ピンまで残り220ヤードからシングルさんがPWを2回打ってグリーンに運ぶ理由とは?【シングルさんのコースマネジメント】
パー5ホールや長いパー4ホールの2打目が200ヤード以上ある。できるだけ距離を稼いでグリーンに近づけたくなる場面だが、そこにスコアロスの罠が潜んでいるのだ。
GOLF TODAY本誌 No.622/29〜30ページより
構成/三代 崇 写真/相田克己 イラスト/庄司 猛
協力/横浜カントリークラブ
*アマチュアにはボランデイアで指導していただいています。
シングルさん・和田博さんが考えるコースマネジメント
長いクラブで打つ場合の成功率を考えてみよう
ティショットでフェアウェイをキープし、セカンドショットをどう打つかを考える場面です。残りの距離は220ヤードとします。多くのゴルファーは2オンは無理でも、できるだけグリーンに近づけて3打目は短い距離を打ちたいと考えることでしょう。
でもグリーン周りの状況をよく見れば、右手前に池があることがわかります。ここで3番ウッドを使って思いきり飛ばそうとすると、果たしてどうなるでしょうか。かなりの確率で右にプッシュして池に打ち込んでしまいそうな気がしませんか?
何とか池に近づけたい。でもミスしそうで怖いな。そんな思いが頭によぎった瞬間に過度のプレッシャーに襲われてカラダがスムーズに動かなくなり、結果はミスショットです。
私なら残り220ヤードを2で割って、110ヤードずつをピッチングウェッジで打ちます。あるいは9番アイアンでもいいかもしれません。こうした陣地取りなら何のプレッシャーもなく、リラックスして打てますから確実に3オンできます。この思考は長いパー4もパー5も一緒です。
ピンの手前側から攻めるよりグリーンに乗せるのが確実
バンカー越えや池越えなんて無いに等しい
私はピンやグリーンを狙うショットを打つとき、ピンの手前から攻めるという発想はほとんど持ちません。グリーンをオーバーしたら大叩きのピンチですが、かといって手前側が安全とは限らないからです。写真のようにピンが手前側でバンカー越えという場面は結構多いですよね。こんなときまでピンをオーバーしてはいけないと思っていませんか?
仮にバンカー越えや池越えとなっても、自分の打ちたい距離を打つだけですから本来はバンカーや池などのハザードは何も関係ありません。ハザードが怖いならプレッシャーがないように大きめのクラブを選択して、しっかり打てばいいだけの話です。
私でしたら手前にショートしたくないので、ピン奥でもOKと割り切ってグリーンに乗せることを考えます。手前からのアプローチよりはピン奥からのパットの方がずっとやさしいからです。またピンまで135ヤードで7番だと大きいけれど、8番ではちょっと小さいという具合に番手選びで迷うことがあるでしょう。そんなときもピン奥でもいいと決断し、7番でしっかりと自分の距離を打つのがベターだと思います。
解説/和田 博さん
(わだ・ひろし)
1962年6月16日生まれ、東京都出身。175㎝。長く競技ゴルファーとして活躍し、96年の日本ミッドアマ、2000年の日本アマ、17年の日本シニアアマ優勝。前人未踏のアマチュア日本タイトル3冠を達成した。八王子CC所属。
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