“長いから当たらないクラブ”は短くすればミスを減らせるのか?
オグさんです。今回は、フィッティングに来ていただいたお客様のクラブを題材にしたいと思います。その方は3番ウッドと5番ウッドをお持ちだったのですが、フェアウェイウッドが苦手で、少しでもミスを減らそうと、どちらも1インチずつ短くカットされていました。ですが、短くした結果、さらに当たらなくなってしまったようで、自分の腕が悪いと思いつつも、なぜ短くしたのに当たらなくなったのか、調整したら当たるようになるのかが知りたいとご来店いただきました。
クラブ長が短いほうがボールに当てやすくなるだろうと考えるのは、ごく自然なことだと思います。ですがゴルフクラブはただ短くしただけでは、クラブとしてのバランスを崩すことになり、反対に振りづらく、ボールをとらえにくいクラブになってしまうこともあります。
ゴルフクラブは、長さに対して釣り合うヘッド重量がある
ゴルフクラブのヘッドは、クラブの長さが短くなる番手ほど、重くなるように作られています。一番長さのあるドライバーのヘッドは180~200g超ぐらいに設定されており、短いウェッジのヘッドは290~305gぐらいです。
長さに合わせた重さの設定にすることで、長さの違うクラブでもスイングした時に感じるヘッドの重さを近くしようとしているのです。もっとわかりやすいのがアイアンです。アイアンのヘッドは番手が大きくなるごとに6~7gずつ重くなるように設計されています。半インチずつ短くなる部分に合わせて重くすることで各番手の振り心地を近づけているのです。
そんなセオリーを備えたゴルフクラブをただ短くしてしまうと、ヘッドの重さが感じにくくなってしまい、タイミングが取りにくくなったり、他のクラブではうまく打てるスイングでもボールをとらえにくくなってしまったりするわけです。
今回、相談をいただいたお客様のクラブには、ヘッドやシャフトに鉛を貼って短くなった分の重さの補充をし、他のクラブとの重さと長さのバランスを合わせました。その結果、シャフトを短くする前より、かなり打てるようになったと非常に喜んでいただけました。
3番ウッドを短くして一定の距離を狙うクラブに改造するのはあり?
ゴルフクラブは、ある程度セオリーに則ってチューニングすれば、基本設定から逸脱しても打てるクラブを作ることは可能です。例えば、5番ウッドの長さに合わせた短い3番ウッド。短くしたぶん、鉛や、脱着式のウェートなどを使ってヘッドに重さを足すことができれば、一定の距離を低い弾道で打つクラブとして仕上げることができます。
しかし上記のような特殊仕様のクラブは、どうしても汎用性が下がってしまいます。一定の距離しか打てない打ち下ろしのティーショットなど、ピンポイントで使用するなら作る価値はありますが、常時使用するクラブとして考えるなら、まずは基本の設計の状態で、自身のスイングに合わせてチューニングするのがおすすめです。
■オグさん(小倉勇人・おぐら はやと)
元ゴルフ雑誌編集者のスウィング&クラブアドバイザー。現在は千葉県にあるゴルフ練習場「ユニオンゴルフクラブ」にて「ゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店」で店長をしつつ、過去の経験で得た知識を武器にゴルフライターとしても活躍中。飛距離は250ヤード、持ち球はフェード。ベストスコア68。







