スイングが「2軸」から「1.5軸」になって再現性が向上!鈴木愛のスイング最新解説
一流プロのドライバーのマネどころ
すずき・あい/1994年5月9日生まれ。徳島県出身。2017年と19年の2度、賞金女王を獲得。今季は2週連続優勝で通算20勝目を達成。生涯獲得賞金も歴代9位の9億3700万円を突破。
今年30歳になる鈴木愛が2週連続優勝を達成。過去に2度の賞金女王に輝いた
鈴木だが、その頃とはドライバーのスイングが別人になっていた。
GOLF TODAY本誌 No.623 14~17ぺージより
構成・文/野中真一
撮影/相田克己 圓岡紀夫
本人も賞金女王時代よりも良くなったと実感! まるで別人! 2軸から1.5軸に体の真ん中でインパクト
7勝した19年シーズンより良い
ビックリするくらいスイングが変わりましたね。賞金女王になった選手がここまでスイングを変えることはスゴい。鈴木選手本人も「7勝した2019年シーズンより、今のスイングの方が絶対に良くなった」と言っていましたが、安定感は間違いなく上がっていると思います。
具体的にはスイング中の軸の動きが小さくなりました。19年は左右に体を動かしてボールを打っていましたが、今はヨコ方向の体重移動が少なくなった。2軸から1.5軸くらいのスイングになった印象です。ダウンスイングでも上半身が右に倒れなくなって、軸が斜めになっていません(2024年_写真04)
軸のヨコ移動が小さくなったことで頭も動かなくなり、インパクトの瞬間には体の正面でボールをとらえています(2024年-写真05)。19年のスイングを見ると、体が少し開いていて、インパクトポイントも少し左側でした(2019年-写真05)。これを改善したことでスイングの再現性が高くなったと思います
【2024年】右の踏み込みが抑えられて頭が動かなくなった
頭が動いても 右足の内側まで
19年は右足の上まで頭を動かしていたが、24年は頭が右足内側のラインにおさまる程度になった。
体の真ん中に手元がある
インパクトの直前には体の真ん中に手元がきている。2019年は体の左側に外れたポジションで打っていた。
【2019年】左右の体重移動でボールを飛ばしていた
19年はバックスイングで大きく右に動いて、ダウンスイングからインパクトにかけて体全体を左に戻すスイングだった。
トップの姿勢が全然違う! 手元のループがおさまってダウンスイングの軌道が安定した
フェースローテーションもゆるやかに
女子プロではトップでシャフトがクロスする選手も珍しくありません。鈴木選手もその1人でした。2019年はヘッドが顔の前に出るくらいシャフトがクロスして手元も背中側までループしています。
しかし今年は、シャフトがクロスする度合いが少なくなりました(2024年-写真01)。トップで手元が体の幅におさまっていて、右ヒジが体に近い。切り返しで手元がループする動きがなくなって、ダウンスイングでは右ヒジがタテ方向に動いています。肩もタテ回転になったので前傾角度をキープしたまま上半身がスムーズに回っています。
もう一つ、安定感がアップした要因はフェースの開閉がゆるやかになったことです。19年の連続写真を見るとダウンスイングの途中から一気にフェースを返していました(2019年_写真02,03)。24年は切り返し直後からフェースがスクエアに近い角度になっているので(2024年_写真02,03)、無理にフェースを返さなくてもスクエアヒットできます。再現性の高いスイングになりました。
【2024年】トップでも右ヒジが体に近い肩がタテ回転になった
ハーフウェイダウンでフェースがスクエア
ハーフウェイダウン(2024年-写真03)でフェースがほぼスクエアになっているので、インパクトゾーンで急激にフェースを返す動きがなくなった。
【2019年】ヘッドが顔の前に出るくらいシャフトがクロス
シャフトを少し寝かせた角度て、ややアッパー軌道のインサイド・アウトだった。
解説:石井 忍
1974年8月27日生まれ。98年にプロ転向し、現在はツアープロからジュニアゴルファーまで幅広く指導。自身が主宰する「エースゴルフクラブ」を千葉、神保町に展開する。
5番アイアン、使ってますか。1ラウンドで1度も使わない番手があるのは良い?悪い?
ラウンド時に携行できるクラブの本数は14本以内と決まっているけど、14本中、使わないクラブってありませんか? たまたま出...
ドライバーが曲がる? それならシェフラーみたいに振りちぎってみたらいいんじゃない
写真/ゴルフサプリ編集部、GettyImages
ゴルファーの「どのくらいで回るの?」という質問。どう答えるのが正解? ヒントは“タイパ”
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作...