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「インパクトで両腕伸ばすイメージ」がフォローで左ヒジが伸びない原因だって知ってた?

逆上がりできないティーチングプロのゴルフが上手くなる話|第67話

2024/04/05 ゴルフサプリ編集部 名取 確

松山英樹,フォロー,スイング

こんにちは。逆上がりの出来ないティーチングプロ名取です。今日のお問合せは、花粉症並みの国民病と言われる“フォローで左ヒジ伸びない病”についてです。これ、自分では認識していても治せないのが辛い、特効薬が無いと言われている難病だとか。まぁ確かにゴルファーの8割程度の人はこの病気にかかっていると思いますね。
写真/ゴルフサプリ編集部

左ヒジ伸びないじゃなくて、左ヒジ引いてる!

プロのスイングを見ると、フォローで腕がしっかり伸びてめちゃくちゃカッコいいですよね。松山英樹選手のショット写真など見ると、もういかにも「振りちぎってます!!」という伸びきったフォロースルーで、頭は思いっきり右側に残っています。

「体を使うってこういうことです!!」というお手本のようなスイングです。

松山選手に限らず、トッププロの選手の皆さんのスイングは基本的にフォローで腕がピシ~ッと伸びてカッコいい。全盛期のイ・ボミ選手のレッスンムック本をスクールに置いてあるのですがそのなかの1ページの写真なんて本当に美しいフォローの瞬間が切り取られていて「これを真似するイメージを持って」と何人もの方におススメして見せています。

イメージして、その形を作ってみて、そこにたどり着くにはどうすれば良いのかを逆算で考えるのがスイング作りのコツ。

いきなり、病を治してくださいっていわれてもコレに関しては特効薬はないのでじっくり自分自身と向き合ってもらう必要があります。なので、自分のスイングを映像化していない人は治すのにかなり時間がかかると思います。

自分の現状把握のためにも今は気軽に映像が撮れるので、絶対にチェックしてください。特にインドアスタジオなどであれば全打球・全スイングを映像でチェックできるから腑に落ちる度合いが格段にアップします。漫然と打っている人は一生治りません。

左ヒジ引いてる

さて、この“左ヒジ伸びない病”を発症している方は、左ヒジが伸びないんじゃなくて、左ヒジを引いちゃっているという事に気が付かないとダメです。

左ヒジをスイング中に引くというのは、スイングのエネルギーを飛球線に対して後ろから前ではなく、後ろから斜め左に逃がしちゃっているわけですから、インパクトでボールに本来伝わるエネルギーが思いっきり減ってしまってるんですよね。

インパクトの瞬間をイメージした時に、左ヒジが伸びていて右腕はまだ曲がっている形をちゃんと頭に浮かべてください。そこで、ヒジが五角形になっていたり、両腕が伸びきっている形をイメージしてしまっている人はアウト~~~!!!特に両腕伸びている形はダブルプレー並みのアウトです。

「え?インパクトって両腕伸ばすんじゃないの?!」

って、結構思ってる人がいるんだけど、あり得ませんよ~。原理原則で、一番力が入る体勢や、モノを押す、叩くなどの事を想像すればわかります。手をグーにして、ドンドンと壁を叩くときに腕伸ばしきって叩く人はいませんよね。必ず右ヒジは曲がっているし、体に近いところに右肘=支点があるようにするはずです。

  • インパクトで腕が伸び切っていた場合、力は伝わらない。

  • インパクトでは右腕が曲がっていてOKなのです。

そしてなぜ左腕が伸びていることが必要かというと、左腕はボールを叩きに行く力ではなく、クラブを引っ張って遠心力を作るのが役割だからです。

遠心力を最大化するには、ハンマー投げのように腕を伸ばしておく必要があります。でも、体から完全に離れてしまうと体が遠心力に引っ張られてしまうから、脇を締めて回転軸は身体の本体ひとつに近い形にしておく方が良いんです。

左腕を伸ばして最大のスイングアークを作って、右腕は曲げて叩く力を込めて、ボールとフェースのインパクト時に、とにかくフェースがブレない形でボールを真後ろから最大限ぶっ潰して打つ。そのイメージを持っておくことで身体がその形を作ろうとしてくれます。

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“叩く”のは右手さんの役割なので、テイクバック&トップから、すぐに右手の力を入れてクラブヘッドを地面に向かって「おりゃ~っ!」と振り下ろすスイングをしがちです。そうすると、ゴルフクラブの中で最も重いヘッド部分は早く下に降りたがるのでダフりが頻発します。人間は、調節する感覚を持っているから「あ、これは地面叩いちゃうな」と思ったら、左ヒジを引くことでクラブの高さを調整して地面を回避します。

そうすると、過剰に高さ調整した分でトップが出たり、左に引っ張り込みすぎてチーピンが出たり、運よく真っすぐ当たっても力が抜けてしまっているから飛距離は出ないんですね。

これは、ほぼ本能なんじゃないかと思います。そのため、治すには色んな事を試して、体に叩き込まなくてはならないので、本気でけっこう時間がかかるし苦労すると思います。国民病だから、しょうがないですよ。でも、治ってくる段階で「ゴルフのスイングってこんなに楽だったの?!」って感じることは間違いありません。

右手を強く使いすぎる癖を取るには、力を入れなくても良いということを実感してもらいたいです。私は元々テニスをやっていたのでその感覚が強いかもしれませんが、スイングというのはボールに当たって減速したらダメなんですね。ボールに当たった後が最もスピードが出ているくらいじゃないと当たり負けするので、まず加速するタイミングをメチャクチャ遅くします。

右手に力を入れる人は、トップの位置から下ろすところでもう力をグッとこめているので、クラブの加速は身体の右側でしていて、ボールに当たるころにはもう減速し始めています。

ボールに向かってクラブを加速させるには、実際右手に力を入れるのはスイングの後半、右ひざの辺りに手が来たところからで十分です。インパクト時には右ヒジがまだ曲がっている形を作るには、この力を入れるタイミングが命。ここから、右ヒジが伸びきるところまでが、スイングの本番。

そして、キレイなスイングのイメージである「右ヒジ&左ヒジが伸び切る」のは、一瞬の出来事なんです。

その一瞬をどこで作るか?!その瞬間、頭の位置や体重移動はどんなイメージをしたらいいのか?!これは文章で伝えるのも中々ハードルが高いけど、やってみましょう!!

  • ①飛球線と平行に、足と肩を揃えて立ちます
  • ②左足を伸ばして左足に体重を乗せます

①飛球線と平行に、足と肩を揃えて立ちます
②左足を伸ばして左足に体重を乗せます
 ※この時絶対に頭が左にスライドしないように
③両腕を伸ばして、顎に右肩が付く体勢を取ります
 ※身体の開き(両肩のライン)は最小限で
④クラブヘッドを引っ張ってもらいます。
 頭と右肩で引っ張り合い、バランスが取れるポジションを探します
  ※頭&身体の左側面が右に傾かないように

  • ③両腕を伸ばして、顎に右肩が付く体勢を取ります
  • ③両腕を伸ばして、顎に右肩が付く体勢を取ります

こうすると、クラブヘッドを左ヒザ~左腰の延長線上の高さで引っ張られるとき、頭を傾けなくても引っ張り合いを作れるちょうどいいバランスになると思います。

要は、最大の遠心力が働く瞬間=両腕が伸び切る瞬間はその一瞬だけです。

そこからは、左のヒジをたたんで体の回転とクラブの回転を調和させて背中の方にヘッドを回したり、ライン出しのために敢えて回転を抑えてボールを押す動きを強調したりします。細かいことを言えば、ドローかフェードかによって、手首の向きなど多少違いはあるし、体の回転具合もその球筋によって違いますが、あくまで左ヒジ伸びない病にフォーカスした時の話として理解してください。

一瞬は両腕を伸ばしきってあげる動きを意識しておけば、ヒジを引いてしまう動きはかなり抑えられると思いますよ!

処方箋は「クロスハンドグリップで練習」「テークバックなしでボールを投げる練習」

テークバックなしでボールをフェースに乗せて前に投げる

この症状を緩和するのには、普段のフルスイングばかりの練習はあまり役に立ちません。色んな練習方法があると思いますが、まずはこの2つを紹介します。

・クロスハンドグリップでショット練習
クロスハンドにすることで左ひじが引けるのを強制的に抑えます。あくまでヒジが引けないことにフォーカスする為なので、ハーフショットで身体の回転で打つようにして、腕を使わないでも打てるという事を理解しましょう。

・テークバックなしでボールをフェースに乗せて前に投げる
インパクトの形を作って、そこからボールをズルズルと左に押すようにして、右腕を伸ばしていく時にボールをフェースに乗せたまま運んで左斜め前に投げるようにします。このフェースの使い方が出来れば自然とヘッドをリリースするタイミングが分かるのですが、ちょっと難易度はあがりますね。

まぁいずれも、1球いくらの練習場では中々やれません。素振りをしたり、打ち放題の環境を自分で作らないと改善しないかもしれません。

上手くなりたい、カッコいいスイングがしたい人は、その環境を作る事も練習ですから是非チャレンジしてください。カッコいいスイングの代表は、両腕が伸びきってカッコいいフォローを取れるスイングです。テークバックがいくらカッコよくても、スイングカッコイイね!とはなりませんからね。

理屈っぽいけど、実際、毎日のようにレッスンでお話している内容です。みんな中々やれないとは思うけど、やった人は必ず結果が出るのがこういう細かいところを追求する練習ですよ!!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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逆上がりできないティーチングプロ(ペンネーム)
世田谷区在住。世田谷区喜多見で<ゴルフのある人生を共に歩もう>をテーマに、インドアゴルフ練習場EndlessGolfを運営しています。ティーチングプロと不動産業のリアル二刀流。一生ゴルフで感動し続けられる仲間をたくさん作りたい想いの溢れる40代です。

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