまい、距離感がつかめないままラウンドを終えるということにつながっていくのです。

弱かったから、強く打つ。強かったから、弱く打つ。これは言葉は悪いですが、行き当たりばったり、その場しのぎのパッティングです。たまたま良い結果になり、ベストを更新することもあるでしょう。けれど、良いときと悪いときの差が大きいプレーにならざるを得ません。

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ボールからカップまで、ボールをどのくらいのスピードで転がせばいいか、それだけをイメージして、そのイメージ通りのスピードでボールが転がっていくようにストロークすればいいのです。

「シューっ」と転がって「ストンっ」とカップインするイメージなのか。「スーッ」と転がって「カランっ」とカップインするイメージなのか。「トロトロトロっ」と転がって「コトンっ」とカップインするイメージなのか。

例を挙げると、下記のようなイメージです。

● ストレートなラインでフラット:「スーッ」と転がって「カランっ」とカップインするイメージ

● 上り:「スーッ」と転がるよりもスピードが速くなければ届かないため、「シューっ」と転がって「ストンっ」とカップインするイメージ

● 下り:「トロトロっ」とゆっくり転がって「コトンっ」とカップインするイメージ

このようにボールの転がるスピードをイメージすると、距離感は見違えるほどよくなります。

ちなみに、トーナメント取材に出かけ、多くのシード選手にどうすれば距離感がよくなるかを聞いたところ、もっとも多かった答えが「転がるスピードをイメージすること」でした。

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宮川岳也

宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経てフリーのゴルフライターに。レッスンやギアはもちろん、ゴルフの歴史などにも精通。また、無類のスイングマニアで、スイング理論が大好き。ここ数年は競技ゴルフに明け暮れ、毎日の練習を自らに課している。

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