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子どもたちが本気で努力して成長する姿が見たい…ジャンボ尾崎が愚痴めいたワケとは

ジャンボに聞け!ジュニアゴルファーの育て方 VOL.11

2023/04/28 ゴルフサプリ編集部

会見の席,ジャンボ尾崎

すでに6回を数えているジャンボ尾崎ゴルフアカデミーのセレクション。今年も2月の初旬から中旬にかけて、千葉のジャンボ邸で行われ、男子6人、女子17人の計23人が受験した。しかしセレクション終了後、ジャンボの口から飛び出したのは、受験生たちに対する苦言の数々。その理由は、ジャンボ邸で汗を流している1期生の西郷真央ら古株の先輩たちに比べると、このところの受験生たちに歴然とした差が表れていたから。それはいったい何なのか。ジャンボの愛弟子で「誰も書けなかったジャンボ尾崎」の著者である金子柱憲が、今のジュニアが抱えている課題を解き明かす。

GOLF TODAY本誌 No.611/78〜79ページより
取材・構成/日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗
撮影/相田克己

「素晴らしい環境があるのに、子ども達はそれを生かした練習をしていない。それがジャンボは歯がゆいのだと思う」(金子)

ジャンボ尾崎

会見の席にどっかりと座り、苦笑しながらジャンボが言う。

ジャンボの話 「その体はトレーニングで作ったのか? って聞いたら『トレーニングは1回もしてません』って。中学3年だから無理もないのかな。もう高校生になるのだから(トレーニングは)やったほうがいいんじゃないのかな」。

愚痴めいた口調は、さらに続いた。

「去年の5期生は、あんまり良くなかった。特に女性がね」。「今年も(前半2日間は)良くなかったけれど、今日(3日目)は、まあまあ良かったかな。

前向きな子が、少なくなってきた感じはするね。去年の子は、あまりここに来なかった。ひと月に1回もここに来なければ話にならない。半年に1回では何のためにセレクションをしとるか分からん。確かに遠いとこから来る子は、大変なことは大変だけれど」。

「始めのほう(開講初期のアカデミー生たち)は、(アカデミーでの練習が)続いている子が多い。続いている子が多いっていうことは、自分の目標がある。自分でトレーニング方法なんかも向上しているし、勉強している」。

金子柱憲がジャンボの真意を語る

会見の席,ジャンボ尾崎

これからのゴルフ界を背負う人材を育てたいという大きく強い思いを持つジャンボだけに、最近のジュニ達の覇気のなさに歯がゆい思いを吐露した。

ジャンボの言葉を聞き、同じ思いを口にしたのが金子柱憲だった。

金子の話 「今の子どもたちに一番言いたいのは、ジャンボ邸に来た時の時間の使い方。マットの上から2時間も3時間も、50、60ヤードのアプローチをやったりしている。でもそれは、家に帰って、行きつけの練習場でやればいいこと。

ジャンボ邸では新品に近いコースボールを思う存分打てる。それは近所の練習場ではまず絶対できない。芝の上から様々なショットの練習が可能だし、クロスバンカーから7番、8番(アイアン)で距離のあるバンカーショットも打てる。もちろん、様々なアプローチも練習できる。ジャンボが作った様々な練習器具やトレーニング器具もある。

ありとあらゆる実戦的な練習ができるのに、マットの上から打ってばかりいる。それでは、だめですよ。ジャンボが『球ばっかり打ってるんじゃないよ』とよく叱るのも、そういうことなのです」。

ジャンボが求めているもの

ーーさらに金子は、こうも言った。

金子の話 「トレーニングはアカデミー生になってから始めてもいいとは思うけれど、その後が問題。せっかくジャンボ邸で練習して課題をもらっても、自分が家に帰ってから何もやっていないということ。素晴らしい環境を提供してあげても、それを生かせていないのが、歯がゆいんだ。

ジャンボだって、彼らが成長した姿を見たくて、やっているのだと思う。一番の楽しみである子どもたちの成長する姿が、なかなか見られないわけで」。

ーージャンボはこうも言った。

ジャンボの話 「1回努力っていう言葉をかみしめて努力しなさいって言いたいよね。たとえゴルフをあきらめるにしても、やるだけのことをやってからあきらめてもらいたい。そうしたら、次の人生にもプラスになってくるのだから」

今、ジャンボが子どもたちに求めているのは、必死さと、ひたむきに努力して、再会した時に少しでも向上している、その姿だ

金子プロからジュニアへのワンポイントアドバイス

ジャンボ軍団,合宿

ジャンボ軍団はオフに合宿をするのが常ではあったが、そこは単なる仲の良い集まりではなく、ライバルが切磋琢磨する場所だった。

上達の秘訣は競い合えるライバルを見つけることです。私の場合は、東聡選手でした。日大ゴルフ部の同期生時代から競い合っていましたし、それはプロになってからも続きました。

トーナメント開催中でも先に練習をやめることがお互いにできなくなって、練習場が閉まるまでひたすら球を打ち続けたこともあります。

高校時代に上達できた原因も、シングルの上手な大人のゴルファーたちとラウンドできたこと。
その人たちに勝とうと努力して、時々勝てるようになってから日本ジュニアや日本アマでも好成績を挙げられるようになったのです。

身近に乗り越えるべき目標を見つけること。それも上達する秘訣の一つです。


金子柱憲

金子柱憲(かねこ・よしのり)
1961年3月4日生まれ。東京都出身。日大卒。
14歳でゴルフを始め、アマチュア時代は日本オープンベストアマ、関東学生優勝。1982年の韓国オープンではプロを抑えて優勝。1983年プロ入り後、ジャンボ軍団入り。91年に関東オープンで初優勝。ツアー通算6勝。


ジャンボに聞け! ジュニアゴルファーの育て方

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