サブグリーンの上からボールを打ったらペナルティーになるの?
ゴルフのルール&マナー
“サブグリーン”というと、何となく「使っていない方のグリーン」という響きがあって、グリーンの一種と思ってしまう人もいるようですが、実は、“目的外のパッティンググリーン”で、そこでのプレーは禁止されています。だから、ここからプレーをすると……。今回は、サブグリーンにボールが乗った場合、どうすればいいかをお教えしましょう。
サブグリーン上のボールを打つのはもちろん、スタンスがかかってもNG
国内のゴルフ場ではよく見かけるサブグリーン。なぜこのように“サブ”のグリーンがあるのかというと、日本の場合、高温多湿な夏場にグリーンの芝生が枯れてしまうことが多く、コーライとベントといったように、2種類の芝種のグリーンを隣り合わせに設け、季節に応じて使い分けているからです。また、同じ芝種のグリーンを2つ設け、どちらかを使い、一方を休ませることで、ゴルファーに最高の芝を提供しようというゴルフ場もあります。
そして現在は、2つのグリーンを持つゴルフ場のほぼ全部が、サブグリーンを“プレー禁止区域”として、そこでのプレーを固く禁じています。
とはいえ、そこにボールが入ったからといって、いきなりペナルティーになるわけではありません。「入ってしまったものは仕方がない。だけど、プレーは絶対にしちゃダメよ」というのがサブグリーンのスタンスです。
では、サブグリーンからボールを打ってしまったらどうなるのか? 結論からいうと、その時点で2罰打になります。打ち終わったあと、「しまった!」と思っても後の祭り。打ち直す必要はありませんが、2打を付加してプレーを続けることになります。
また、ボールがサブグリーンにあるときだけではなく、スタンスなどがかかるときも救済処置を行う必要があります。「ボールが外にあるから大丈夫」とはなりません。足がサブグリーンに乗っている状態でショットをしたら2罰打となるので注意しましょう。
次打はどこから打てばいい? 間違えやすい黄杭と赤杭の処置の違い
先日の国内女子メジャー第3戦「日本女子オープン」で、同組で回っていた2人の選手がルールの勘違いから失格になりました。彼...
サブグリーンでピッチマークを見つけたら積極的に修復を
処置の手順は次の通り。ベテランゴルファーでも、この処置をいい加減にやっていて、競技会やコンペなどで注意を受けるケースも多いようなので、しっかり覚えておきましょう。
①サブブグリーンに乗ったボールのあるところにマークをし、ボールを拾い上げる。
②サブグリーン外で、マークをした地点から最も近く、さらにホールに近づかない地点をニアレストポイントとする。ニアレストポイントに関しては、ピンを中心にして円弧を書くと分かりやすい。
③ニアレストポイントを設定したらその場所にマークし、そこから1クラブレングス以内で、ホールに近づかないエリアにボールをドロップする。
ボールをサブグリーンに置いたままニアレストポイントを決め、そのあとボールを拾い上げてもルール違反にはなりませんが、ニアレストポイントを決める前に、サブグリーン上にあるボールをマークせずに拾い上げると1罰打になるので気を付けましょう。
なお、カラーはサブグリーンに含まれないので、カラーにボールがある場合はもちろん、スタンスがカラーにかかる場合も、そのままプレーして構いません。ただし、繰り返しになりますが、ボールがカラーにあっても、スタンスがサブグリーンにかかる場合は救済処置を行わなければいけません。
また、これはマナーに関することですが、サブグリーンをできるだけ傷めないようにプレーするというのも重要です。もし、ピッチマークがあったら、自分が付けたものではなくてもグリーンフォークで修復しましょう。それと、ボールがあるところまで最短距離で行くことも大事。戻るときも同じルートを通り、速やかに出るようにしましょう。
芝は皆さんが思っている以上にデリケートなもの。グリーンキーパーの話では、「本当はサブグリーンを柵で囲っておきたいぐらい」だとか。ルールだからというのではなく、芝を守るという点でも、サブグリーンをいたわるようにしましょう。
文・真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。
「またOB!?」から立ち直る! 次のティーショットをフェアウェイに戻すコツ
ラウンド中にティーショットでOBを連発してしまうと、自信もリズムも一気に崩れてしまいます。「次こそは曲げたくない!」と...
モーダス105と950ネオはどっちが硬い? どっちがしなる? 吉本巧がわかりやすく解説!
人気のスチールシャフト「N.S.PRO MODUS3 TOUR 105(以下モーダス105)」と「N.S.PRO 950GH neo(以下950ネオ)」。どちらも“...
同伴プレーヤーがボールを打つときのベストポジションは? とにかく「真後ろに立つ」のは絶対NG!
ペナルティーが科せられることはないが、マナー的には問題ありというケースが多いゴルフというスポーツ。中でも、4人が揃い、...