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ボールは浮いてる? 沈んでる? ラフからのショットは1に状況確認と番手選びが成否を握る

石井良介のゴルフ・すべらない話:第72回

2025/04/16 ゴルフサプリ編集部

ラフ,ゴルフ,ボール

前回に続き、使用クラブは残り距離よりボールのライを優先して選ぶという話。今回はラフから上手に打つ時のクラブ選択について。「ラフは、その影響を過小評価している人が多すぎです」という石井良介。詳しく解説してもらおう。

ラフのボールは浮き具合を確認し素振りをしてから番手を決める

ラフはショットにおいて抵抗以外の何ものでもなく、クラブやボールにとってカベになります。ロフトが立ったクラブほど抵抗をまともに受けるので、ロフトが多めのクラブを使うと言われます。フェースの面積が広くても、ロフトがあれば真っ向からカベに当たらず抵抗を軽減できますから、これがラフから打つ場合の基本と考えていいでしょう。

ただ、ラフのボールは深く沈んでいても地面には着いていません。上から打ち込みすぎるとヘッドがボールの下を潜り、フェースの上面でヒットすることになって飛びませんから、どれくらい浮いているのかを見きわめる必要があります。

この判断は結構難しいですが、まずは目視で見当をつけます。その際は深さだけでなく、芝が乾いているか湿っているか、茎が太いか細いかを見ます。湿っている、あるいは茎が太いほど抵抗が強くなるからです。参考までに言うとラフは芝生の種類でも性格が違います。例えば野芝のラフではボールが浮いていても突っかかって打ちづらい。茎が太くて強いからです。また、洋芝はウェットで軟らかいのでミスした時に力が逃げて飛ばなくなります。

確認したら、必ず周辺で素振りをして抵抗を感じましょう。芝に突っかかったらかなりの抵抗。この時点ではじめて使用番手が決まります。

ラフは意地悪をするために設けられています。思い通りには打てないエリアですから、プレーヤーはその只中にいることを受け入れ、いかに最善策を打ち、いいところに復帰するかがやることの全て。フェアウェイとは、そもそも「座礁しないところ」という意味の航海用語。ラフ=座礁ですから何はともあれ復帰することが大事です。

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フライヤーも気になるところですが、基本的にはヘッドスピードがそこそこある人が、ボールに対してヘッドがいい入り方をした時に出る現象。9番アイアンでヘッドスピードが37~38m/s、ドライバーなら最低でも40m/s以上ないと芝の抵抗に負けて飛ばなくなります。

細かく見ればグリーンで止まりづらかった打球もフライヤーに入るかもしれませんが、影響があってもその程度です。ちなみにヘッドスピード38~39m/sで振った9番アイアンのショットをトラックマンで計測したところ、スピン量は1800~2200回転(rpm)、キャリーで180ヤード飛びました。

打つ距離にもよりますが、ラフからはフェアウェイウッドやユーティリティが打ちやすく、足が埋まるような深いラフでも工夫次第で打つことができます。

どうするかというと、ウェッジみたいにフェースを開いて使う。特にユーティリティはフェースを開くとソール面がゲタのようになり、フェース面が高くなるので、ソールが地面に当たってもフェースがボールに当たりやすくなります。フェースを開いたぶんは自分が左を向けばボールは目標方向に飛びます。

これは昔、全米オープンでフィル・ミケルソンがグシャグシャのラフからドライバーで打っていたのを見て、どうやるのか永井延宏プロに教わりました。もうかれこれ10年前くらい前でしょうか。日本オープンのラフからも打てるテクニックで、それ以来僕もお客さんに教えています。特に女性ゴルファーには必須のテクニック。夏場のゴルフはこれができるのとできないのとでスコアが段違いに変わります。練習しておけば誰でもできますが、上から打ち込みすぎるとヘッドがボールの下に潜るので要注意です。

ラフ,ゴルフ,ウェッジ

また、ラフには順目と逆目があります。特にグリーン周りではハッキリ分かれることも多いですが、両者で明らかに変わるのはボールの打ち出し。逆目の場合ヘッドが突っかかってボールが上がるため飛ばなくなります。チャックリするアマチュアの方が多いのは、目標までの距離が近いため加減をして振るからです。安全なのはロフトのある番手で大きめに振ること。打ち出しでポンと上がる特性を利用して空中に逃げるんです。前には芝のカベがあるから早く球を上げる。逆に順目は振りやすいのでボールが低く出て飛びます。

ということで、ショットやアプローチはライありき。ライに合わないクラブはプロでも打てません。また、プロにも芝の種類によって得手不得手があります。異なる芝生、環境でもうまく打てるかがゴルファーの技量でもある。タイガー・ウッズはどんな芝でも勝てたのですごいんです。みなさんが対峙する時は10回打って何回うまくいくかを考えてほしい。ギャンブルするのも楽しいですが、一か八かはギャンブルではなく無謀なだけ。せめて2分の1の確率がある状況でトライしましょう。

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。

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