バックスイングの時に頭が下がっちゃう人は、手しか使ってないからです
逆上がりできないティーチングプロのゴルフが上手くなる話|第70話
こんにちは。逆上がりの出来ないティーチングプロ名取です。前回は、スイング中に体が伸びあがっちゃうという課題についてのお話でした。今回はもっと手前、バックスイング中に頭が下がっちゃうというお悩み解決についてです。これも多いですよね。
写真/ゴルフサプリ編集部
テークバックはクラブを「引かないし上げない」
テークバックを、手を使って引くという感覚でやっていると頭が引っ張られちゃうっていうのが起きている症状として多いです。レッスンをやっていると、よーくわかります。引く・上げる・下ろす・・・言葉から受け取るイメージがそうしてしまうんだろうけど、テークバックは決して引かないし上げません。
なんのこっちゃ?と思うかもしれないけど実際テークバックは「押す・回る」というのが正しいんじゃないかな~と思っています。
押すというのは、クラブヘッドをセットしてそこから右側に地面を擦るように“押す”と、右足のちょっと先で自動的にヘッドが地面から離陸します。手だけで右方向に押すと、左肩が下がっちゃって頭が下がります。そう!ここで頭が下がるんですけど問題が発生しているんです。
頭が下がっちゃう人は、手しか使ってないからですよ~。
手だけでクラブを右側に押していくと、左肩が下がって頭が下がっちゃう。この頭が下がるのを抑えるには、背中が飛球線方向に向くようにグルっと“回る”しかありません!これがゴルフのテイクバックの肝だと思います。
①クラブヘッドを飛球線ラインに乗せて右に押すように真っすぐ進めて
②左肩が下がらないように肩を平行に回転させて背中を飛球線方向に向ける
③左上腕部が顎に当たるように左腕を持ち上げる
言葉だけで表現するのは難しいんですが、ちゃんと押してちゃんと回せると、手打ち脱却に真っすぐ歩みを進めていけます。
最後の「左上腕部が顎に当たるように」というのは結構大事。女子ツアーの試合をTVで観るとテイクバックでは左上腕部、フォローでは右上腕部が前顎に当たるから、ウェアにファンデーションがついています。ファンデーションがついている部分をチェックしてみてください。すごくわかりやすいですから。
顎を引いて、背中を回して、左腕をしっかり張って持ち上げる。そうするとちゃんと前顎(下唇の下の部分)に上腕が当たるカッコいいテイクバックの完成!!
でもこれを口で言っても、出来ない人もいます。出来ない人は、大体背中を回すときに目線を変えちゃうんですね。まずは、こんなトレーニングをしてみてください。
①真正面を向いて目線の位置を決める
②そこを見たまま、指先を両肩の上に置く(ラジオ体操で肩に手を置くときの形)
③目線を変えないまま、左肩が顎の下に来るように体を“捻る”
④目線を変えないまま、右肩が顎の下に来るように体を“捻り戻す”
※この①~④の時には、下半身は肩幅に開いて固定!膝が揺れたり、腰をツイストすると意味がありません。
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ダンスは踊っちゃダメですよ
さて、先ほど「腰をツイスト」という話が出てきましたが、これがまためちゃくちゃ多いんですね。
ツイストダンスというと、上半身と下半身を逆方向にフリフリする動きで、ノリが良い感じ♪でもこのノリはゴルフにはあんま必要ないかな~と思います(笑)
確かに、ツイスト=ねじる、という意味なので一見良さげに思えるかもしれませんが、この動きの悪いところは「張りがない」ところなんです。ツイストダンスを踊る時には何も持っていないし、腕を体の近くに置いてボディバランスを保つから頭はそんなに揺れません。
でも、クラブをもってツイストすると重いクラブに引っ張られてしまって、上半身が想定よりねじれます。重いクラブはそう簡単に止まってくれないので、体の近くにキープは出来ず・・・そうするとバランスをとるために下半身も想定以上にねじることになります。ねじりが大きすぎて、真ん中に重心をキープできないから頭も揺れてあっちこっちへ・・・。
捻り戻してタメを作って・・・という体の使い方は、正しい動きであれば大きなパワーを生むので完全にアウトとは言えませんが下半身・上半身のねじれの差を作る必要があるので、出来れば上半身を捻る時に下半身を一緒には動かさずにグッとストッパーになることで、より上半身が捻れるのが正しいです。
よくツイストしちゃっている人からは「腰を回さなくちゃと思って・・・」という言い訳を聞くことがありますが、大概は腰というよりもお尻がツイストしちゃってるんです。テイクバックで斜め前、インパクトで斜め後ろにお尻を向けちゃう。そうすると、上半身と下半身が同じ向きに動いちゃってねじれの差がないからタメも作れないからクラブを走らせることが出来ないので手で強く振らざるを得ないから体のバランスが悪くなってしまう。
で、テイクバックでツイストするときに、両肩のターンが上手くできず左肩が下がってしまって頭が下がるというのが「バックスイングで頭下がるんですけど問題」になるんですね~。
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下腹部からみぞおちを伸ばそう
最後に、頭が下がっちゃう人には是非とも意識してほしいのが【下腹部からみぞおちまでを伸ばす】という事です。
お腹を丸めちゃうと、体の構造的に力が入りません。上半身をスッと立つためには、体のちょうど真ん中であるこの部分を伸ばすことが大事。手のひらを下腹部からみぞおちを下から上に撫でるように当てるとお腹が伸びる感覚を掴めます。
アドレスに入る前に、様々なルーティンがありますが例えば畑岡奈紗選手は軽く2~3回ジャンプしてからアドレスに入ります。この動きについて、本人は「体の力を抜くため」と語っているそうなのですが体の力は抜きつつも、着地の衝撃によって状態をピンと伸ばす効果もありそうです。着地時にお腹を曲げちゃうと背中が丸くなって体に力が入らなくなります。衝撃=負荷をかけることでそれに耐えるちょうどいいバランスを体が勝手に作ってくれるというのが軽いジャンプで得られる効果でしょうね。
下腹部~みぞおちを伸ばすと、体の芯の部分がしっかりして、逆に腕は脱力が出来るようになります。例えるなら、ボクサーの構えのような感じです。スッと構えられると、自然と重心は足元のいい位置に落とせて地面を掴むように立つ感覚が作れます。
頭が下がっちゃうんですけど問題を抱えてる人は、恐らくアドレスの時に状態の良い力加減を意識していないことが多いのではないでしょうか。上体が整っていれば、頭のポジションにも気を配りやすくなるので、問題解決には近づくんじゃないかと思います。
テイクバックで頭が下がっちゃったりするのは、他にもボール見過ぎ問題とか本当に色んな要因があるんですが、今日お話したことを意識して頂くと解決に近づくのは間違いありません!僕らは毎日、いろんな問題を抱えている人達のお手伝いをさせて頂いているのですが伝え方やタイミングなど色んなことを考えています。
記事を読んでいただいている方々にもすべてがピンと来るとは思いませんが、何かがピンとくることはあると思いますので、自分の感性に響くポイントを取り入れて頂いて、カッコいいスイングを作っていってください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
逆上がりできないティーチングプロ(ペンネーム)
世田谷区在住。世田谷区喜多見で<ゴルフのある人生を共に歩もう>をテーマに、インドアゴルフ練習場EndlessGolfを運営しています。ティーチングプロと不動産業のリアル二刀流。一生ゴルフで感動し続けられる仲間をたくさん作りたい想いの溢れる40代です。
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