タイトリストでフィッティングを受けたら「GT4」が最適!と言われたら、本当に最適だった
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。タイトリストから発表された「GT」シリーズのドライバーがかなり話題になっています。プロの使用率もすでに高く、評価が高いようです。「GT」シリーズはチタン製の前作と違い、クラウン部分の素材が新しくなっています。その効果でかなり飛距離性能や寛容性がアップしているとか。ってことで、僕も実はすでにフィッティングをして、自分に合うスペックのものが手元に届いております。さっそくこーすに持ち込んで使ってみましたので、「GT」シリーズの新しいテクノロジーのことも含めて、試打レポートします!
〈取材・文・写真提供 ゴルフバカイラストレーター 野村タケオ〉
GTシリーズはどこが進化しているの?
「GT」シリーズのドライバー、まず注目なのはクラウン部分の素材です。最近はカーボン素材を使うメーカーが多く、タイトリストの新作も「カーボンなのでは?」なんて噂もありました。しかし、チタン製ではなくなったものの、カーボンではなく、ポリマー素材。しかもゴルフクラブでは初めて採用されるという新素材ということです。そのポリマーを使ったクラウン部のパーツは約12gということで、この軽量化により生まれた余剰重量を最適箇所に配置しているということです。具体的には、どのモデルも重心を低く、そして前方と後方に重量を配分することで、寛容性の高さとスピンの最適化、そしてスピードアップを実現しているということです。しかも、このクラウンの凄いところは、他の素材との継ぎ目が全く見えないところ。このあたりはタイトリストのこだわりを強く感じますね。
フェースには前作の「TSR3」で採用されていた「スピードリング VFTフェース」をアップグレードして採用。クラブフェースの外周部を補強・安定させ、センターヒット時のボールスピードを最大化させると共に、可変フェース肉厚のVFTフェースが、オフセンターヒット時においても速いボールスピードを維持し、飛距離ロスを最小限にします。
その他にも空気力学により空気の流れを最適化する形状を採用すると同時に、ヘッド内部構造と重量配分も進化することで、優れたエアロダイナミクスの追求を可能とし、クラブヘッドスピードを大幅に向上しています。
フィッティングで僕はGT4が最適ということに
僕はトラックマンを使って「GT」シリーズのフィッティングをしてもらったのですが、その結果、ヘッドの少し小さい「GT4」が1番合ってるということになりました。実は前作も「TSR4」という小さいモデルだったので、今回は違うのでもいいかな~と思ったのですが、やはり数値を見ると「GT4」なんです。
「GT2」や「GT3」でもけっこう良い数値が出ていたのですが、やはり「GT4」が一番スピン量も適正だし、トータル飛距離も飛んでるんですよね。僕はもともとスピン量が多いので、一番ロースピンモデルの「GT4」が良かったんだと思います。ロフトは10度ということになりました。
そしてシャフトも色々試した結果、今回純正扱いで用意されているグラファイトデザインのTOUR AD VFの5Sを45インチで組むのがいいということになりました。
フィッティングで決まった組み合わせでコースへ!
さっそくコースに持ち込んで打ってみましたが、構えてみると、ヘッドは430ccなのですが、少し小さめかな? くらいで、特に不安になるような事はないです。形状は本当にきれいで、とても構えやすい。
打ってみると、ベッドが小さめだからなのか、空力性能が高いからなのか、かなり気持ちよく振り抜けます。スイング中にヘッドがもたつくような感じが全くない。
弾道は思ったよりも低くなく、中高弾道で、かなりスピン少なめの前に行く強い球が出ました。
打感は柔らかめで少しだけフェースにくっつく感じがありながらも、ガツッとしっかり手応えも感じます。フェースが弾くという感じはあまりないのですが、初速は速く感じます。打音はほんの少しだけ金属音が混じって少し低めの音。反響が少なめでとてもいい感じの打音です。
「GT4」は小さめヘッドなので「GT2」や「GT3」よりは慣性モーメントの数値は低そうですが、ミスヒットにもそんなに弱くないです。ミスは手にしっかり伝わりますが、ヘッドのブレは少なめで、あまり曲がることはありません。さすがに飛距離は少し落ちますけど。
そしてシャフトですが、TOUR AD VFは以前から使っていて、手元が少ししなる分、切り返しがしやすくて気に入っていたんです。なので、今回もイメージは同じで、フィニッシュまで気持ちよく振り切れます。ただ、つかまえてくれるシャフトではないので、僕の場合だと少しだけつかまえに行く感じの方がいい球が出ました。
さて、飛距離ですが、キャリーがいつもより少し出て、ランもまあまあ出てます。ホールによりますが、いつもより10ヤード以上飛んでることもありました。ラウンドを通して見ると数ヤード平均飛距離が伸びてると思います。ホームコースだったので「おー! ここまで来るか!」というのが何回かありました。フィッティングした時にも感じていましたが、コースで使ってみても飛距離性能は素晴らしいものがあると思います。
前後のウェイトを入れ替えてみたら……
1ラウンド使ってみて感じたのは、ヘッドが少しだけ機敏に動きすぎるかな~という感じ。やはりヘッドが小さめなのと、重心が前にあるということが影響してるのかも。だからといって曲がりまくるわけでもないし、結果はかなりいいんだけど、「GT4」にはソールの前後にウェイトが装着されていて、それを入れ替えることができるんです。ウェイトの入れ替えで弾道や振りやすさが変わりそうなので、ちょっとやってみることにしました。
最初はソール前方に重いウエイト、ヘッドの後方に軽いウエイトとなっているので、これを入れ替えると重心が少し深くなります。恐らくこれで弾道が少しだけ高く、捕まりも少し良くなり、寛容性も高くなるんじゃないかと。ヘッドの動きも少しまったりしてくれるといいな~という期待もあります。
やってみると、素振りのときからヘッドの後方が少し重くなったのがわかります。ボールを打ってみても、ヘッドの動きが機敏すぎず、いい感じで振れました。弾道はやはり高くなりましたね。打感は少し軽めになり、優しさが増したように感じます。スピン量は少し増えて、安定して飛ぶ感覚はありますが、ランも少し減るし、ほんの少しだけ飛距離は落ちる感じがしました。ただ、このウェイトセッティングのほうが、曲がり幅が少なく、ラクに高弾道のショットが打てるようになります。一発の飛びや球の強さは重心が浅い方があるので、どっちを選ぶのかは悩みどころ。僕は最初のセッティング通り前を重くしようかな~と思っていますが、コースや季節、天候によって変えるって手もありかもしれません。シャフトの特性によって入れ替えてもいいかもしれませんね。
小さいから上級者用とは限らない
僕は今回「GT4」ドライバーをコースで使いましたが、顔の良さや打感の良さはもちろんのこと、とにかく飛距離性能が高いことに驚きました。飛距離だけで見れば、ここ何年かで一番じゃないかと。「GT4」はヘッドが小さめなので、上級者向きと思われるかもしれませんが、そんなことはないんですよ。
たしかにミスヒットへの強さという点では、ほんの少しだけ他のモデルのほうが強いと思います。しかし、その分スピンの少なさや、球の強さという点では優れていると思います。そしてヘッドの操作性の高さとかもね。最近はミニドライバー的なものも流行ってますから、そういうモデルが気になっている人には「GT4」はいいんじゃないでしょうか。一般的には「GT2」や「GT3」が合う人のほうが多いと思いますが。とにかく一度フィッティングを受けて、自分に一番いいモデルを選ぶのがいいと思います。自分に合う「GT」シリーズが見つかれば、かなり飛距離アップが望めると思います。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。
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