目土って、どうして必要なの? 目土の大切さを教えます
知っていると得するルール&マナー
「ターフを取ったり、ダフって芝をえぐったら、必ず目土をしろよ」というのはよくいわれることですが、なぜ目土が必要なのか、よく分っていない人も多いはず。そこで今回は、目土の大切さをご紹介。その理由を知れば、ラウンド中は目土が手放せなくなりますよ。
写真/ゴルフサプリ編集部
目土をするだけで芝の修復が格段に早くなる
フェアウェイでショットしたときに、ゴボッと芝をえぐってしまった。そんなときは、えぐられた穴に専用の土を入れる(専用の土を「目土」といい、それを入れることを「目土をする」といいます)というのが、ゴルファーの常識です。
キャディ付きゴルフが当たり前だった時代は、キャディさんがせっせと目土をしてくれていたのですが、セルフプレーが主流になった昨今、ゴルファー自身が目土をする必要があります。
そもそもなぜ、目土をすることが必要なのか? 理由は、2つあります。
1つは、芝生のメンテナンスです。もともと目土は芝生の上にかけることで、根の乾燥を防ぎ、根や茎を保護してしっかりと根付かせるという役割を担うものですが、“補修剤”としての効果もあります。
凹んだ部分に目土を入れて地面を平らに整えることで、穴の周りから茎がニョキニョキ伸びてきて、時間が経てばその穴に芝生が生えそろうというのです。一方、目土をしなければ、なかなか元通りにはならないそうです。
しかもこの目土、ケガをしたときの処置が早ければ早いほど直りが早くなるのと同じように、早くするほど効果があるとか。カートの目に付くところに、「ターフを取ったら、すぐ目土!」という標語を掲げているコースもあるくらいです。
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後続プレーヤーがガッカリさせないのも理由の一つ
もう1つの理由は、あとからやって来るプレーヤーのためです。
皆さんもプレーをしていて、ナイスショットが出て気分良くボール地点に行ったら、ボールがディボット跡(削り取られた芝(ディボット)の跡)に入っていて大いにガッカリした、なんて経験をしたこともあるのではないでしょうか。その“ガッカリ”を少しでも和らげるためです。
ディボット跡と目土の上ではどちらが打ちやすいか、という点については意見の分かれるところですが、アマチュアゴルファーの中には、ディボット跡に入ったボールを見てショックを受ける人が多いことを考えると、しっかり目土はしておくべきでしょう。
ちなみに、プロのトーナメントでは、目土をしないようです。ゴルフ中継を見ていても、選手はもちろん、キャディさんが目土をしている姿は見ませんよね。
これにもきちんとした理由があって、目土をしたことによってそのライが変わってしまうことがあるからだとか。目土をしなというのは暗黙の了解のようです。
また、海外のトーナメントでは、ショットと同時に飛んでいった芝(ターフと呼びます)を元の場所に戻す選手もいますが、あれは洋芝だから。洋芝の場合、種を巻いて発芽するので、ターフを元の位置に戻すことで回復するそうです。
一方、高麗芝は、根で繁殖するので、成長を促すためには根が伸びていく土が必要だとか。芝をディボット跡に戻すだけでは、回復が期待できないので、しっかり目土を行いましょう。
最後に、目土の仕方をおさらいしておきましょう。
ディボット跡に凹みが埋まるように目土を入れます。少し盛り上がるくらい多めに入れましょう。そのあと、シューズの底やクラブで平らにし、最後に足で踏みならしましょう。目土は多過ぎず、少な過ぎず。周りと同じ高さにするのがポイントです。
ゴルファーの中には、「目土をする余裕がない」という人もいるでしょうが、目土もプレーの一部と考えて、習慣づけるようにしましょうね。
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真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。