遠心力を使って飛ばすって、どうすればいい? クラブとカラダの引っ張り合いは「円弧」を大きくすることで生まれる
オジサンだって、まだまだ飛ばせる! 【人気コーチ・大西翔太のカラダにやさしいドライバーレッスン!】

カラダが硬くなってきた。体力や筋力も落ちてきた。若い人たちに負けるのはシャクにさわるけど、飛ばしは諦めたくない! そんなオジサンゴルファーたちに大西翔太コーチがドライバーレッスンするシリーズ。第9回のテーマは「遠心力をどう使えば飛ばせるようになる?」。遠心力ってイメージは何となくつかめるけど、今イチよくわからない……。
構成/三代 崇 写真/小林 司 協力/千葉カントリークラブ梅郷コース
テークバックの段階からクラブヘッドの重さを感じれば遠心力を最大限に引き出せる!
バックスイングは右隣の人と左手で握手して引っ張り合うイメージ
遠心力を大きく使うにはハンマー投げのイメージがいいというけど、遠心力を使って飛ばすなんて年を取るとちょっと難しそうだし、カラダがいうことをあまり聞いてくれない。シニア世代のゴルファーにマッチした遠心力活用法ってあるの?
そんな風に遠心力の使い方を訊ねてくる方も多くいます。体力や筋力の低下を感じ、「もうパワーで飛ばす年代じゃない!」と悟り、遠心力の活用に目を向けたのでしょう。
ハンマー投げのイメージで遠心力を活用するというとフォロースルーばかりに意識が行きそうですが、最初に着目してほしいのはテークバックです。フォロースルーでクラブヘッドで大きな円弧を描くように振り抜くには、バックスイングも大きな円弧を描くイメージが大切です。テークバックの始動から手先でクラブをパッと上げてしまってはバックスイングが小さくなり、カラダの捻転不足を引き起こします。結果、フォロースルーも小さくなってヘッドスピードが上がらないのです。
テークバックではクラブヘッドを低く真っすぐ引き、クラブヘッドの重さに引っ張られるような感覚でカラダをしっかりと捻りましょう。ただしバックスイングを大きくしようとして、上体が右にスエーしたり右ヒザや腰が流れたりしてはダメです。
バックスイングで腕とクラブが時計盤でいう9時の位置まで上がったとき、右隣の人と左手で握手するイメージを持つといいと思います。誰かにクラブを引っ張られる感覚ですが、引っ張られっぱなしではいけません。アドレスのポジションのままでバックスイングを大きく取るようにしましょう。




フォロースルーは左隣の人と右手で握手するイメージで遠心力を感じよう
バックスイングの円弧を大きくすれば、左右対称形としてフォロースルーの円弧も自然に大きくなり、ヘッドスピードがアップします。クラブを自分で速く振るということではなく、スイング軌道が大きくなればクラブヘッドが加速してくれるのです。
フォロースルーでもクラブヘッドの重さを利用する感覚がありますが、上体が目標方向に流れるのはNGです。腕とクラブが時計盤の3時のポジションでも誰かにクラブを引っ張られるイメージです。


この場合は左隣の人と右手で握手し、お互いに引っ張り合う感覚です。バックスイングと同様、引っ張られるだけではいけません。クラブヘッドが遠くに進もうとする遠心力に対抗する向心力が大事なのです。
もう一つ、遠心力を活用しやすくするポイントがあります。それは手首を硬くしないことです。クラブヘッドの自由度を奪わないように、手首を固定しないで柔軟にしておきましょう。手首を柔らかくしておくのは、グリップをゆるゆるに握るということではありませんので、そこは注意してください。

もっと具体的にいえば、グリップは強めに握っても緩めに握ってもOKです。ボクの場合は手首の柔軟性をキープするという前提で、ショットの目的によってグリップの握り圧をコントロールしています。
方向性重視のときやフェードを打ちたいときはグリップを強めに握り、飛距離を出したいときやドローを打ちたい場合はグリップを緩めに握ります。
でもバックスイングの円弧を大きくすることでフォロースルーの遠心力を最大限に活用するという点では一緒です。


大西翔太
おにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方で青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。

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