何でも打てるけど、何でもいいということではない!【若い人のクラブ選び】
【ダグ三瓶・年代別ゴルフクラブの考え方】
クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへアドバイスをおくるコーナー。ゴルフクラブを買う際に必要な「正しい知識」を教えてくれる! お待たせしました!「若い人」が知っておきたいクラブ選びの基礎知識!
30代後半は体の硬さをチェック
前回まではシニア世代へ向けたクラブ選びを提案してきましたが、今回は年齢を若返っていってみましょう!
40代に入る前、30代後半の方でも少しずつ体の変化を感じる方もいらっしゃると思いますので、40代のクラブの考え方を参考にしていただけると、より調子の波を作らずに好調でいられると思います。
40歳から飛ばなくなってくる? 飛距離ダウンを防ぐ年代別ゴルフクラブの考え方
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ゴルフというスポーツでいえば、この辺りの年齢の時が人生の中で一番ベストスコアを出せるタイミングだと考えています。
ゴルフ歴にもよりますが、20代で始めたとして、練習の積み重ねもそこそこにあり、コースの攻め方も成功失敗含めて体験してきた、この年代こそ、いいスコアが出るはずなのです!
この瞬間を逃さず、迷わず、ゴルフゲームに集中できるように、ぜひ、ビシッとクラブを決めておきたいものです!
クラブを試すのが楽しい時期でもありますから、つい、新製品が出ると打ってみたくなる気持ちも良くわかりますが、試しすぎて迷子にならないように気を付けましょう!
20代後半~30代前半は順応能力を無駄遣いしない
おそらく、球を打つことに関しては、人生の中で最も調子のよい頃ではないでしょうか? 体の柔軟性もあって力もある。どんな状況でも順応できる時期だと思います。
だからといって、クラブは何でも良い? ということではなく、その順応能力を無駄遣いしないことを考えていきましょう。
ただし、多少の幅が設けられます。多少、柔らかくても、長くても打てる時期です。自分の感性を全面に押し出して、クラブを選んでください。
ところで「順応能力の無駄遣い」とはなんだと思います? 人の順応性というものはすごい能力だと考えています。例えばロボットテストをする際に、ゴルフクラブを変えてテストをしていくのですが、AというクラブからBというクラブに変えると、当たるようになるまで、熟練の技術者でも1発で整えるのは難しいです。設定するのに通常5発から10発くらいかかります。
ですが、人間は、当てることだけを考えたら最初から当たる方が多い。特に20代のこのころであれば、少なくとも2、3発打つだけで、かなりの方がそこそこの結果を出せると思います。
ですが、この時、早く順応するために体がかなり反応していることにも留意してほしいということです。そして、これらはもしかしたらそれが負担になっていた場合、疲労として蓄積することもあるのです。
たとえば、タイミングを合わせるために体を少し速く回した方が良い、みたいなことをやっているとしましょう。(この年代はそんなこともできたりしますからね!)
ですが、腰の回転は腰の負担にもなりますし、やりすぎると腰痛の原因になったりすることもあります。
もしくは腰の回転ばかりを意識していては、ショートアプローチが打てないですから、アプローチが難しくなり、実際にこれが原因でアプローチイップスになってしまう方もいました。
そして、例えばタイミングの違うものがセット内に入っていたとしましょう。
若い時は、そのそれぞれのクラブに合わせてゴルフをすることもできてしまうのですが、それが緊張した場面やここ一番での場面でもできるか? となると難しい方がほとんどだと思います。
つまりは「何でも打てる体」を持ってはいますが、それに頼りすぎてしまうと、球打ち以外の部分で、対処できないこともできてしまう、ということなのです。
できれば、そういう時こそ、しっかりと扱いやすいクラブでゴルフすることで、さらなる上が目指せると考えていただけると嬉しいです!
やっていけないのは「長いクラブ」
この年代は、体が非常に柔らかく、順応性も非常に高い時期です。ですが、この年代は、柔らかすぎるという課題もあります。
あるプロがその年代のころに言っていたのは、バックスイングはどこまでも回るから、どこまで回していいのかわからない、というものでした。
これはこれで、コントロールが難しいですよね! 体の「遊び」が大きいという言い方もします。
そして、この「遊び」をいかにコントロールするのか、がこの年代の課題でしょう。
単純に体を硬くするような使い方をすればよいというものでなく、それをやりすぎると硬化するのが早くなりすぎて、40代になるころにはガチガチということもあります。
また、成長期のジュニアはクラブが与える体の負担をもっとも気を付けなければなりません。体自体の変化が大きい時期に、体に大きな負担をかけると、選手生命以上に、体の不調にまでつながることもあります。
その中で、一番やってはいけないのが、長いクラブを渡すことです。
どうしても、クラブ購入にはお金がかかりますので、少し先を見越して、大人用の長いクラブを渡したくなる気持ちはわかります。また、少しでも長いクラブで飛ぶようにしてあげたいという気持ちもよーくわかりますが、ここはグッとこらえてください。
長いクラブ、重たいクラブは、体への負担はかなり大きいです。
成長過程の子供にそれを渡して練習させることの危険性を認識してもらえると嬉しいです。
ジュニア時代は、少し物足りないな~と感じるくらいのクラブをお渡しすることをおオススメします。
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ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。