もっと飛ばしたいなら“バックスイングは素早く”がいい? クラブは足踏みの反動を利用してスーッと上げよう!!
ゴルフコーチ・小池正次がわかりやすくレッスン|月1〜2回の練習で飛距離を伸ばす! VOL.24

飛距離優先型のレッスンで定評の小池正次がレクチャーする「すぐに飛ばせるようになるコツ」シリーズ。第24回は飛ばしのスイングリズムについて解説する。「バックスイングでゆっくり上げようとしている方が多いのですが、実はこれが飛ばない原因です」と小池はいう。ゆっくり上げちゃダメなの?
構成/三代 崇 写真/相田克己 協力/丸山ゴルフセンター
右カカトの踏み込みでテークバックをスタートすればリズムが整いやすい!
ゆっくり上げる人に限って切り返しで急にリズムが速くなる人が多い
「ゴルフのスイングはリズムが大事」とよく耳にすることと思います。ところで「リズム」って一体何?と聞かれて即答できる人はどのくらいいるでしょうか。
リズムとはワンツーやワンツースリーなど2拍子とか3拍子といった「拍子」のことです。もうひとつよくいわれる「テンポ」は「動作の速さ」をいいます。自分なりのリズムとテンポでスイングできれば、ボールをタイミングよくとらえやすくなります。
でもリズムやテンポはその人の感覚によるもので、どれが正しいとかこうしなくてはならないといった決まり事はありません。
基本的には、「バックスイングはゆっくり」といわれますよね。でもプロや上級者たちのバックスイングは思いのほか速いです。
ところが私が見たところ、バックスイングがゆっくりすぎる方がとても多いように思います。バックスイングの軌道を間違えないように丁寧に上げようとしているのかもしれませんが、ゆっくりを意識すると手先の動きでクラブを動かしてしまいやすくなります。
それにバックスイングが遅すぎると切り返しの段階で急に速くなるパターンをよく見ます。ゆっくり上げているのに切り返しで打ち急いでしまう。まるでバックスイングの遅れを取り戻すかのように慌ててしまうわけです。これではボールを正確にとらえられず遠くに飛ばせません。
バックスイングが速すぎるとカラダが十分に捻転しないうちにダウンスイングに向かうから、カラダが早く開いて突っ込み打ちになりやすい。
だから「速いのはダメで、ゆっくりがいい」と思い込んでいる節もあると思いますが、ゆっくりすぎてもいいことはないのです。



トップで少し「間」を置くとリズムもテンポも安定して効率よく飛ばせる
リズムやテンポは安定性がとても重要です。ゴルフスイングはいつも同じ動きでクラブを振れることが究極で、反復性とか再現性が求められます。
カラダをどう動かすか、クラブをどう振るかも大事ですが、それ以上にリズムとテンポを整えることがナイスショットの確率アップに直結するのです。
ではどうすればいいかというと、反動を利用してカラダを回転するのが一番です。私は「足踏み感覚」をいつも説明していますが、これは左カカトを浮かせて腕を右に振り、右カカトを浮かせて腕を左に振るのが基本動作です。
足踏み体操を続けていると、足の動きによってカラダの動きが一定してリズムやテンポが整ってくることが体感できます。
テークバックの始動はこの感覚を利用しましょう。アドレスしたら右カカトを軽く浮かせて右カカトを着地する反動で腰を回していくのです。
これで肩もスムーズに回転し、カラダと腕が連動します。その流れでバックスイングすれば速すぎずゆっくりすぎず、適切なスピード感覚でトップへと上げていけます。
スイングのリズムは「ワン・ツー」の2拍子がいいか、あるいは「ワン・ツー・スリー」の3拍子のイメージがいいのか?
それも人それぞれでいいでしょうけど、トップでちょっとした「間」と入れるのがオススメです。男子プロたちは速いスピードで振り上げて速いスピードで振り下ろす2拍子が多いですが、アスリート感覚のスイングなのでマネは難しいと思います。
ゆっくりすぎないスピードでバックスイングし、トップで少しひと呼吸置いてから振り下ろす3拍子のイメージが一般アマチュア向けといえます。
「ワン」でバックスイング、「ニ」でトップ、そして「サン」でダウンスイング。それがベストというわけではありませんが、飛ばないと悩む人は自分のリズムやテンポをもう一度見直してはいかがでしょうか。








小池正次
こいけ・しょうじ
1966年12月28日生まれ、北海道出身。JPDA(日本プロドラコン協会)ツアープロ。ドラコン公式記録は370ヤード。2020年からYouTube『ゴルフ飛ばしてなんぼ!』を配信開始し、現在フォロワーは22万人を超える。関東と北海道を拠点に多くのアマチュアをレッスンしている。親切で分かりやすい指導法で人気。2024年5月、丸山ゴルフセンター(千葉県船橋市)にゴルフスタジオ『ゴルフ飛ばしてなんぼ!』をオープン。

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