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帰って来た大慣性モーメントドライバー【MOI 5000g.cm2 OVER】

気になるギア| あれから10年飛んで曲がらないクラブが実現!?

2020/01/24 ゴルフトゥデイ 編集部

2019〜2020年モデルドライバーで、慣性モーメント5000g・㎠以上のモデルが増えている。ベテランゴルファーは覚えているはずだが、10年前にも各社から大慣性モーメントドライバーが数多く発売されていた。しかし徐々に姿を消してしまった大慣性モーメントドライバー。その復活には意外な理由があった。

10年を経て、アマチュアゴルファーが曲げずに飛ばせるクラブに変身!

復活した大慣性モーメントドライバーは10年前と比べて何が違うのか?どう進化したのか?
復活の背景にはゴルファー自身の進化があった!

10年前はこんな時代だった

2008年1月1日に、ゴルフ規則でスプリング効果を数値で規定する、いわゆる「高反発規制」が施行された。これに伴いドライバーの設計が反発性能の向上から、方向安定性やミスヒットに対する寛容性の向上に方向転換した。そこで登場したのが大慣性モーメントドライバーだった。

10年前は、慣性モーメント5000オーバーでも3つの問題があった

問題❶ネック軸周り慣性モーメントが増大
ヘッドの慣性モーメントの拡大と同時に、ネック軸周り慣性モーメントも高まってしまいその結果、フェースローテーションの動きが緩慢になり、フェースを返しづらくなった。

問題❷重心角とスイートスポット高さの二律背反
現在よりヘッドの肉薄化技術が低かったため、重心角を大きくすると重心高さが高く、重心を低くすると重心角が小さくなり、球のつかまりか飛距離の二者択一となった。

問題❸形状
慣性モーメントを高めるために、四角形や五角形といった異形ヘッドや、シャローデザイン、重心角を補うためのフックフェースなど、形状が犠牲となっていた。

最新モデルは重心角の増加と低重心化で弱点を解消

10年前は現在と比較して、ヘッドの製造技術が低かったために、低重心、大慣性モーメント、大きな重心角の3つを同時に達成することができなかった。このために、「曲がらないけれどあまり飛距離が出ない」あるいは「曲がらないはずなのにスライスする」といった現象が起こり、一過性の設計となってしまった。その後、「高打ち出し・低スピン」を求めた結果ヘッドの製造技術が進化し、大慣性モーメントでも、低重心、大きな重心角を持つヘッドを製造することが可能となり、慣性モーメント5000超の大慣性モーメントドライバーが復活している。

最新モデルは重心角の増加と低重心化で弱点を解消

慣性モーメントが大きいと何がいい?

オフセンターヒットに強くなる

ヘッドの慣性モーメントが大きくなると、オフセンターヒットした時のヘッドの回転が抑えられるので、打ち出し方向の変化が少なく、また、エネルギーロスも軽減される。

重心の高さとスピンの関係

重心が高いほどスピンが増える

重心が高いと、打点がスイートスポットより下になるために、インパクトでヘッドはロフトが立つ方向に回転し、バックスピンが増える。低重心だとこの動きが小さいためバックスピンは増えにくい。

重心角とネック軸周り慣性モーメントって?

重心角が大きいほど球がつかまりやすい

スイング中、ヘッドは遠心力で外側に引っ張られ、ヘッドの重心はシャフト軸線上に動こうとする。この動きは、重心角が大きいほどフェースが閉じる方向に向くので球のつかまりがよくなる。

ネック軸周り慣性モーメントはヘッドの直進性を示す

ネック軸周り慣性モーメントが大きいと、フェースが開閉する動きがゆっくりになる。つまり、スイング中のフェースの向きが変わりにくくなる。

《ネック軸周り慣性モーメント》

ネック(シャフト)軸を中心に、ヘッドが回転しやすいかどうかが、ネック軸周り慣性モーメント。

解説
宮川まもる
プロギア サイエンス・フィット・インストラクター。日本プロゴルフ協会会員ティーチィングプロ。過去3000人のアマチュアデータをもとに、悩めるゴルファーへの的確な診断とレッスンを行っている。

大慣性モーメントドライバーが復活した、もうひとつの理由

今なら誰でも大慣性モーメントの恩恵を受けられる!

❶ 2010年はこの段階でフェースが開き正面を向いていたものが、2019年にはフェースがボールを向いている。
❷ 2010年にはトップでフェースが斜め前を向いていたのに対して、2019年には上を向いている。

クラブの変化に合わせて、スイングを変化させているから飛んで曲がらない

2010年と2019年のタイガーウッズのスイングを比較すると、スイング中のフェース開閉の度合いが少なくなっています。ドライバーの慣性モーメントと重心角の推移を見るとわかりますが、2004年から2009年の間はヘッドの慣性モーメントが急激に大きくなった時期です。2010年の段階ではタイガーもまだ慣性モーメントが小さいヘッドの打ち方をしていましたが、2019年には大慣性モーメントに合ったスイングに変わっています。

フェースの開閉を抑えたスイングに変わり、“飛んで”“曲がらない”大慣性モーメントドライバーの特性を生かしたこともタイガー復活を支えた要因のひとつです。

あなたのスイングが大慣性モーメントドライバーに向いているかどうかはこれで分かる!

テークバックの途中でフェースが下を向いている

遠心力がかかるとヘッドの重心がシャフトのいる。延長線上に動こうとするのでボールをつかまえながら押し出すようにヘッドが振り抜ける。

テークバックの途中でフェースが前を向く

フェースが開いていると遠心力がかかってもトゥダウン方向の動きが大きくなり、ヘッドがターンする動きが出にくい。

▼テークバックでフェースが開いてしまう人はこうすればOK

右手首のヒンジをキープしたまま振るだけ
フェースを開かずにスイングするコツは、右手首の角度。右手首を甲側に折った“ヒンジ”をキープしたままスイングすれば、フェースの開きは自然と抑えられます。

最新大慣性モーメントドライバーカタログ

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GOLF TODAY本誌 No.571 149〜153ページより

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