1. TOP メニュー
  2. ツアー速報・関連情報
  3. 「日本女子オープン」は、なぜメルセデスランキング上位者が成績上位を占めたのか?

「日本女子オープン」は、なぜメルセデスランキング上位者が成績上位を占めたのか?

2024/10/02 ゴルフサプリ編集部

惜しくも2位に終わった岩井明愛はメルセデスランキング3位。実力者が上位を占めた理由とは?(写真は2024年日本女子オープン 撮影/Getty Images)

竹田麗央のメジャー連勝で幕を閉じた先週の「日本女子オープン」は2位がメルセデスランキング(MR)3位の岩井明愛。3位はMR2位の山下美夢有。4位タイの3人は岩井千怜(MR5位)、古江彩佳(同9位)と川﨑春花(同10位)で、以下の順位を見ても実力者が力を発揮する結果となった。その理由を探ると、主催者の日本ゴルフ協会(JGA)の思惑があった。

ラフに曲げたら救済なし、のもっともな理由

「日本女子オープン」では、ラフの中の湿ったエリアは「修理地」としての救済が受けられませんでした。

一般ゴルファー目線としては、ただでさえラフで大変なのに湿ってライが悪い箇所からの救済はないの!? と文句を言いたくなりそうです。

それをJGAは「フェアウェイから離れるほど修理地にする妥当性は低くなる。悪いショットをした結果に罰の救済は与えない」として、無罰の救済を受けられる対象ではなくしました。

80~100ミリの長さに設定されたラフでライが悪いとなると二重苦ですが、そこに曲がるようなショットをしたのは選手の責任です。もし「湿ったエリア」をすべて修理地にして、それがフェアウェイのすぐ近くにある場合、救済を受けるとフェアウェイから打てるようになることもあり得ます。それによって曲がってラフに入るような「悪いショット」をしたことが帳消しになるのは、フェアではありません。

ですから、一見酷に見える措置も確かに妥当、公平ということです。

距離計測器は使用禁止

また、普段の女子ツアーでは認められている距離計測器の使用が禁止されました。
このことについてJGAは「ナショナルオープンでは、距離の情報はプレーヤーも目で判断するという要素を残したいと考えているからです」と説明しています。

一般ゴルファーでも使う人が増えている距離計測器は、見た目と実際の距離とのギャップを埋めるのには欠かせません(ただし競技では高低差を計測することは禁止されています)。

とはいえ、これを目で判断するのも強いゴルファーとして必要な能力だといえます。選手たちは特定の地点からグリーンのフロントエッジまでの距離が詳細に記載されたヤーデージブックを持っています。さらに事前の練習ラウンドでは計測器が使えますから、ここで得た情報を基に競技本番では目で見て得た情報で判断して、正確なショットを打つことをJGAは求めた、ということです。

撮影OK! ファンにはうれしい「ローカルルール」も

こうした措置を聞くと何やらお堅い雰囲気の大会だったかと思いきや、普段の女子ツアーでは禁止されている動画、静止画の撮影がスマホに無音アプリをインストールした上で可能となりました。

これはファンにとっては嬉しいこと。中継を見てスマホで堂々と撮影している人の多さにあれ?と思った人も多いかもしれませんね。

競技委員の要請が激減

1打に生活がかかるプロの大会では、ルールの処置に迷った際に競技委員を呼ぶのはよく見られるシーンです。

通常の4日間大会ではトータルで60〜80件あるそうですが、今大会は19件と激減。3日目は、記録が残る中では史上初めてゼロだったそうです。 

距離が史上最長でラフも長く厳しく見えた試合も、実は極めてフェアなセッティング。
通算8オーバーの52位だった脇元華は自身のインスタグラムで「セッティング難しいけど、楽しかったなぁ こういう試合増えるといいなぁ」と綴っていました。

こういう試合で結果を出すのが強いゴルファー、というJGAの意図は選手にもしっかり伝わっていたようです。

(文/森伊知郎)


ボールとの距離が定まらない? 解決策は「クラブと体の位置関係」を第一にアドレス【勝又優美・アマチュアの悩み解決】

ボールとの距離が離れすぎたり近すぎたり……どうしても一定の距離で構えることができない!この悩みが「もうどうしようもない…...

あわせて読みたい

えっ! 基本の幅が一番飛ぶ? 飛ばせるスタンスは「肩幅ぐらい」【ゴルフ飛ばしてなんぼ!が出張レッスン!】

飛距離優先型のレッスンで定評の小池正次がレクチャーする「すぐに飛ばせるようになるコツ」シリーズ。第3回は飛ばせるアドレ...

あわせて読みたい

竹田麗央が日本女子オープン優勝! アマチュアが見習いたい「しっかり振りぬく」こと

「日本女子オープン」は竹田麗央が先月の「ソニー日本女子プロ選手権」に続く国内メジャー連勝で今シーズン7勝目を挙げた。勝...

あわせて読みたい