1. TOP メニュー
  2. ゴルフギアにお悩み
  3. 振りやすくても上がらない飛ばないじゃ意味がない。最適なクラブの長さは“打ちやすい”が正解

振りやすくても上がらない飛ばないじゃ意味がない。最適なクラブの長さは“打ちやすい”が正解

鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第74回

2025/07/10 ゴルフサプリ編集部

そもそも論として、大柄な欧米人と小柄な日本人で、クラブの長さって変わらなくていいの? 同じクラブ(番手)でも、身長が高い人は長め、背丈が低い人は短めなのが自然じゃないの? そんな単純なギモンをカリスマフィッターの鹿又さんに問いかけてみると、こういうアンサーが返ってきた。

短くすると振りやすくなるが、球が上がりづらくなる

クラブの長さは身長と比例したほうがいいのか? というテーマでボクなりの考えをお話ししましょう。

実際にアメリカへ行ってフィッティングをしている人たちに話を聞いたり、現場で見たりした中で言うと、アイアンの長さに関しても、あちらでは0.5~1インチくらい長くしている人もいます。つまり、5Iで39インチくらいにしたり。ただそれは、あくまでも“アレンジ”の話になります。

アドレスしたときに身長が低くて腕が短いから、標準より短いクラブにしたらどうなるのか? ということを考えてみましょう。良い面は、クラブを振りやすくなると思います。ただ“クラブ”として見たときに、標準よりも短くなるのですから、HSが上がりづらいし球が上がりにくくなることは否めません。

“振りやすさ”を重視するか? “結果”を求めるか?

ドライバーの長さは今、45.5インチを境にしてプラスマイナス1/4インチくらいが平均で、アイアンに関しては5Iで38インチ、飛び系のモデルは0.5インチ長くなったり、というように現在一般的とされている長さに対してのアレンジとなっています。

番手ごとに0.5インチピッチの長さでできているのは、何十年にもわたってデータを積み重ねてきた結果として、パフォーマンスと安定性のバランスが最も良いとされている長さ(ピッチ)ということ。なので、その“結果”を取るのか? “振りやすさ”を取るのか? という二択になると思います。

これまで数多くの人たちにフィッティングをしていますが、クラブを振りやすくしたら球が曲がらなくなるのかと言ったら、それを保証できるものではありません。それならば、上手く打ったときのパフォーマンスが、ある程度高いクラブを上手に打てるよう練習するほうが、ゴルファーとしての“戦闘力”が上がるはず。なので「そちらのほうが良いと思います」という答えを出す場合が多いです。

“振りやすい”と“打ちやすい”は似て非なるモノ

とくにドライバーに関して言えば、HS40m/sの人が打ったときに、44インチのドライバーと46インチのドライバーを比べると、圧倒的にボール初速が変わるんです。46インチのほうが初速が上がることは言うまでもありません。アイアンにしても、大きい番手は違う難しさがありますが、9Iと7Iでミート率が著しく変わるかといえば、そうでもありません。

そう考えると、長さを安易にアレンジするよりも、適正な長さのクラブを上手に打てるよう練習してもらうのが一番良いんじゃないかな、とボクは思います。よくお客さんに「“振りやすい”と“打ちやすい”は違いますよね」とお話しします。目的は“振る”んじゃなくて“打つ”こと。クラブを振りやすくしたら打ちやすくなるかといったら、そうじゃありません。
今回はクラブの長さについての考察を述べてみました。

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。

パター選びはまず長さ! ヘッドやネックは“一番落ち着く構え”が決まってから!

「大型マレットはオートマチックに打てる」「スラントネックのほうがアークを描きやすい」というように、パター選びの重要事...

あわせて読みたい

ユーティリティで“カチャカチャ”してないの? まずは打ちたい距離にアジャストしてみよう!

ユーティリティにも、ロフト角やフェース角などを調整できる“カチャカチャ”がついたモデルがある。だが、もともとやさしく打...

あわせて読みたい

90の壁を破りたければ、ドライバーは曲がらない一択! プラス10ヤードよりも平均飛距離が重要!

“90切り”を目指すアベレージゴルファーは「球が曲がらないけど飛びはそこそこ」と「飛ぶけど曲がりやすい」という2タイプのド...

あわせて読みたい