ターフは【“薄く短く”】がホーガン流の大正解

地面の影響が少ないほど弾道は安定

「ソリッドな力強いインパクトを求めるならダウンブロー。確かにその通りですが、ダウンブロー=上から打ち込む、というイメージは間違いです」と森プロ。

元々「ダウンブロー」は和製英語で、「ディセンディング(下降しつつある)ブロー」という表現が欧米では一般的だ。

「ヘッド軌道は、飛行機が軟着陸するような緩やかなイメージが正解で、インパクトゾーンはほぼレベルブロー=払い打ちで良いです。打ち込みすぎず、地面の状態や芝の影響が少ないほど、打ち出し角やスピン量も変わりにくく、弾道が安定するようになります」

このことから、ターフが厚く、長く削れるのはNGだという。

「ホーガンのショットもスピンの効いた低弾道だったことから、上から打ち込むイメージが強いようですが、実際は振り抜き重視のほぼレベルブロー。だから、ボール位置も常に左足寄りでした」

円軌道とフェースターンが角張らないターフ跡を描く

ホーガンが示したターフ跡は短かった

【レベルブロー】に近づくホーガン流4つの原則

原則(1)「ヘッド・ビハインド・ザ・ボール」の徹底

「頭を後方に残すことで、上からではなく横からヘッドを入れていく動きになります。ただし、スイング軸は右傾しないように」

原則(2)「サイドスロー」の感覚を生かす

「右腕の動きにサイドスローの感覚を持たせると、ヘッドを地面ではなく目標方向に振る動きになります。スナップも入ります」

原則(3)「左足カカト内側線上」のボール位置

「ホーガンはウェッジでもスイングセンターより右にはボールを置きませんでした。このことからも、上から打ち込みすぎる動きを排除していたことがわかります」

原則(4)「たぐり動作」でより緩やかな軌道に

「左手首が盛り上がるような“たぐり動作”でグリップエンドを引き込むと、ヘッド軌道はより直線的になり、入射角もさらに緩やかになります」

刃先は回転で下げる。バウンスを【“コロがす”】タテ回転をイメージ

フェースターンで下がる刃先がターフを削る

イメージ(1)ヘッド重心が軸のターンで進行する

「フェースが開いた状態=バウンスから接地、打球直後からフェースが閉じて(立って)、刃先(リーディングエッジ)が地面にくい込んでいく動きをイメージ。ヘッド重心はレベルに抜けていくイメージで正解」

イメージ(2)ややヒール寄りのバウンスから接地

「噛み気味にヘッドが入っても、フェースが開いていれば刃先は刺さらないので問題なし。バウンスが前方に“コロがる”ように地面を押さえこむイメージで。ヒール後方から刃先の中央に接地点が移るイメージでターンを促します」

イメージ(3)バウンスで着地するインパクト

「レベル軌道をイメージすると、ハンドファーストで刃先から入れがち。フェースを開いてバウンスを着地させてヘッドのタテ回転を促すイメージがベターです」

【オープンフェース】から“たぐり動作”でつかまえる

立てながら回す動きならザックリしない

「フェースターン=ヘッドのタテ回転は〝抜けの良さ〟にもつながります。フェースが開き気味ならバウンスから着地するので、ザックリになりません」

ウェッジに限らずアイアンにもハンドファーストでザックリしないよう、通常4度前後のバウンス角が設けられている。

「私の師匠の陳清波は、わずかにオープンフェースでボールをとらえ、潰れたボールが離れる時にスクエアになるイメージでドローを打っていました。また、積極的にフェースターンを促せるよう、ウィーク気味のスクエアグリップを採用。著書『近代ゴルフ』で〝ダウンブロー〟を広めた達人ですが、この技術のおかげでシニアになっても飛距離、弾道の力強さはほとんど落ちませんでした。

このヘッドのタテ回転を覚えるには7番アイアンの〝ワッグルアプローチ〟練習が有効です。フィーリングをつかんでください」

7番アイアンでワッグルアプローチ

Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)

アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

ホーガンアナリスト 森 守洋

ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。


【アイアンが際立つ!強いアレンジの作り方】
←「ボールをつかまえたい」なら、ボールを“タテに曲げる”フェースターンが不可欠

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