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タイガー・ウッズがボールに求める「Deep感」って何? NEW「TOUR B X/XS」はどこが変わった!?

2023/12/23 ゴルフサプリ編集部

TOUR B,宮本勝昌

タイガー・ウッズも愛用するブリヂストンのボール「TOUR B X/XS」2024年モデルのお披露目会がゴルフメディアや有識者に向けて実施された。その場にはブリヂストンスポーツ契約プロで「TOUR B X」を使用する宮本勝昌に加えて、飛ばし屋で期待の若手・長野泰雅も登場。新しい「TOUR B X/XS」を打って、従来モデルとの違いについて語ってくれた。

写真/相田克己

ジェイソン・デイとリディア・コが実戦投入して早くも優勝!仕上がり上々のニューボール

TOUR B,X,XS,ゴルフボール

タイガー・ウッズがボールに求めるものの中に「Deep感」というものがある。この「Deep感」という表現は以前から報じられているため、お分かりの方も多いだろう。「Deep感」とは、日本で言うところのフェースへの『乗り感』のこと。
来年発売される新しい「TOUR B X/XS」ボールでも、タイガーが求める「Deep感」がさらに追求されている。タイガーは自身の理想により近づいたフィーリングのボールを打ち込み、調整中とのことだが、近々試合で使うことは間違いないだろう。

しかし、すでに新しいボールを実戦に投入しているプロもいる。11月30日〜12月3日に開催された「ヒーローワールドチャレンジ」ではジェイソン・デイが初めて新しい「TOUR B X」を使用。さらに、12月8日〜10日に開催された「グラント・ソーントン招待」ではリディア・コ&ジェイソン・デイのペアが新しい「TOUR B」ボールを使用して見事、優勝を勝ち取っている。

新しい「TOUR B X/XS」の仕上がりは上々のようだ。

XSもXと同じようによく飛んでくれるから「どっち使おうか迷っちゃうな」

宮本勝昌,TOUR B,ゴルフボール

薄く雲が覆う寒空のPGM石岡ゴルフクラブで開かれた2024年モデルの「TOUR B X/XS」の説明会兼試打ラウンド。試打ラウンドの前には、練習場でシニア参戦2年目で初の賞金王となった宮本勝昌、まだ20歳で6月の「プレーヤーズ選手権」で谷原秀人とプレーオフを戦った長野泰雅によるデモンストレーションが行われた。

「TOUR B X」を愛用する宮本勝昌は、新しい「TOUR B X」をドライバーで打った時の感触について『僕はXの手に伝わってくる、ずっしりくる感じが好きで、その辺りはほとんど変わらないですね。若干、スピン量が減ったので(球が強くなって)楽になりました』とコメント。気温5度以下の中でも初速70m/s超え(HS47m/s)の強弾道を放っていた。
『シーズン中のヘッドスピードは48〜9m/sで初速は72m/s前後なんだけど、今日みたいな初速が出にくい日でも70m/sを超える初速が出てくれるのはありがたいですよね』と、まずは新しい「TOUR B X」の初速性能を評価。

トラックマン
宮本勝昌のドライバーでの新しい「TOUR B X」の計測値。寒空の下でも初速70.8m/s、約290ヤードという数字を記録。

次に新しい「TOUR B XS」を打つと、初速70.6m/s、トータル飛距離は279.5ヤードという計測結果が出た。あきらかな違いが見られたのはスピン量。「TOUR B X」は2439rpmだったが「TOUR B XS」では2859rpmと、400回転の違いが出た。

『どうしてもXのほうが飛ぶイメージがあったんですけど、数字上ではほとんど差がありませんね。打感は以前のXSはやわらかいというか(感触が)“ない”まであったんですけど、それがXに近づいてきてる。(新しいXSは)手応えを感じられるようになっています』

「XS」はスピン性能、「X」は飛距離。宮本のように、そのようなイメージを持つゴルファーがほとんどだが、実際は「XS」も「X」と同じように飛ぶということが改めてわかる計測だった。また、ドライバーで打った時の感触は、Deep感が上がったからなのか? 「XS」にも「X」で感じられるような手応えが加わっているようだ。

トラックマン
こちらは新しい「TOUR B XS」の計測値。「X」との差はほぼなし。初速70.6m/s、279.5ヤードという数字を記録。

「Xはアゲンストの風にも強いです」

長野泰雅

7番アイアンで新しい「TOUR B X」と「TOUR B XS」を打ち比べたのは「ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 2023」の決勝ラウンド・10番ホールで318ヤードを記録した飛ばし屋・長野泰雅。

「TOUR B X」を打った計測値は初速53.2m/s、スピン量5604rpm、飛距離178.8ヤード。対して「TOUR B XS」では初速55.6m/s、スピン量5815rpm、飛距離185.9ヤードという結果に。

『普段からXを使っていますが、より球が強くなっていて、アゲンストに強くなっていると思います。今日みたいな風への強さを感じます。(新しいXと従来のXの)打感は近い感じで、違和感なくスイッチできます』

打球音が一段低くなって、Deep感(ソフトさ)が伝わってくる「TOUR B XS」に対しては『XSは長くフェースに乗っている感じがあって、つかまえやすいボールというイメージがあります。XとXSで飛び方はあまり変わらないように見えますが、Xのほうがちょっとだけ低くなりますね』と両者の違いについて話してくれた。

それにしても、7番アイアンで軽く振って180ヤード近い飛距離を出すとは……最近の若い選手の飛距離はすごい。

トラックマン
おそらく6〜7割くらいのスイングで打った「TOUR B X」の計測値。
トラックマン
「TOUR B XS」の計測結果。

「X」と「XS」の性能は90台スコアのアマチュアでも感じ取れるほど際立っている

ドライバー、アイアンでのデモンストレーションの後はアプローチで新しい「TOUR B X/XS」の性能を見せてくれた宮本と長野。ポンポンと、さも簡単そうにピンに絡めるアプローチを披露してくれた。

そばで打球音を聞くことで「X」と「XS」の違いがよくわかるかと思ったが、これがなかなか難しい。それと言うのも、あきらかに「XS」のほうが一段低い音ではあるのだが、それは「X」の打球音を直前に聞いているからわかるのだろう。どちらもDeep感を感じさせるソフトな打球音に聞こえる。スピンのかかり方も、宮本のような技術のあるプロが打つので「XS」のほうが「X」よりも”スピンの効き”が良いということが、少しの差が出るのでわかる。

しかし、アマチュアの身からすると「どっちもスピン、めちゃくちゃかかるな」というふうに見える。改めて、素人目には微妙な差しか感じられないボールの性能を使い分け、選択できるプロの感覚の鋭さを実感した。

デモンストレーションの後は長野がプロならではの技術を見せてくれたり、大量に用意された新しい「X」と「XS」の打ち比べをし、さらに4ホール用意された試打ラウンドで、実際に「TOUR B X/XS」の違いをコースで体感した。

他の参加者の打球も見ながら回っていると、ヘッドスピード40m/s前後のアマチュアでも「X」と「XS」は性能の違いをしっかりと見せてくれたと思う。その違いは来年の公式発表の後、より詳しくお伝えできればと思う。

長野,アプローチ

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