ヘッドスピード別・PWの適正ロフト角と飛距離を知ろう【スコアメイクに欠かせない話】
吉本巧のゴルフギア教室 第8回
ドライバーのヘッドスピードとPWのロフト角の兼ね合いで飛距離を割り出したのが次表です。ドライバーのヘッドスピードは5つに分けました。アベレージゴルファーの平均的なヘッドスピードは40~42m/sあたり。42~44 m/sなら飛ばし屋ではないけれど平均よりはちょっと飛ぶ。44~46 m/sあるとアマチュアの中では飛ばし屋です。その上はもうプロレベル。アマチュアではトップクラスのスピードです。38~40 m/sだと平均よりは下まわります。表内左端のタテ欄はPWのロフト角、最上段のヨコ欄がドライバーのヘッドスピード(m/s)で、それぞれが交わったマスが飛距離(ヤード)の目安を示しています。
●ヘッドスピードとロフトから割り出した飛距離の目安
例えばドライバーのヘッドスピード40~42 m/sの平均的アマチュアゴルファーが最近の標準ロフトの43~44度を使った場合、105ヤード飛べば適性と言えます。イメージ的にはヘッドスピードが2m/sアップすると10ヤード飛距離が伸びるイメージです。この表で言えばヘッドスピードが遅めの人と速い人の間には40ヤードの差が生まれることになります。また、ロフト角が2度小さくなると+5ヤードのイメージ。ストロングロフトとウイークロフト(マッスルバック)の間では最大15ヤードもの飛距離差が出ます。さらにヘッドスピードが46~48 m/sのゴルファーはウイークロフトでも130ヤード飛ぶこともわかります。
ロフト角とヘッドスピードの関係が14パターンの中に収まればOK
表内で最適な飛距離(100~120ヤード)に注目すると10パターン(表内赤字部分)になります。平均的なヘッドスピード(40〜42 m/s)の場合、全てのロフトが適合することになりますから、この目安からすればロフトは選び放題です。「PWも飛ぶ方がいい」と考える人もいるでしょう。もちろん否定はしませんが、ウエッジの流れを考えると130ヤードくらいまでが許容範囲かと僕は思うので4つが加わります(表内青字部分)。計14パターンのうちにハマっていればOKの範囲と言えますが、最終的にどう考えるかは自由です。
このようにPWを替えれば飛ぶようになることがわかりますが、個人的にはヘッドスピード46~48 m/sのゴルファーがロフト41度以下のPWを使ったり、ヘッドスピードの遅い人が43度以上ロフトがあるPWを使うのは好ましくありません。
さらにこれ以下、30 m/s台のヘッドスピードになると、表よりもさらに飛距離的にマイナスになりますから、ロフト30度台のPWを使うのもありです。ヘッドスピード38~40 m/sの人がロフトの寝たPWを使って飛ばないということであれば、クラブさえ可能なら使っているPWのロフトを立てて適正飛距離にすることもできます。スイングが整ってきてヘッドスピードがアップしてきた人も同様の方法で飛距離をアップさせることができます。
ひとつの目安ではありますが、ロフト角とヘッドスピードの関係が14パターンの中に収まっていれば、今のスイングとPWは合っていると言えます。飛距離的には±5ヤードくらいなら誤算の範囲ですが、それ以上差が大きく出てしまっている方は一考の余地があると思います。誤差が±10ヤード以上あったら、スイングに問題があるか、PWが合っていないと考えるべきでしょう。
吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・表参道の「表参道ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。
春のアプローチはPWのコロがしで上手にスコアメイク!
冬から春へ。季節が変われば、コースの顔も移り変わってくる。春のコースには春の顔があることを肝に銘じてプレーすることが...
【特集】ウェッジ黄金セッティング|えっ!これ全部PWなの?
激飛びアイアンが人気かと思えば、メーカー各社からマッスルバックのニューモデルの発売も相次ぎ、アイアンの多様化は進む...
【特集】ウェッジ黄金セッティング|ウェッジセッティングよくある間違い2つの例
激飛びアイアンが人気かと思えば、メーカー各社からマッスルバックのニューモデルの発売も相次ぎ、アイアンの多様化は進む...