勝ってるプロのパターが気になる! その気持ちはプロもアマも変わらない
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第63回

写真/Masters Tournament
特定のパターやドライバーが、突然人気になることがある。例えば、昨年はPGAツアーでL.A.B.ゴルフのパターの使用プロが急増した。そして、それはアマチュアにも飛び火、チラホラとゴルフ場で見かけるようになっている。この“L.A.B.旋風”のような現象をカリスマフィッターの鹿又さんは、どう捉えている?
勝っている選手のパターは気になっちゃうものです
L.A.B.ゴルフ(ラブ・ゴルフ)のパターを使う選手が増えた理由は、使っている選手が勝ったからなんです。シンプルに「勝ってる選手が使ってた」というのが大きいでしょう。というのも、プロゴルファーもアマチュアと感覚は一緒なので。勝った選手・強い選手が使っている道具って、みんな試すんです。試して良ければ使うし、合わなかったら使いません。
L.A.B.ゴルフでいえば、アダム・スコット、リッキー・ファウラー、J.J.スポーン、ウィル・ザラトリス、ルーカス・グローバー、アン・ビョンフンといったプレーヤーたちが手にしたことで注目を集めました。
直近では今年のマスターズを制してグランドスラムを達成したローリー・マキロイは、テーラーメイドのスパイダー ツアー X パターを使っていました。勝利パットをカップインさせた瞬間、思わず頭上に放り投げていましたね。もしかしたら、欲しくなっている方がいるのではないでしょうか。
それはパターだけじゃなくて、ドライバーでも同じこと。ブライソン・デシャンボー選手が躍進したときに、実は他の選手たちも46インチを試したりしていたんです。
アマチュアの皆さんも、よく一緒に回る人のドライバーが急に飛ぶようになったら、そのドライバーが気になってしまうのではないでしょうか。それと同じで、勝ってる選手が使っている道具というのは、選手同士でも注目されるんです。

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“試す→使う→結果が出る”の好サイクル
L.A.B.ゴルフのパターについては、選手が試してみて「良い」と感じて試合で使う、そしてその選手の結果が出る、という好循環が起こっているのでしょう。それが人気の理由の一つとしてあります。
それから、ビジュアル的にカッコいいと思うんです、デザインも含めて。カッコいいパターを持つ、という所有感もある。プロにとって所有感は関係ありませんが、アマチュアには大事な要素じゃないでしょうか。そういう意味でも流行っているんだろうな、とは思っています。
“トルクフリー”のパターが、流行りから定番になるか?

それではパターの機能として、特筆的にスゴいのかどうか。“トルクレス”とも“ゼロトルク”とも言われる理論のパターは、L.A.B.ゴルフだけではなくPXG(ALLAN)も出しています。現状で市販されてはいませんが、オデッセイ、スコッティ・キャメロン、テーラーメイドという大手メーカーも、ツアーで支給しているというニュースもありました。
今までもブレード型のパターから、オデッセイの「#5」みたいな形状(マレット型)が流行ったり「スパイダー」が流行ったり、日本だけですが「トラス」が流行ったり、プロの中でトレンドがあったじゃないですか。その流行りが定番化していってると思うんです。
そういう流れの一環として、あの形状と機能が“定番”になるかどうか、これからあと1~2年で決まるんじゃないでしょうか。
人気はあれど、誰が使っても合うわけではない
一つ言えることは、全員がハマるモノではないと思うんです。そういう意味で、今後もずっと流行るのかどうなのか――。
パターとしては高額な部類に入るので、そういう面でも一般のゴルファーにお伝えしたいのは「誰が使っても合うわけではないよ」ということ。だからこそ、L.A.B.ゴルフでもパターのヘッド形状をいろいろ作ったり、追加で出したりしているのでしょう。
やはり必ず、パターで球を打って転がして、ちゃんと選んでもらいたいですね。

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鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。