メルセデスランク1位の飛ばし屋・星野陸也を支える、影の大記録とは!?
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.164
男子賞金ランキング2位に入った星野陸也は長身で飛ばし屋のイメージがあるが、それだけでなく小技が抜群にうまい。特に昨年は歴史に残るような素晴らしい記録を残している。そのデータを紹介しよう。
メルセデスランク1位の飛ばし屋・星野陸也を支える、影の大記録とは!?
賞金王は比嘉一貴に譲ったが、星野の昨年の活躍は見事だった。トップ10は最多の11試合を数え、総合力を示すメルセデス・ベンツトータルポイントランキングでは初の1位に輝き、平均ストロークやバーディ率も1位だった。
バーディ率1位が示すように、たくさんバーディを取れる力があるから賞金王争いをできるわけだが、安定した成績を陰で支えているのが小技のうまさ。小技の指標であるサンドセーブ率とリカバリー率の2部門が共に1位だったのだ。
サンドセーブ率はグリーンサイドのバンカーに入ってから2打以内でカップインする確率でリカバリー率はパーオンしなかったホールでパー以内のスコアを獲得する確率である。サンドセーブ率はパー5の2打目がグリーンサイドのバンカーに入ったというケースもあるから両部門は完全に重なるというわけではないが、重複する部分はかなり多い。
それでも、両部門ともに1位になったのは過去には1例しかなかった(サンドセーブ率が計測されるようになった2002年以降)。その1例は2006年の片山晋呉だ。
片山は永久シード選手で2006年は賞金王になった年でもある。両部門で1位になるということは片山クラスの実力が必要だということで、星野のレベルの高さが分かる。
さらに、特筆したいのが星野は単に1位というだけでなく記録がすごいということだ。
サンドセーブ率の68.421%は何と歴代1位である。リカバリー率は70.146%で歴代7位。リカバリー率の歴代上位は海外選手が多く、日本選手で70%を超えたことがあるのは青木功(1986年)と片山(2006、08年)しかいなかった。まさに歴史に残るようなすごいデータをマークしていたのだ。
今年は欧州ツアーの出場権もある星野。ハイレベルの小技を武器に世界で活躍する姿を見せてほしい。
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星野陸也の2022年主な部門1位
部門 | 内容 |
---|---|
メルセデス・ベンツトータルポイント | 77ポイント |
平均ストローク | 69.975 |
バーディ率 | 4.753 |
サンドセーブ率 | 68.421% |
リカバリー率 | 70.146% |
トップ10 | 11回 |
※平均ストロークは棄権が1回あるため規程により部門賞受賞の対象外
撮影トーナメント/ゴルフ日本シリーズJTカップ
撮影/相田克己
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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