ゴルフスイング新常識|アマチュアが陥りがちな下半身リードの2大ミス
カリスマコーチ、大本研太郎プロによる新常識レッスン
トップまで上げたら、切り返しで下半身リード。それがこれまで多く言われてきたセオリーだ。しかし、「下半身リードのイメージは危険」と、大本研太郎プロは指摘する。大本プロが推奨するのは、カラダがバランスよく連動する「上半身リード」。
ミスにつながりやすい下半身リードに注意。
[目次]
■下半身リードは誤解だった!?『上半身リード』のススメ【ブレイクスルー①|大本研太郎】
・リッキー・ファウラーのスイング解析
・下半身リードが正しいと言われる理由とは?
・アマチュアが陥りがちな〝下半身リード〟の2大ミス
・上半身を動かせば、下半身は自然と“連動”する!
・上半身を縦に動かすと下半身は横回転する!
アマチュアが陥りがちな〝下半身リード〟の2大ミス
下半身リードはミスにつながりやすい
アマチュアが陥りがちな切り返し後、下半身を先行させようとすると、上半身ごと左に流れるミスとそれを嫌って、上半身が右に傾くミスが出やすい。打点はヒール寄りになり、フェースは開き気味になるので、ボールは安定しないだけでなく、飛距離も出なくなる。
スピンアウト
スピンアウトとは、上下の捻転差がないままカラダが回ってしまう現象。スライスやヒッカケの原因になるほか、捻転差がないのでパワーが生まれない。
下半身から動かそうとしても、上半身がついてくる
バランス良く、パワーを出すには、上半身と下半身が分離して動くことが必要。しかし、前傾した状態で下半身を先行させようとすると、上半身もくっついて動いてしまい、捻転差が生まれない。
あおり打ち
腰だけが先行してしまうと、カラダの軸が右に倒れて、あおり打ちになりやすい。プッシュアウトやチーピンのミスが出やすく、球が安定しない。
上半身と下半身がくっついたまま下半身を大きく先行させようとすると、スイング軸は右に傾き、大きなミスにつながる。
プレー中、緊張してくると、上半身は硬くなり、カラダの上下がますますくっついて動いてしまう。
セオリー通りにやっているはずが……下半身リードが誘発するスイングのエラー
野球とゴルフの違いは、前傾姿勢の有無
下半身リードしながら、大きく左に体重移動する動きに、野球のバッティングをイメージする人は多いだろう。
野球とゴルフの大きな違いが、前傾姿勢の有無だ。直立した状態から、左足を踏み込む(※左打ちの場合は右足)野球と異なり、前傾した状態で切り返すゴルフは、先行させた下半身に、上半身がくっついて動いてしまう。
カラダの上下を分離すると、安定したスイングになる
スイングのバランスを保ち、パワーを出していくには、上半身と下半身を分離して動かし、捻転差を生み出す必要があります。切り返しから、“下半身リード”すれば、捻転差が生まれると考えているゴルファーは多いですが、実際には前傾姿勢をしたまま下半身を先行させると、カラダの構造上、上半身がくっついて動いてしまいます。そのため捻転差が生まれない「スピンアウト」や、スイング軸が倒れる「煽り打ち」など、大きなエラーが生まれやすいのです。
これまで“下半身リード”がセオリーだった理由のひとつに、国民的スポーツである野球の影響が考えられます。たしかに野球では、前足を大きく踏み込んでバッティングしますが、それは前傾のない直立した状態から動くから出来ること。アドレスで前傾するゴルフでは、同じ動きをするのは難しいのです。
上半身の動きをきっかけに下半身を連動することで、上下の分離は自然と行えます。次回から実際に“上半身リード”のしくみを解説しましょう。
大本研太郎
(おおもと・けんたろう)
レッシュプロジェクト・マスター級トレーナー資格を所持し、データと理論に基づくレッスンに定評がある。新理論「グラビティメソッド」で、2018年P G Aティーチングアワード最優秀賞。「GPC恵比寿」主宰。1974年生まれ。
協力/木更津ゴルフクラブ
GOLF TODAY本誌 No.570 30~39ページより
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