飛距離が出そうもない猫背のアドレスでも飛ばせるってホントですか!? 秘密は「骨盤」にあり!
オジサンだって、まだまだ飛ばせる! 【人気コーチ・大西翔太のカラダにやさしいドライバーレッスン!】

オジサンと呼ばれる世代になったけど、まだまだ飛ばしたい! 飛ばしを諦めたくない! そんなゴルファーたちに大西翔太コーチがドライバーの飛ばしを親切レッスン。第8回のテーマは「ついつい猫背に構えてしまうのをどうしたら直せる?」。確かに年を取ると普段から姿勢が悪くなりやすいので大いに注意したいところだ。
構成/三代 崇 写真/小林 司 協力/千葉カントリークラブ梅郷コース
カッコよく見える前傾姿勢は両脚のツケ根から上体を軽く折り曲げるのがコツ
骨盤が立ったアドレスではバランスのいい前傾姿勢が作れない
もともと猫背気味だけど、アドレスの姿勢がどんどん悪くなったような気がする。コレが飛ばないせいだとしたら、直し方のコツってあるの? もっとカッコよく構えたいけど、自分の気づかないうちに猫背になりやすいのがオジサンたち共通のお悩みです。カッコいい姿勢で構えるにはどうしたらいい? というご質問ですが、ボクは、猫背自体は悪いことではないと思います。
シニアプロたちのアドレスを見てください。猫背気味に構えているプロが多いことがよく分かるでしょう。自分のカラダの柔軟性を活かしやすい方法はタイプによって異なるわけで、それがアドレスの姿勢に表れているのです。
バランスのいい姿勢で構えるには両脚の付け根から骨盤を前傾させて上体を折り曲げることが大事なポイントで、上体を正しく前傾できていれば多少の猫背でも構いません。猫背でもカッコよく見えるアドレスが作れます。
よくないのはヒザを曲げすぎて体重がカカト側に乗ったアドレスです。いわゆるヘッピリ腰で骨盤が立つため両脚の付け根から上体を折り曲げることができず、安定感のないアドレスとなります。真正面から見れば顔が完全に下を向いていて、誰だか判明できないような構えです。
バックスイングで上体が起きてダウンスイングで上体が沈むといった具合に頭の上下動やスイング軸の左右のブレを引き起こしてミート率が低下し、ボールが飛んでくれないのです。


グリップはアゴの真下。コレでカラダとボールの間隔を適切に保てる
バランスのいい前傾姿勢で構える方法をアドバイスしましょう。手順としては次のようになります。
・両足を肩幅くらいに広げて直立の姿勢になり、両手にクラブを水平に持って腰の前に当てる
・両手に持ったクラブを背中側に折って、軽くお辞儀するように両脚の付け根から上体を折り曲げる。これで骨盤が前傾する。
・両ヒザを軽く曲げて、重心を土踏まずから母指球の間に感じる。
・両腕を自然に下げて、グリップがアゴの真下にくるように構える。


これでアドレスが完成です。猫背でも上体をやや起こし気味にすることで真正面から顔が見えますし、誰が見ても安定感のある姿勢で構えられます。スイング軸のブレもなくなってバックスイングの捻転動作がスムーズになります。
ボールの近くに立ちすぎたり離れすぎたりするのもNGです。背中からお尻にかけてのラインが真っすぐに見えるように構えるのもいいですが、胸を張って背中を無理に反らせるのは避けましょう。腰に負担がかかり、腰痛を引き起こしやすいからです。


骨盤を前傾させるにはお尻を少し上に持ち上げる感覚となりますが、背中は軽いカーブを描くくらいにゆとりを持たせるのがいいと思います。要は窮屈感のない姿勢で構えることがクラブを気持ちよく振り抜けてナイスショットを生み出すポイントなのです。


大西翔太
おにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方で青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。

手打ちとカラダ打ち、どっちがいいの!? シニア世代は両方の融合スイングがオススメ!
オジサンゴルファーたちに大西翔太コーチがドライバーの飛ばしのコツを親切レッスン。第7回は「シニア世代のゴルファーは手打...

ヘッドスピードアップはテークバックを低く長く! 腕を早く振るよりもカンタンです!
オジサンといわれる年代になったけど、ドライバーの飛ばしはまだまだ諦めたくない。そんなシニア世代のゴルファーたちに大西...

五十肩ならトップは左肩をアゴにつけるだけで十分! 無理に上げようとするより飛距離アップもあり得ます
シニア世代のゴルファーたちに、大西翔太コーチがドライバーの飛ばしをレッスン。カラダが硬くなったけど、まだまだ飛ばした...