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パターの打ち方を上達!グリップの正しい握り方と選び方

2021/03/10 ゴルフサプリ編集部

プロゴルファーたちがパターを打つときのグリップをよく見ていると、みんな握り方が違うことに気づく。小川泰弘プロは「パターの場合、基本的にはどんな握り方でもOK。パターを気持ちよく振れて、カップインしやすい握り方がその人にとっての正しい握り方です」と言う。では、どんな握り方があるのかを教えてもらおう。

[目次]

パターグリップの正しい握り方と選び方とは!?

パッティングの際、プロもアマも握り方は様々。正解はなく、自分の感覚をもっとも生かしやすい握り方がベストだ。しかし、パット上手な方に共通しているポイントがある。

ポイント

  • 自分の感覚をもっとも生かしやすい握り方がベストだが基本はあり
  • 両手の親指を平らになっているグリップの真上に乗せることが握り方の基本
  • 両手を少し浮かせてハンドアップに構える
  • ヒジから先とシャフトが真っすぐになるように構える

パターのグリップの真上が平らなのはちゃんと理由がある

パターの場合、ドライバーやアイアンなどのショットと違って、ターゲットまでの距離が近いうえに、距離感やタッチなど微妙な感覚が要求されます。

手のヒラの感覚に委ねる部分が多いので、自分の感覚をもっとも生かしやすい握り方がベストといえます。どんな握り方が正しいかという答えはあってないようなもので、自分の感覚にマッチしたグリップを見つけることが、パターの上達につながるのです。

ただし、両手の親指はグリップの真上に添えましょう。パターのグリップの上の部分がどうして平らになっているかというと、この部分に親指を乗せやすくするためです。グリップの真上に両手の親指をそろえるように持ち、両手を少し浮かせてハンドアップに構えましょう。

両手からパターを吊るすイメージで構えることで手首を固定しやすくなり、ストローク中に手首が折れてしまうミスを防げます。

ショットの場合はコッキングを使ってクラブヘッドを走らせる必要があるので、両手の小指側から握り、手首に角度をつけて構えますが、パターでは手首の角度をつけませんからヒジから先とシャフトが一直線に見えるような形となります。

グリップの真上に両手の親指を乗せよう。平らになっているのは親指をそろえやすくするためだ。
両手を浮かせてハンドアップに構えよう。ヒジから先とシャフトが真っすぐとなればOK。
ショットの場合は手首の角度をつけるために小指側から握る。そこが大きく違う点だ。

長所がいっぱいのクロスハンドグリップも試してみよう

両手の親指をグリップの真上に乗せる基本はあるが、パターの握り方は様々。自分のフィーリングに最も合う握り方がベストだ。

ここでは、両手の位置を反対にして握るクロスハンドグリップのメリットを紹介。ローリー・マキロイ、ジョーダン・スピースなど世界のトッププロが採用している。

日本でも2018年と2019年の賞金王である今平周吾、石川遼などが、グリーンの速さなどによって通常のグリップと使い分けている代表的なグリップだ。

ポイント

  • 両手の位置を反対にして握るので、両肩の高さがそろいやすい
  • 手首を完全ロックできるのでストロークの軌道が安定しやすい
  • インパクトで顔が上がりにくいため、フォロースルーを真っすぐ出しやすい
  • アドレスで右肩が下がる人、インパクトで顔が早く上がる人、手首をこねてしまう人にオススメ

親指をグリップの真上に乗せれば、あとはどんな形でも構いません。ショットと同じようにオーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップに握る人もいます。

もっともオーソドックスな握り方といえば、左手の人差し指を右手に重ねて握る逆オーバーラッピンググリップでしょう。オーバーラッピングやインターロッキングと違って右手のヒラの全体をグリップに密着させることで右手のヒラの感覚を生かしやすいのが長所です。

逆オーバーラッピングにも色々なスタイルがあって、左手の人差し指を伸ばして右手に重ねる人や、右手の人差し指を伸ばしてグリップに添える人など、実に様々です。

パターの名手たちに割合多く見られるクロスハンドグリップも試してみる価値アリです。

両手を反対にしてパターを持つグリップですが、アドレスで両肩の高さがそろいやすいうえに、手首を完全ロックできるのでストロークの軌道が安定しやすいというメリットがあります。インパクトで顔が上がりにくいため、フェースの芯でヒットしやすく、フォロースルーを真っすぐ出しやすいのも魅力です。

右肩下がりのアドレスになりやすい人や、インパクトで顔が早く上がる癖のある人、手首をこねやすい人にオススメしたいグリップです。普段は逆オーバーラッピングに握っているプロも、調子が悪くなるとクロスハンドグリップで練習するという話もよく耳にします。

ショットと同じようにオーバーラッピンググリップに握るのもいい。
左手の人差し指を右手に重ねる逆オーバーラッピンググリップに持つ人が多い。
左手の人差し指を伸ばして持つバージョンもある。
右肩下がりのアドレスはNG。こうなりやすい人にクロスハンドグリップがピッタリだ。
右手を先に握り、左手を右手の下で握るクロスハンドグリップを採用しているプロも多い。
クロスハンドグリップのメリットは両肩の高さがそろいやすいこと。
手首を固定しやすく、フェースを真っすぐ出せるという利点もある。
右手の人差し指を伸ばして持つクロスハンドグリップもある。

手の感覚を封じ込めたい人ならクロウグリップ

トーナメントのテレビ中継で「え、何このグリップ?」と視聴者を驚かす変な握り方をしているプロもいる。この変則グリップの代表格がクロウグリップだ。

古くはメジャー5勝を誇るフィル・ミケルソンが採用。2013年のPGAツアー「ウェイストマネージメントフェニックスオープン」では、この変則グリップでナイスパットを連発。28アンダーで圧勝し話題になった。

日本でも片山晋呉や宮里優作が採用することがある変則ながらメジャーな握り方だ。

ポイント

  • 手の感覚を生かすのではなく、できるだけ抑えたい人が採用しているグリップ
  • 右手のヒラを広げた状態でグリップの真上に添える持ち方と、右手の人差し指を伸ばしてグリップの真横に添える持ち方の2つあり
  • インパクトで手首をこねたり、パンチが入ってしますミスを抑制
  • 方向性に優れていてショートパットには適するが、距離感が重要なロングパットにはあまり適さない

ちょっと変則的なクロウグリップに握るプレーヤーもいます。これは手の感覚を生かすというよりは、感覚をできるだけ抑えたい人や、手に何もさせたくないと考える人たちが採用しているグリップといえます。

クロウグリップにもいくつかのパターンがあり、左手でグリップを握るのは共通として右手のヒラを広げた状態でグリップの真上に添える持ち方と、右手の人差し指を伸ばしてグリップの真横に添える持ち方の2つが代表的なスタイルです。

前者のスタイルの利点は右手のヒラをラインと平行となるように持つことで、方向性が安定しやすいことにあります。後者のスタイルは右手でボールを真っすぐ押すイメージを出しやすく、やはり方向安定の効果が高いといえます。

どちらもインパクトで手首をこねたり、パンチが入ってタッチが合わなくなったりするのを嫌うタイプにマッチしているグリップです。方向性に優れているという面ではショートパットには適していますが、ロングパットにはあまり適さないでしょう。

逆にいえばロングパットを打つときは逆オーバーラッピングに握り、確実にカップインさせたいショートパットの場合はクロスハンドグリップやクロウグリップに握るという手もあります。

それぞれのグリップの長所や用途を理解したうえで、自分にとって確率の高いグリップの握り方を作り上げましょう。

右手のヒラを広げてグリップの真上に添えて持つクロウグリップ。ラインをイメージしやすく、方向が安定しやすい。
右手の人差し指を伸ばしてグリップの横に添えるタイプのクロウグリップ。真っすぐ押せるイメージが出やすい。


教える人・小川泰弘プロ

おがわ・やすひろ。
1972年9月5日生まれ、東京都出身。1999年プロ入り。
昭和の森ゴルフアカデミーで幅広い年代層をレッスン。実戦的でわかりやすい指導法に定評があり、これまでにレッスンしたゴルファーは2500人を超える。

取材・写真/三代 崇 協力/昭和の森ゴルフコース

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