1. TOP メニュー
  2. テクニックに効く
  3. パッティング
  4. 真っすぐ転がるパットの条件は3つ!ひとつは「リーディングエッジがスクエア」であること!

真っすぐ転がるパットの条件は3つ!ひとつは「リーディングエッジがスクエア」であること!

ショートパットを外さない初期ベクトル「1:3」の法則〈続編〉|清永教授からの挑戦状 Vol.4

2024/05/23 ゴルフトゥデイ 編集部

パット

ゴルフにまつわる原理原則が本当にそうなのかまずは疑い、徹底的に分析したドクター・清永明。常識を覆し、ゴルフの上達スピードが速まる理論を紹介していく!

ゴルフトゥデイ本誌 623号/114~115ページより
解説/清永 明

〈問題〉

〈問題〉

パッティングのインパクトにおける3条件のうち「フェースがスクエア」、「スイートエリアとボールの中心が一致」の2条件を満たすと想定した場合、パターの長さ(34インチ)の距離で、練習グリーンの平坦な面か上り斜面にボール4個を等間隔で並べる。打つボールの中心と1番のボールの中心が一直線に重ねフェース面を変えることなく、4番のボール方向へストロークします。このときボールはどこに向かってコロがりますか?

ボールを真っすぐコロがすためインパクトに必要な3条件

条件1/目標線に対してリーディングエッジがスクエアであること

ボールの中心とカップの中心までを結んだライン(目標線)に対して、インパクト時にフェースのリーディングエッジがスクエア(直角)でないと真っすぐコロがらない。
ボールの中心とカップの中心までを結んだライン(目標線)に対して、インパクト時にフェースのリーディングエッジがスクエア(直角)でないと真っすぐコロがらない。

条件2/フェース面上のスイートエリアとボールの中心が一致すること

グリップをつまんで木槌などでフェースを叩くとヘッドがブレないところがある。これがフェース面上のスイートエリア。図のようにフェースに斜めに広がっている。
グリップをつまんで木槌などでフェースを叩くとヘッドがブレないところがある。これがフェース面上のスイートエリア。図のようにフェースに斜めに広がっている。

条件3/パターヘッドが目標線に対して均等なインサイドインを形成すること

パターの中心が緩やかな同じ軌道を描いている途中で、フェースが目標に対してスクエアな状態でインパクトを迎える。
パターの中心が緩やかな同じ軌道を描いている途中で、フェースが目標に対してスクエアな状態でインパクトを迎える。

真逆の軌道なら結果は変わるのか?

第2回で出題された問題の反対側のバージョン。前回は「アウトサイドイン」に振ったが、今回は「インサイドアウト」に振る。ショットにおいてはボールがつかまる軌道とされる「インサイドアウト」だが、ボールの行方は変わるだろうか?

「はい、みなさんは『初期ベクトル1:3の法則』を練習法として使ってくださってますでしょうか? ボールを1番にセットしてフェース面を変えることなく4番方向へストローク、そうするとボールは2番へコロがるという、なんとも不思議な清永の法則。1番と2番のボール間隔を「1」とすると、1番と4番の間隔はその3倍の「3」です。このことからこの関係を「初期ベクトルの1:3法則」と名付けました」(清永教授)

この法則が凄いのは単なるショットにおける現象ととらえるのではなくて、パットの練習として使えることだ。

「このようにパッティングして、もし3番や4番のボールに当った場合は、インパクト時にフェースがオープンになっていたと判断できます。もし1番のボールに当たるか、あるいはそれより左側へ外れた場合は、インパクトでフェースがクローズだったと判断できます。ストロークされたボールが一列に並んだボールのどれに当たるかによって、普段は知ることができない、1万分の数秒とされる自分自身のインパクトを正確に評価できるのです。この簡便な方法の中に、パッティングスロトークの機能性を評価できるエキスが詰まっているのです」(清永教授)

無意識のもとで自分の動きを客観的に自己評価できるシステムなので、まだやっていないという人は普段の練習にも活用してほしいと教授は言う。

さて問題の答えだが、普通なら同じく2番にコロがると考えるのが普通だろう。しかし、今回はストロークの方向が逆。インサイドアウトの軌道はつかまる動きなので1番という可能性もある。教授得意の「ひっかけ問題」かもしれない……。

「はい、答えは2番です! パターのフェース面とストローク方向の関係は『2ベクトルの合成の法則に従う』です。これも前回お教えしましたよね」(清永教授)

ゴルフは人間がプレーするものであるがそこには物理の原理原則が働く。アウトサイドインがインサイドアウトになっても変わらないのだ。しかし、なぜ清永教授は敢えてこの質問を投げかけてきたのであろうか?

「近い質問を投げかけることで、読者のみなさんへ再度『フェースの向きとストローク方向の重要性』を理解してもらいたかったのです。『重要な情報であればあるほど、何度でも確認作業を繰り返すことの必要性を強調する』、これが私の教育方針です。以前のアウトサイドインの話を含めて、このインサイドアウトもしっかりと覚えていてください」(清永教授)

多くの現象の基本となるという「初期ベクトル1:3の法則」。この応用にはまだ続きがありそうだ。

パターフェース面とストローク方向の関係は「2ベクトルの合成の法則」に従う

インパクト時にフェース面を目標に対してスクエアに保つことが出来れば、ダウンワード・ストロークの方向によって予めボールのコロがる方向を予測し、かつ確定(定量化)できることになる。何故ならば、「2ベクトルの合成の法則」が存在するからである。

インサイドアウトのストロークでも結果は同じ。ベクトルの分散が起こり、ボールは2番へコロがる。つまりカップインする。
インサイドアウトのストロークでも結果は同じ。ベクトルの分散が起こり、ボールは2番へコロがる。つまりカップインする。
2ベクトルの合成の法則により、アウトサイドインのストロークの結果ではベクトルの分散が起こり、ボールは2番へコロがる。
2ベクトルの合成の法則により、アウトサイドインのストロークの結果ではベクトルの分散が起こり、ボールは2番へコロがる。

インサイドアウトの場合

ストロークされたボールは赤い線上を通り、必ず「2番」に当たる。1番と2番のボール間隔を「1」とすると、1番と4番の間隔はその3倍の「3」。清永教授はこの関係を「初期ベクトルの1:3法則」と名付けた。もし3番や4番のボールに当った場合は、インパクト時のパターフェースがオープンになっていたと判断できる。もし1番のボールに当たるか、あるいはそれより右側へ外れた場合は、クローズフェースでのインパクトであったと判断できる。

アウトサイドインの場合

こちらのアウトサイドインのストロークのほうが「1:3の法則」を説明する場合に用いることが多いポピュラーな軌道。ストロークされたボールは赤い線上を通り、必ず「2番」に当たる。もし3番や4番のボールに当った場合は、インパクト時のパターフェースがクローズになっていたと判断できる。もし1番のボールに当たるか、あるいはそれより右側へ外れた場合は、オープンフェースでのインパクトであったと判断できる。




解説/清永 明

福岡大学名誉教授。大学時代は九州学生選手権を3連覇。医師でありながらゴルフにまつわる現象を物理の目で分析。1メートルのパットが90%の確率で入るヨネックスの「トライプリンシプルパター」の設計者としても有名。

人気の「ツアーティー」、どの向きで刺すのが正しいの?

木製にプラスティック製や飛ぶと言われるもの、たくさんの種類がある「ティーペグ」。最近人気なのが「ツアーティー」、どう...

あわせて読みたい

ヘッドスピード別・7番アイアンの適正ロフト角と飛距離を知ろう!

毎年たくさんの新しいギアがデビューするゴルフマーケットで自分に合った一品を選ぶのは至難の業。噂に流され手を出したら大...

あわせて読みたい

「うまく当たれば190ヤード」それでも1番手大きいフェアウェイウッドを持つの?

2打目で長いクラブを使って、グリーンにできるだけ近づきたいのがゴルファーの心理。だけど、ミスをしやすい長いクラブを並べ...

あわせて読みたい