タメが作れない? 大丈夫、今どきドライバーはタメを作らないほうが飛ばせます!
オジサンだって、まだまだ飛ばせる! 【人気コーチ・大西翔太のカラダにやさしいドライバーレッスン!】

カラダのあちこちに痛みを感じるようになったし、若い頃のような無茶振りもできない。でも自分なりにドライバーの飛ばしを満喫したい。そんなオジサンゴルファーたちに大西翔太コーチがドライバーの飛ばしテクをアドバイスするシリーズ。第13回は「タメが作れないという悩みの解決策」をテーマに取り上げる。
構成/三代 崇 写真/小林 司 協力/千葉カントリークラブ梅郷コース
今のダウンスイングはトップの腕の長さをキープして振り下ろすイメージがいい!
ダウンスイングでタメを作る常識は今のドライバーには当てはまらない
ダウンスイングでタメを作るのが飛ばしの条件であることは知っている。だけど年齢のせいか不器用になってタメがうまく作れない。そればかりでなくボールが右にしか飛ばなくなったし、飛距離もかなり落ちてしまった。オジサンゴルファーたちの「あるある」の話ですね。
キャリアの長いゴルファーたちにとって、「ダウンスイングでタメを作る」ということはゴルフの常識として教えられたそうです。右ヒジを絞るようにして手元を引きつけてクラブヘッドを遅らせる。そして大きなタメをインパクトエリアで一気にリリースすることで大きなパワーを生み出すわけです。
でも、これはクラブヘッドがかなり小さかった昔のパーシモンドライバーの時代の話です。当時のヘッド体積は200~230cc程度で、現在の460ccのチタンヘッドの半分しかなく、シャフトも43インチくらいと短かった。そんな理由からダウンスイングで飛ばしのパワーをしっかりと蓄積する必要がありました。

今どきのドライバーはタメを作ろうとすると振り遅れてしまうだけ。
現在のドライバーは大型ヘッドに加えて、45インチとシャフトが長くなっています。ヘッドが大きくて長尺、しかも軽い。オジサンゴルファーたちも、昔よりもかなり振りやすいなと実感していることでしょう。
ところがダウンスイングでタメを作るという昔の常識は、今のドライバーには当てはまりません。タメを作ろうとしてもクラブが軽いから、重さを利用できずタメが作りにくい。それにもかかわらず無理に右ヒジを絞ってクラブを遅らせようとすると、今度はシャフトの長さによってクラブが遅れすぎてフェースが開いてしまいます。
クラブが軽くて振りやすい反面、振り遅れになりやすいのです。右プッシュやプッシュ系のスライスが生じやすいのはそうした理由からです。
両前腕部にボールをはさんでスイング練習し、「タメない」動きを体感しよう
今どきのドライバーはダウンスイングで「タメない」のが理にかなっています。大型ヘッドと長尺のメリットを活用するためにも、クラブヘッドで大きな円弧を描くイメージで振り下ろしましょう。
ダウンスイングでタメを作ろうとすると、両腕を縮ませて手元をカラダに引きつける感覚ですからダウンスイングの円弧が小さくなります。タメないというのはトップの腕の長さをキープしつつ、手元をカラダの遠くから下ろすことです。
そうすればダウンスイングの円弧が大きくなり、クラブヘッドが鈍角に下りてきてボールをスクエアにとらえやすくなります。今の体力のままでも、クラブの特性を上手に活かすだけで飛んで曲がらない球が打てるようになるのです。
ただし、ダウンスイングで右ワキが開いてしまうのはNGです。トップの両腕の長さが変わり、ダウンスイングの軌道がブレやすいからです。



そこで今どきのダウンスイングで飛ばせるようになる練習ドリルを紹介しましょう。ビニール製かゴム製の小さめのボールを用意し、両ヒジから先の前腕部にはさんでください。あとはスイング中に両腕のボールを落とさないように素振りするだけでOK。ボールを強くはさまないで、落とさないくらいの力感をキープするのがコツです。
「バックスイングでアドレス時の両肩と両腕の三角形をキープする」とよくいいますよね。ダウンスイングでもこの三角形をキープするイメージです。
タメを作らないで大きな円弧で振り下ろす感覚をマスターして、飛ばしをエンジョイしてください。




大西翔太
おおにし・しょうた
1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方で青木瀬令奈のコーチ兼キャディをつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富で、安田祐香のメンタルコーチとしても24年の初優勝、25年の2勝目に貢献。

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