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ゴルファーはなんで目の前にある池や谷に入れてしまうんだろう? どうしたら無視できる?

今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【4】

2025/04/12 ゴルフサプリ編集部

ゴルフコース

ゴルファーなら聞いたことのある定説や風説を取り上げ、「なるほど」とゴルファーが納得できる答えを蝶ネクタイを締めたプロコーチ・今野一哉とともに考える連載企画。第4弾は「目の前にあるハザード、どうして入れちゃう?」というゴルフあるある。気にするなと言われても気になっちゃう池や谷、どうしたら気にならなくできるのだろう?

難しいとされるホールにはミスディレクションがいっぱい!?

ゴルフサプリ 今野さん、ティーイングエリアの目の前に谷とか池があるホールがあるじゃないですか。

今野 はい。ありますね。

ゴルフサプリ パー3にしてもパー4にしても、ティーイングエリアの目の前だから普通に打てば100%越えられるのに、そうした池とか谷にどうして入れちゃうんですかね。

今野 入れちゃうんですよね〜。ゴルフあるあるですよね。それまで調子が良かった人も、そういった池とか谷を見ると、突然ミスをして入れてしまったり。そうした場面は何度も見てきました。
どうして入れちゃうのかといえば、ひと言で言えば、そういうものなんですよ。

ゴルフサプリ どう言うことですか(笑)

今野 不思議なもので、そういうものなんです。たとえば、バックティからだとピンまで240ヤードというショートホール、しかも左右はOB。こうしたホールのティショットは、OB率が下がるんですよ。

ゴルフサプリ えっ!? どうしてですか? その距離だとドライバーを持つ人もいますよね。

今野 そこなんです。240ヤード先にグリーンがあるから、そこに届くかどうかで頭がいっぱいになるから、左右のOBは頭の中にないんですよ。

ゴルフコース

ゴルフサプリ パー3だから?

今野 そうです。多くの人は、パー3はグリーンに乗るか乗らないかのゲームをするホールという先入観があるんです。

ゴルフサプリ 言われてみると、パー3はグリーンに乗せられるかどうかが、メインイベントみたいに考えていますね。

今野 そうでしょう。だけど、そのパー3ホールと横幅が同じパー4ではOBが増えるんです。パー4やパー5だと届かせようというよりも、フェアウェイに収めたい、曲げないように打ちたいと考えるから、左右のOBが気になってしまうわけです。

ゴルフサプリ たしかに想像すると、距離の長いパー3よりも、パー4とかのほうが左右のOBが気になっちゃいますね。

今野 マジシャンが使うテクニックでミスディレクションというものがあります。これは人の注意を手品のタネなどから別のところに向かせるテクニックです。

ゴルフサプリ ティーイングエリアの目の前にある谷や池も、そこに注意が向かされるように意図的に作られているということですね!

今野 そういうことです。そのホールで注意を向けるべきは、池や谷を越えた先にあるはずなんです。例えば、フェアウェイの左に打ったほうが次打が有利だとか、ボールが届く距離の左右どちらかにバンカーがあるとか。そういった罠が気付かれないように、池や谷が設けられているということもあるんです。

ゴルフサプリ 目の前の谷に意識が向いてしまった時点で、そのホールの術中にハマってしまうわけですね。

今野 視界の中に大きくハザードが見えてしまうと、そこに意識を持って行かれてしまうんです。他にも、OB杭が林の中ではなくて、フェアウェイやティーイングエリアから見えやすい位置にあると、実際の幅よりもフェアウェイが狭く見えてしまうといったことがあります。

ゴルフサプリ それもミスディレクションによるものですね。意図せず視線や意識が、OB杭に向けられてしまうという。

ゴルフコース

今野 コース設計家は、プレーを面白くするために、そうした池や谷がゴルファーの心理にどう左右するかまで考えて、ハザードを配置しています。本来打つべきベストポジションから注意を逸らすことで、実際以上にホールの難易度を上げているわけです。

ゴルフサプリ そうした設計家の罠にかからないようにするには、どうしたらいいんでしょうね。

今野 これはけっこうな難問なんですよ。練習場ではハザードもないし木もせり出してきていないので「ネットのあそこを狙って打とう」という意識しかありませんよね。だから、ミスも少なく機械的にボールが打てます。ですから、意図的に配置されたハザードに惑わされないことは、ゴルファーの最後の課題とも言えます。

ゴルフサプリ そういえば、ツアープロは打つべき場所しか意識にないって、聞いたことがあります。

今野 でも、ハザードやOBを意識しないって、とても難しいんです。ヒッカケが多い人は、左に曲げちゃったらOBだな、とか考えて左見ちゃったり。スライスの人もそうですよね。なかなかフェアウェイの狙い所を見れないんですよ。それに、スイングが始まっても「右ヤダ」「左ヤダ」って無意識に考えていたりもします。で、右ヤダーって打つと左にいくし、その逆もあります。

ゴルフサプリ イヤだと思うほうに飛ばしたいわけじゃないんですけどね。見ちゃいますね。

今野 だから、見ちゃうんだとしたら、よく見ちゃったほうがいいです。そうして、そのOBやハザードまでの距離、位置をよく理解することです。ティーイングエリアの目の前の池や谷だったら、何ヤード打てば越えられるかを確認しましょう。仮に150ヤードで超えるのだとしたら、ドライバーだったら何の問題もないですよね。それがわかれば、気にならなくなりませんか?

ゴルフサプリ はい。気が楽になりますね。

今野 毎ショット、芯をとらえて打てるわけではないとしても、ドライバーで160ヤード打てばOKと思えば楽勝ですよね。それから、こんな方法もあります。これから打つショットの弾道、落とし所、ラン、そしてボールが止まるところまで、明確にイメージするんです。これは僕がやっていることなのですが、『280ヤード飛ぶから150ヤード杭までは届く。右サイドの傾斜に落としたいから、狙いは右。そこから転がって、ボールが止まるのはあの辺か』といったイメージを作って、そのイメージを頭で繰り返しながらティショットを打つんです。そうしたら、目の前の池や谷なんて考える余地がありませんよね。

ゴルフサプリ 意識がすべて飛んでいくボールでいっぱいになりますね。

今野 そう。今やるべきことにフォーカスすれば、余計なことを考えなくなります。もちろんリスクヘッジは大事ですけどね。でも、そのリスクが本当に自分にとってリスクなのかを冷静に考えたら、そこまで大きなリスクじゃないかもしれないですからね。

今野一哉(こんの・かずや)
JGTOツアープレーヤー。18GOLFプロデュース / キッズゴルフ代表。アマチュアゴルファーの指導やジュニアゴルファーの育成に力を注ぎながら、各ゴルフメディアで活躍中。蝶ネクタイスタイルはゴルファーへ「サービスし、尽くす」と言う意味を表す。


今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション

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