竹林隆光さんの未来予想図が的中!? セッティングはドライバーとパターを除いて12本、クラブはちょうど3本ずつになる
クラブ設計家で、フォーティーンの創業者である竹林隆光氏。雑誌だけでなく、クラブ系のYou Tubeを見ても未だに名前が挙がり、この人はどんな人なんだろう? と思うゴルファーもいるかもしれない。12月27日、彼の命日にあらためて竹林氏の功績を振り返ってみる。
写真提供/フォーティーン
ゴルフクラブから起こる話題の中心には「いつも竹林さんがいた」
竹林隆光 (たけばやしたかみつ)1949年東京都生まれ(2013年没)。大学卒業後ゴルフメーカーに就職後、独立しフォーティーン創立した。1977年の日本オープンではローアマを獲得しており、プレーヤーとしても確かな腕前をもつ。
竹林氏は成蹊大学卒業後に横尾ゴルフに入社。その後、独立して1981年に「フォーティーン」を創業した。いまではクラブの性能を判断するために用いられる「重心距離」や「重心深度」などのスペックと用語を初めてクラブ設計の場に用いたのも竹林氏だ。プロゴルァーの感覚に頼ったクラブ開発が全盛だった時代、真っ先にデータによるクラブの分析・開発を持ちこんだ。それだけではなく、自分自身で雑誌に試打者として登場し、感覚とデータの両面からクラブを分析してスペックの見方を広めていった。
フォーティーンがOEMを請け負っていたときはプロギア「インテスト」の開発に携わり、のちにフォーティーンから発売されたユーティリティ「HI-858」でブームを巻き起こしたことからもユーティリティ開発の第一人者と呼ばれる。じつはこのユーティリティクラブの開発もロングアイアンが打てないアマチュアのために考えたクラブで、このアマチュアゴルファーの心がわかるクラブ開発はいまのフォーティーンにも受け継がれている。
スピンが利きすぎることからルール問題にも発展した激スピンウェッジ「MT-28」の開発など、ゴルフクラブから起こる話題の中心にいたのが竹林氏といっても過言ではない。
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アーニー・エルスが即採用し、ユーティリティブームを生んだ「HI-858」はフルセットで存在した。
取材での思い出はたくさんありすぎてどれを話していいかわからないが、なかでも「印象に残っているのは「3-3-3-3理論」だ。(勝手に名付けました……)
「アイアンはストロングロフト化が進んで、6番すら打ちにくくなっています。昔からアイアンを打ちやすく感じるのはロフト32度以上からなんです。30年前なら5番、10年前なら6番、現在なら7番ですね。キャディバッグのクラブ14本からドライバーとパターを除くと12本。今後はFW、UT、アイアン、ウェッジと各カテゴリーで3本ずつのセッティングになるでしょうね」(竹林氏)
アマチュアゴルファーのためのセッティングを考えるとFWは3W、5W、7W。ユーティリティが24度あたりから3本。アイアンは7番、8番、9番、そしてウェッジが3本になるということだが、2006年にこの話をしている。
2023年のいま、プロを含めたクラブセッティングを見てみると、アイアンのストロングロフト化によってロングアイアンの代わりとしてユーティリティが台頭し、アマチュアゴルファーが本当にキャリーを出せるとしたら7番アイアン……。実際女子プロには近いセッティングをしている選手もいるし、ズバリ当たっているのだ。
「新しいクラブを開発する場合、そのモデルの3代目が出る世の中のことまで想像する」といっていた竹林氏だからこそ考えられたともいえるかもしれない。彼がもうひとつ遺した言葉は「常識を疑え」。その言葉はいまも受け継がれ、フォーティーンのヒット作アイアン、「TB-5」を生んだ。
高慣性モーメントのドライバーと超ストロングロフト化したアイアン、いまのゴルフクラブを見て“竹林さん”は何というのか、聞いてみたかったものである。
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