クラブの振りやすさはどうやって合わせるの? スイングウェイトとバランスのお話
【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】
クラブのバランスは気にするべき?
クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへ的確なアドバイスをする好評企画。今回はゴルフクラブの振りやすさについて!
これまで長さのお話をかなりしてきましたが、ここに必ずついてくる話は、スイングウェイト(バランス)のお話です。C9やD2などといったアルファベットで表されているやつです。AからC、Dと後ろにいくにつれて、数字は0から9までで増えるにつれてヘッドのほうが重くなります。
前述のように「クラブを短くしていったら、バランスが悪くなるんじゃないか?」と言われる方がいらっしゃると思います。おっしゃる通り、スイングウェイトの値は、かなり変化します、具体的にはかなり軽い方向になります。
ですが、そもそも、スイングウェイトというのは、「振りやすさ」の指標であるので、振りやすくなるのであれば、スイングウェイトはいくつでも大丈夫、と考えていただきたいと思っています。
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バランスが一緒でも重さが50gも違えば同じ振り感のはずがない
ここで、スイングウェイトの意味合いをもう一度振り返るために、具体的に計算してみましょう!
例えば、スイングウェイトはD0で同じですが、総重量270g弱と総重量320g弱で比較をします。それぞれのグリップ重量は30gと50g、シャフト重量は40gと70g、ヘッド重量は同じで196gとします。
この時のクラブの重心位置を計算してみますと、総重量が軽い方が9㎝もヘッド側になることがわかります。
また、もし、グリップが同じ重量50gだった場合を計算してみましょう。
総重量は少し変わってしまいますが、上記のようにシャフトが30g変わってD0をキープしようすると、ヘッドは9gくらい重くしなければならないうえに、クラブの重心位置も3㎝ヘッド側になります。
いかがでしょうか?
同じD0だとしても、クラブ自身の重心位置が手元から遠くなったり、ヘッド重量がかなり重くなったりすることがわかりますね?
つまりは、同じD0にしたとしても、総重量が変わったり、グリップやシャフト重量が変わったりすると振り感は同じにはなりにくいと考えてほしいです。
ここで申し上げたいのは、スイングウェイトにこだわることを否定するものでは全くなく、使い方に注意が必要なのと、一番は、振り感を重要視してほしいということで、そのための確認でスイングウェイトを活用してほしいということになります。
スイングウェイトは近い総重量、近い長さでの比較で使用してもらえれば機能すると考えていますので、そういう場合の指標としてみましょう。
フィッティングへはクラブを全部持っていって!
さて、ではスイングウェイトにこだわらないとしても、どうやってその違いを知っていったらよいかということになりますよね?
たとえば、ドライバーの長さを切ることによって振りやすくなったとしましょう。問題はここからです。
ゴルフクラブは1本ではやりませんから、その振り感をほかのクラブでも実現したいですよね?
まずは、ここも自分の感覚に頼ってみましょう!
基本的には、ドライバーからウェッジにかけて、だんだん飛ばないクラブになっていきますので、少し重くなっていく方が、つながりが良くなりやすいです。
(このつながりのお話は、また、別途やります!)
単純に、ドライバーを1球打って、そのあとにフェアウエイウッドを打って、「少し重いかな」と感じるくらいにするのが良いです。
逆もありですね。
フェアウエイウッドを1球打って、そのあとにドライバーを打ったら、少し軽く感じるようなセッティングが良いでしょう。
このように、実際に打ちながら決めることが一番良い方法です。
どうしても数値にこだわりたい! という方は、この感覚の確認に数値を使ってみましょう。
おそらく、ドライバーとフェアウエイウッドくらいの差でしたら、スイングウェイトの差にもなりやすいと思います。
自身の感じた、軽い、重いをスイングウェイトでいうといくつなのか、調べてみましょう。そうやって、短くなるほど、重く感じるものを目指してみましょう。
もし、どこかで重く感じるものが逆転しているような流れになっていたら、とりあえずは、鉛などで修正してみましょう。
その際、気を付けないといけないのが、どこに鉛を貼るかですね!
極端にやるならば、「ヘッド」と「シャフトのグリップ下」の2か所で試しましょう。
ヘッドが効いてないな~と思う方はヘッドに、全体の重量が軽いな~という方はグリップ下に貼りましょう。
どちらも1gくらい貼れば結構変わりますので、お試し下さい。
5g以上貼らないと気持ちよく振れない場合には、シャフト重量がそもそも合っていないことが考えられますので、フィッティングに行きましょう。
このフィッティングに行く際にも、気を付けてほしいのは、他のクラブをもっていってほしいということです。
ここまで書かせていただいたように、振り感は相対的に感じることが大事です。そのため、例えばセットの中のUT1本だけ振り感がそろっていないから買い替えたい、となった場合、他のクラブとの振り感をそろえるためにも、他のクラブを持ち込んで試打テストすることをオススメします。
できればこれを必須にしてほしいくらいです。
1本だけのフィッティングだからと手ぶらで行って、その場ではすごく良いものを選んだつもりでも、持って帰ってきてコースに出てみたら合わないという経験はありませんか?その原因の一つに、この、他のクラブとの振り感の差が出てしまったということが大いに考えられます。
なので、ぜひともフィッティングや試打に行かれる際には、自分のクラブをフルセットで持ち込むことをオススメいたします。
ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。
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