ピン「i530アイアン」は欲張りなボクにピッタリな『飛んでやさしいツアーモデル』だった
野村タケオのゴルフ実験室
コースで打ちましたが、やはり顔がいいので目標に対してはとても構えやすいですね。打ってみると、弾道はしっかりと高弾道で、直進性も高い。飛距離は当然ながら僕が普段使っているアイアン(ロフト30度)よりも1番手近くは飛んでいる感じです。でも弾道の高さは同じくらい。このあたりはやはりしっかりと飛び系アイアンですね。
打感は、芯のあたりで捉えたときはけっこう柔らかめで、打音もあまり高くなく気持ちいいです。ただ打点がけっこうズレたときは「ガキッ」という感じの、少し金属音が交じるような音になりますね。打感も少し硬くなりました。ただ、そんな打音や手応えでも、飛距離的にはあまり落ちていないんですよね。これが不思議であり、少し違和感を感じました。でもオフセンターヒットでも飛距離も方向性も狂いにくいとうのは、とてもありがたいことなんですけどね。そしてハーフトップ気味の薄い当たりにはとても強く、球もちゃんと上がります。逆にフェースの上の方に当たったときには多めに振動が手に伝わり、少し飛距離が落ちました。これは低重心のアイアンとしてはある程度仕方ないことですね。
ダフリにもけっこう強いです。やはり少しソール幅が広いことと、バウンスがしっかりあることで、少し手前目から入ってもソールが滑ってくれるので大きなミスになりにくいです。とても良くできたソールだと思いました。
途中で少し捕まえ気味や、フェード気味に打ってみましたが、十分に対応してくれるヘッドでした。そこまで機敏に動くヘッドではないですが、ある程度左右に曲げることはできますね。
スピン量も十分です。弾道が高いということもありますが、グリーン上ではしっかり止まっていました。
この「i530アイアン」は各番手ごとに溝の角度・間隔・本数を最適化した、新溝の「マイクロマックス・グルーヴ」が採用されていて、摩擦力を最大限にする機能があります。なので、しっかり止まってくれるんでしょうね。
今回僕が試打したのは「N.S.PRO 950GH neoシャフト」が入っていましたが、けっこう重量的にはバランスがよく振れる感じでしたね。でももう少し重い100gを超えるようなシャフトにすれば、ある程度のハードヒッターにも使えるし、逆に80g台のシャフトなどにすればヘッドスピードが40m/sくらいのプレーヤーにも使えるヘッドだと思いました。何も考えずに打ってもボールは上がりやすいし、飛距離も出るのでオートマチックなヘッドとも言えますが、ある程度のコントロールもできるので中級者以上のゴルファーでも満足の行くヘッドだと思います。競技などに出ていて、もう少し飛距離が欲しいと思っているゴルファーにも最適なんじゃないでしょうか。もっと優しく高弾道でオートマチックに飛ばしたいという人は、同じPINGの「G730アイアン」をオススメします。もう恐ろしいくらい優しく飛ばせるアイアンなので。
とにかく、この「i530アイアン」はカッコよくて所有感も満たされるし、見た目のシャープさよりも優しく扱えるアイアンなので、ぜひ一度試してみてください。けっこう一目惚れしちゃう人が多いんじゃないかな~なんて思いますよ。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。
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