シャフトの素材によって“やさしい難しい”はないが、ユーティリティではそうはいかない
オグさんです。先日、フィッティングさせていただいたお客様より相談がありました。「スチールシャフトが装着されているUTに憧れがあって使いたいのですが、どう思いますか?」と。このお客様のヘッドスピードはドライバーで40m/sほど。カーボンシャフト装着モデルのUTのほうがラクに振れそうなイメージですが、現代のシャフトは、重いカーボンシャフトも軽いスチールシャフトもラインアップされています。カーボンシャフトの新しいモデルだと、フジクラのVENTUSシリーズの24 VENTUS HBなどが話題となっていますね。80g台、90g台のスペックがあるようです。
ひと昔前の「パワーがあるハードヒッターはスチール、やさしくラクに振りたいならカーボン」などといった素材によるカテゴライズはほぼなくなりました。問題なく使えますよと言いかけたのですが、いったん言葉を飲み込み、熟考したうえで、「後ほどご連絡します」とその場で返答するのは避けました。確かにシャフトの素材によるカテゴライズはなくなったのですが、それはアイアンの話。UTとなるといくつかチェックすべき点が出てくるのです。
まずはアイアンのシャフト総重量をチェックせよ
前述した通り、現代では、80g台のUT用スチールからラインアップされており、スチール=ある程度パワーが必要といったことはありません。番手やヘッドにもよりますが、80g台のスチールが装着されていたとしてもドライバーでヘッドスピード38m/sもあれば、十分使用できるはずです。ただスチールシャフト装着のUTは、カーボンシャフトを装着したUTと比べてやや重量があるスペックであることが多く、安易に選んでしまうと、ミスを誘発するクラブになってしまう可能性があります。チェックすべき点はいくつかあります。
まず今使用しているアイアンのシャフトの重量です。アイアンで90g台以上のシャフトを使用しているのであれば、問題はありませんが、70g台以下の軽いシャフト装着されたアイアンを使用している場合は、あまりオススメしません。ゴルフクラブは短くなるほど重くなるウェイトフローという考え方に沿って設計されています。UTに装着されているシャフトより軽い重量のシャフトが装着されているアイアンを一緒に使ってしまうと、このウェイトフローの流れがいびつになってしまい、どちらのクラブもうまくボールをとらえられなくなる可能性が高まってしまいます。番手やヘッド重量、長さ設定にもよりますが、UTのシャフトは、アイアンの装着されているシャフトの重量よりも軽い重量帯のシャフトを選ばないとウェイトフローの流れに沿ったクラブに仕上げることができないのです。
ちなみに素材に関しては、無理に揃える必要はありません。アイアンがカーボン、UTがスチールでも大きな問題は出ないはずです。
セッティングのバランスを整えればアイアンのように打てるUTが作れるかも?
ご相談を頂いたお客様の使用するアイアンは、80g台のスチールが装着されていました。ウェイトフローの範囲でUTに装着できる80g台のスチールシャフトはありますが、アイアンと同じ重量帯ということもあり、ヘッドの重量やUTのモデルによっては少しハードなスペックに感じてしまう可能性があります。そこで「80g台のスチールが装着されているモデルなら大丈夫です。使ってみてもしハードだと感じたら持ってきてください。少しシャフトを短くして調整すれば、少し緩和することができますよ」とお伝えしました。
その後ご相談を受けたお客様のクラブは、カーボンが装着されていたスペックよりも0.5インチ短くしました。その結果、うまくセッティングに馴染ませることができ、気持ちよく打てているそうです。
誰にでも使ってみたい!と思うモデルやスペックはあると思います。さすがに今お使いのクラブとかけ離れたスペックだと調整は難しいですが、ある程度調整すれば、気持ちよく使用できるクラブに仕上げることができるかもしれません。
■オグさん(小倉勇人・おぐら はやと)
元ゴルフ雑誌編集者のスウィング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68。




