サプリ:最近、激飛びアイアンの人気がだいぶ落ち着いて来ましたね。

高橋:アイアンだけじゃなく“ブッ飛びFW”も影が薄くなったよね。

サプリ:そういえば、そうですね。

高橋:賢いゴルファーが増えてきたということかな。

サプリ:というのは、 どういうこと?

高橋:ドライバーでも飛ばそうと意識したり、飛びを優先でクラブを選ぶのはあまりオススメできないんだけど、特に、ドライバー以外で飛ばそうとすると、お金とスコアの無駄遣いになりやすい。クラブの本数の無駄遣いにもなるよね。

サプリ:飛んだ方が、いいように思いますが……。

高橋:クラブとスイングのふたつの視点に分ると分かりやすいので、まずはクラブから話しましょうか。クラブは14本までとルールで決まっているよね。

サプリ:はい、そうです。

高橋:ではクラブを複数本セッティングする目的は?

サプリ:飛距離を打ち分けやすくするためです。

高橋:なんだ、分かっているじゃない。そもそも、ドライバーが一番飛ぶクラブで、番手毎に、徐々に飛ばなくして飛距離を打ち分けやすくしているんだよね。

サプリ:おっしゃる通りです……。


高橋:ドライバー以外は飛ばなくするためにセットを組んでいるのに、間の番手を飛ぶようにしたらどこかで、飛距離を打ち分けにくくなるでしょう。それだけじゃなくて、短い番手を飛ぶようにするということは、初速を上げる、打ち出しを低くする、スピンを減らすことで実現するから、止まりにくくなっちゃうでしょ。

サプリ:でも、飛んだ方が気分がいいように思いますけど。

高橋:ゴルフは飛距離を競う競技じゃないよね。スコアを競う競技なんだから、まずはスコアが出やすいセッティングが優先でしょ。

サプリ はい、おっしゃる通りです。

高橋:9番アイアンの飛距離がドライバーの飛距離の1/2くらいが飛距離の目安で、これ以上の飛距離は不要。それから、ドライバーの最大飛距離はヘッドスピードに比例するでしょ。ヘッドスピード40m/sで240ヤードくらいが目安で、ヘッドスピードが1m/s変るごとに7ヤード強、飛距離が変化する。

サプリ:クラブ選びでドライバーの飛距離は伸ばせないということ?

高橋:ヘッドスピードに対する目安の飛距離に届いていない人は、どこかでロスしているので、ロスをなくしてくれるクラブに替えれば飛距離は伸びます。ただし、目安の飛距離が出ている人は、極論するとヘッドスピードを上げるしかないですね。

サプリ:なるほど。それでスイングの視点というほうは?

高橋:クラブの番手で飛距離を打ち分けるようにしているのだから、スイングの力感とかテンポは出来るだけ一定でプレーするのがいいんです。だから、強振して番手以上に飛ばそうとすると弊害が生まれるという話です。

サプリ:もう少し具体的に教えてもらえますか?

高橋: 例えば、パー5のホールでドライバーがナイスショット、セカンドショットで、3Wを持って、普通なら届かないけれど、強振してすればもしかしたら届くという状況。強振して上手くいけばいいけど、大ダフリとかチョロも出るし、強振した結果曲がりやすくもなるでしょ。

サプリ:それでもチャレンジしたいって思いませんか?

高橋 それは個人の価値観なのでチャレンジするのはいいけれど、スコアを考えたらリスクが高いでしょ。強振したショットだけじゃなくて、次のショットにも影響が出やすい。

サプリ:えっ!  そうなの?

高橋:“マン振り”のテンポと力感が残りやすいから、直後のショットで“力み”が出たり、反対に軽く打とうとして“緩む”ミスが出やすくなるということです。アプローチのコントロールショットは例外として、出来るだけラウンドを通して、一定のテンポと力感でショットを続けることが、結果的に好スコアを生むんです。

サプリ:なるほど、だからミスが連発するんだ。

高橋:燃費のいい運転に似ているかな。なるべく一定速度で、加速、減速は控えめにすれば、燃費はいいし、タイヤやブレーキの消耗も少ないし、ドライバーの疲労も少なくて済む。急加速や急減速を繰り返すと、燃費は悪くなるし、タイヤやブレーキの消耗は多くなり、ドライバーの疲労も大きくなる。

サプリ なるほど!

高橋 全ホールバーディというのが、夢のプレーかもしれないけれど、まずは、全ホールパープレーを目指すのがオススメ。どれだけミスを減らして、72ストロークに近づけるかという意識でラウンドすれば、自然と好スコアが出るはずですよ。

高橋良明(たかはし・よしあき)
1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。ツアーにチャレンジする傍ら、多くのゴルフメディアでクラブの試打を行って来たベテランテスター。DSPEゴルフスタジオ、ヘッドコーチ。