同じロフトでも、モデルによって距離は変わる
ユーティリティの“カチャカチャ”を吉にするか凶にするかは使う人次第ですが、ボクは“吉”しかないと思ってます。
大前提としてお話ししたいのが、ロフト=距離ではあるのですが、モデルによって球の高さとスピン量が違うし、ボール初速も変わります。どのユーティリティでも、24度を打てば同じ距離になるかといったら、そうではありません。
同じモデルの中でロフトが違えば、距離が変わっていきます。それが違うモデルになると、たとえばAというモデルの24度は190ヤード飛ぶけど、Bというモデルの24度は180ヤードしか飛ばない、ということが起こってくるんです。
だからこそ、そのクラブで自分が打ちたい距離を打つための調整機能として“カチャカチャ”ほど優秀なツールはありません。
グリーンに乗せたいクラブだからこそ、距離をアジャストする
それはFWでも同じことが起こりますが、ユーティリティではなくFWだと「上手く打てた・打てない」が結果につながるので、ゴルファーの皆さんはそんなに現実味がないのではないでしょうか。
でも、ユーティリティみたいにグリーンをターゲットにして狙うクラブでは違います。ユーティリティってFWよりクラブが短いこともあり、ある程度は上手く打てるでしょう。だからこそ余計に、自分が打ちたい距離が打てるように調整をすることが、コースを攻める上で“吉”になるはず。
リシャフトも含めていじれる強みがある
もう一つは“カチャカチャ”の特徴として「シャフトを替えやすい」ということもあります。
ユーティリティってシャフト選びがスゴく難しいんです。仮に、アイアンで100グラムくらいのスチールを使ってる人だったら、ユーティリティもスチールが良いんじゃないかとか70~80グラムのカーボンが良いんじゃないかとか、いろいろ迷うところでしょう。
そこはどうしても“行ったり・来たり”をするものなんです。重いほうが安定するし、軽いほうが球の高さが出てキャリーが伸びる、とか。それはどちらにしても「あっちのほうがいいな」って心変わりするんです。
そういうときに“カチャカチャ”でカンタンにシャフトを替えられて、自分が打ちたい距離にロフトをアレンジして使えるのは、メッチャ“吉”だと思います。
リーズナブルな“コピー品”のスリーブはリスクありき
ここで注意点を述べましょう。アフターマーケット市場で、純正品ではないコピー品の“カチャカチャ”のスリーブがスゴく流通しています。それが100%ダメとは言いません。でも一つは、強度のテストをしっかりしているのかが分からないことに「?」マークがつきます。
もう一つは“カチャカチャ”というのは「0.5度」とか「1度」とかいう精度の中で角度を調整していくパーツなんです。その“コピー品”がホントにそうなっているのか、その角度がしっかり動いているのかは分かりません。
ただ、値段はそちらのほうが安いんです。価格にして3倍くらい違うので。だからこそ「そういう要素もあるよ」という前提で、自己責任においてそういうスリーブをお買い求めください。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。


