ヘッドスピード40m/sでも「硬めのシャフト」を挿すとミート率が上がって飛ぶ人もいる
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第44回
メーカーもモデルもスペックも増えて、バリエーションが広がった今どきのシャフト。選択肢が多くなった一方で、その中からベストな1本を見つけるのは、干し草の山から針を探すような気の遠いことに感じてしまう。カリスマフィッターの鹿又さんは、シャフト選びのポイントをこう述べる。
リシャフトする目的は、振りやすくする? 弾道を変える?
前回はフレックスや振動数、キックポイントといったスペックだけで、そのシャフトの特性や挙動を見極めることは難しい、というお話をしました。そういう背景がある中で、どんなことに気をつけてシャフトを探せばいいのか? についてボクの考えを述べましょう。
シャフトを替えるきっかけって、主眼としては「振りやすくするのか」か「弾道の変化を起こすのか」のどちらかしかないと思うんです。あくまでもいま使っているシャフトをベースにして「今よりもこうしたい」と考えるか、新しいクラブを購入したときに「そのヘッドを上手く使いこなすには、どのシャフトがいいか」というふうに、できるだけ“サラ”の状態で、フラットな感覚でクラブを探していくことが大事になります。
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数値に縛られず“キーワード”から特徴をイメージする
もう一つ言うと、数値やスペックに捉われたり、目くじらを立てたりしないことでしょう。メーカーのホームページやカタログを見れば「こういう狙いのシャフトですよ」って書いてあるので。「叩ける」とか「弾く」とか「スピード感」とか「強弾道」といったキーワードがたくさん出ています。
たとえば「叩ける」とか「中弾道」といったフレーズがあるモノは、基本的にはHSが速い人が安心して強くインパクトできるシャフトだし。「スピード感」とか「走る」とか「球が上がる」といったことが書かれているモノは、逆に“プラスα”の補正能力を高めたシャフトなんだろうな、とイメージしてもらえればいいでしょう。
硬めのシャフトを挿すと、ミート率が上がって飛ぶ人もいる
硬さについて補足すると、硬いフレックスを使うことが良いとか悪いではありません。たとえば、HSが50m/sを超える人たちが振って適正にしなるモノと、HSが40m/sの人が適正にしなるモノは、同じシャフトやフレックスではないと思います。
ただ、これはボクがよく話していることですが、しなりが少ない硬めのシャフトって当てやすいので、それも大事なことなんです。芯に当てやすくなって、結果的にインパクト効率が高くなる人も多数いるのは事実。自分がどういうタイプなのかを見極めながら、いろいろなシャフトを試していってほしいです。
手前味噌になりますが、ボクがメーカー合同の試打会を開催しているのは、ゴルファーの皆さんがいろいろなモノを打ち比べて自分に合うギアを見つけてもらいたいからですし、そうすることによってゴルフをより楽しんでもらいたいからにほかなりません。機会があれば、どんどん参加してみましょう。
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鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。