ドライバースライスの原因と直し方・対策方法|ゴルフスイング上達
この記事ではアベレージゴルファー最大の悩みといえる、ドライバーにおけるスライスについてお話しします。初心者や初級者はもちろんのこと、ハイハンデのアベレージゴルファーの多くはスライスを直したいと考えています。
直す方法はインターネットなどにたくさんの情報が載っているため、収集することは簡単です。にもかかわらず、なかなか直らない人に向けて対策などを紹介します。
ドライバーのスライスとは?
ドライバーのスライスとは、打ち出されたボールが比較的大きく右へ曲がる弾道のことを指します。
ドライバー以外のクラブでも、同じように右へ曲がる弾道をスライスと呼ぶため、スライスはドライバーショットに限ったものではありません。
ちなみに、右へ曲がる弾道には「フェード」と呼ばれるものもあります。これは一般的にスライスより曲がり幅が小さく、プレーヤーによって任意にコントロールされている弾道を指すことが多いようです。
ドライバーのスライスの主な種類と原因【図解】
この項ではドライバーでスライスになる主な原因・要因やスライス弾道の種類についてお話しします。あなたがもし、どうしてスライスするんだろう…? と悩んでいるなら、ぜひ参考にしてください。
ポイント
- ヒッカケ系スライスの特徴と原因
- プッシュ系スライスの特徴と原因
ヒッカケ系スライスの特徴と原因
一般的にターゲットライン(飛球線・目標線)より左へ打ち出されて、その後、右へと曲がる弾道を「ヒッカケスライス」と呼んだりします。
この弾道になる原因・要因は、
- インパクト時のフェース向きがターゲットラインよりも左向き
- インパクト前後のクラブ軌道がフェースの向きに対してアウトサイド・イン
この状態のときに起こります(基本的にスイートスポットでインパクトした場合。ギア効果など詳細は省略します)。
インパクト時のフェース向きに対して、アウトサイド・インのクラブ軌道が大きくなればなるほど、ボールは大きく右へ曲がります。
以前は「アウトサイド・インにスイングするとスライスする」と言われていましたが、スライスはインパクト時のフェース向きに対して、クラブ軌道がアウトサイド・インの場合に起こります。したがって、アウトサイド・インにスイングしても、スライスしないこともあります。
プッシュ系スライスの特徴と原因
一般的にターゲットライン(飛球線・目標線)より右へ打ち出されて、その後、右へと曲がる弾道を「プッシュスライス」と呼んだりします。
この弾道になる原因・要因は、
- インパクト時のフェース向きがターゲットラインよりも右向き
- インパクト前後のクラブ軌道がフェースの向きに対してアウトサイド・イン
この状態のときに起こります(基本的にスイートスポットでインパクトした場合。ギア効果など詳細は省略します)。
インパクト時のフェース向きに対して、アウトサイド・インのクラブ軌道が大きくなればなるほど、ボールは大きく右へ曲がります。
以前は「スライスするなら、インサイド・アウトにスイングすると良い」と言われていましたが、スライスはインパクト時のフェース向きに対して、クラブ軌道がアウトサイド・インの場合に起こりるため、インサイド・アウトにスイングしてもスライスが直らないこともあります。
ドライバーのスライスの直し方・見直しポイント
この項では一般的によく言われているドライバーショットにおけるスライスの直し方についてお話しします。いろいろ試したけれど直らない、という人は、以下の方法を試してみては…と思います。
ポイント
- グリップの握り方をストロンググリップにする
- スクエアにアドレスするように心がける
- 小さな振り幅でスイングするように気をつける
- 右足を引いてクローズスタンスで打つようにする
グリップの握り方をストロンググリップにする
左手の甲が上を向くストロンググリップを試してみましょう
スライスが直らないと悩んでいるなら、まずはグリップを見直してみましょう。
左手の甲が目標方向を向くウィークグリップや、左手の甲が斜め上を向くスクエアグリップで握っている人は、左手の甲が上を向くストロンググリップを試してみてください。
ストロンググリップは左腕が親指の方向に少し回内した状態で握るため、インパクトに合わせてアームローテーションを行うとフェースがしっかりターンしてボールが左へ飛びやすくなります。
前記したウィークグリップやスクエアグリップで握っていて、フェースが閉じない人はこの握り方を試してみるといいのでは…と思います。
スクエアにアドレスするように心がける
ターゲットラインに対してスクエアにアドレスしましょう
スライスが直らないと悩んでいるなら、アドレスをチェックしてみましょう。
基本的にアドレスはターゲットライン(飛球線・目標線)に対してスクエアにします。スクエアにする際は足、ヒザ、腰、肩、目がターゲットラインに対してスクエアになるようにきちんと合わせます。
スライスするアベレージゴルファーの多くはスクエアにアドレスすることができていなかったり、アドレス自体を軽視している傾向があります。ここがきちんとできていないと、スライスを減らすことはなかなか難しいもの。そのため今一度、アドレスを見直しましょう。
見直すときはクラブのシャフトなどを体に当てると、スクエアになっているか否かがすぐにわかるのでおすすめです。
小さな振り幅でスイングするように気をつける
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ハーフスイングのイメージで振りましょう
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スライスが直らないと悩んでいるなら、いつもより小さな振り幅でスイングしてみましょう。
振り幅の目安は9~3時の幅。いわゆるハーフスイングのイメージでOKです。このとき、体の回転と腕の振りを連動・同調させるように気をつけます。
基本的に大振りやマン振りをしなければ、大きくスライスする心配はありません。曲がってもたかが知れています。また振り幅が小さければ、インパクトでフェースが戻りきらない…といったこともかなり防げるはず。
フルスイングしても大きくスライスして右の林の中に入ってしまったり、崖下にボールが落ちてしまうと、スコアをまとめられません。
右足を引いてクローズスタンスで打つようにする
右足を引いてクローズスタンスで打ってみましょう
スライスが直らないと悩んでいるなら、右足を少し後ろへ引いてクローズスタンスで打ってみましょう。
多くのアベレージゴルファーはスイング軌道がアウトサイド・イン。スライスの原因・要因はこれだけではないとは言え、やはりアウトサイド・イン軌道はスライスを誘発しやすいものです。
この軌道をできるだけインサイド・アウトに変えるには、クローズスタンスが効果的でしょう。
クローズスタンスにすると体の右半身が突っ込みにくくなるため極端なアウトサイド・インにはなりにくくなるはず。また、なったとしてもスクエアスタンスのときよりはアウトサイド・インの度合いが少なくなるので、その分、曲がり幅も少なくなることが期待できます。
ドライバーでスライスしない打ち方の練習方法
スライスをできるだけ防ぐ練習方法は、前項でお話しした「ストロンググリップで握る」「ターゲットラインに対してスクエアにアドレスする」「振り幅を小さくする」「クローズスタンスで打つ」を試してみましょう。
またスイングの大前提と言える「スイング軸をブラさない」ことも必ず注意しましょう。これができていないと、その他のことをいくら注意したり意識しても、ボールとフェースがうまく当たりません。つまり、スライス以前の問題…ということです。
ボールが右へ飛び出すプッシュアウトスライスに悩んでいるなら、インパクトでフェースが閉じるように、フェースターンを意識して練習すると良いと感じます。フェースターンの考え方は人それぞれですが、左腕を小指方向へ回外させるのが簡単だと思います。
ボールが左へ飛び出すヒッカケスライスに悩んでいるなら、手首や腕の振りを少し抑え気味にして、体の回転と連動・同調させる意識で打つ練習が良いと感じます。両わきにタオルを挟んで、それが落ちないようにスイングすると連動・同調の感覚が身につくはずです。
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左腕を小指方向へ回すのが回外
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タオルを挟んで打つと連動・同調の感覚を養えます
スライスしないドライバーの特徴と選び方
この項ではスライスしにくいドライバーについてお話しします。
アベレージゴルファーの中には「スライスしないドライバーがあればいいのに」と思っている人もいるかと思いますが、それはありません。
そのため、あくまでも「スライスしにくい特性のあるドライバー」とお考えください。
ポイント
- 重心角度が大きいつかまりやすいドライバーを選ぶ
- 重心距離が短いヘッドの返りやすいドライバーを選ぶ
- ロフト角が大きいバックスピンのよく効くドライバーを選ぶ
- フェースターンしやすいヘッド形状のドライバーを選ぶ
重心角度が大きいつかまりやすいドライバーを選ぶ
一般的に重心角度の大きいドライバーはボールのつかまりが良いと認識されています。つかまりが良いというのは、ごく簡単に言うとボールの打ち出される方向が左方向になりやすいということ。ボールが右方向へ曲がりにくい訳ではありません。
前記したようにインパクト時のフェース向きに対して、クラブ軌道がアウトサイド・インだとボールは右へ曲がるため、重心角度が大きくても、これに当てはまるとボールはスライスします。
ボールが右へ飛んでばかり…という人には、重心角度が大きいものが安心かもしれません。
重心距離が短いヘッドの返りやすいドライバーを選ぶ
一般的に重心距離の短いドライバーはヘッドがターンしやすく、ボールのつかまりが良いと認識されています。
つかまりが良いというのは、ごく簡単に言うとボールの打ち出される方向が左方向になりやすいということで、ボールが右方向へ曲がりにくい訳ではありません。これは重心角度と同じです。
前記したようにインパクト時のフェース向きに対して、クラブ軌道がアウトサイド・インだとボールは右へ曲がるため、重心距離が短くても、これに当てはまるとボールはスライスします。
インパクトでフェースが戻り切らず、ボールが右へ飛んでばかり…という人には、重心距離の短いものがマッチするかもしれません。
ロフト角が大きいバックスピンのよく効くドライバーを選ぶ
一般的にロフト角が大きいドライバーは、ボールが上がりやすいと同時にボールのつかまりが良いと認識されています。
上がりやすいというのは、ボールが高く上がりやすいということ。つかまりが良いというのは、ごく簡単に言うとボールの打ち出される方向が左方向になりやすいということ。ボールが右方向へ曲がりにくい訳ではありません。
前記したようにインパクト時のフェース向きに対して、クラブ軌道がアウトサイド・インだとボールは右へ曲がるため、ロフト角が大きくても、これに当てはまるとボールはスライスします。
スライスもするけど、ボールが上がりにくくて…という人は、ロフト角度が大きいものを使ってみてもいいでしょう。
フェースターンしやすいヘッド形状のドライバーを選ぶ
一般的にヘッドの大きさが小さい物や奥行きが短い物ほど、フェースターンしやすい形状と認識されています(実際には重心の位置や深さなど、その他の事柄も関わってくるため、そうとは言い切れません)。
フェースターンしやすいとは、簡単に言うとボールのつかまりが良いということで、ボールのつかまりが良いというのは、ボールが左方向へ飛びやすいということ。ボールが右方向へ曲がりにくい訳ではありません。
前記したようにインパクト時のフェース向きに対して、クラブ軌道がアウトサイド・インだとボールは右へ曲がるため、ヘッド形状だけでは、スライスしやすいか、しにくいかは判断できません。
コンパクトなヘッドはボールが右へ飛ぶイメージがわきにくいと感じる人は、使ってみてもいいでしょう。
【Q&A】ドライバーのスライスについて多い質問
以下では、アマチュアゴルファーから多いドライバーのスライスに関する質問・疑問を【ゴルフサプリ 編集部スタッフ】がお答えします。
ポイント
- クラブのウェイト調整でスライスは直せる?
- スライスしにくいグリップの握り方って?
- シャローイングはスライス矯正にも有効?
Q. クラブのウェイト調整でスライスは直せる?
最近は、ウェイト調整機能のついたドライバーが数多く発売されています。
ヘッドに装着されたウェイトをヒール寄りに配置するとヘッドターンがしやすくなり、トゥ側に配置するとヘッドターンが抑えられます。
つまり、スライス傾向のある人はウェイトをヒール寄りにするのがおすすめです。球のつかまりがよくなり、スライスが軽減されます。
逆に球をつかまえすぎてしまっているという人は、ウェイトをトゥ側に配置するとつかまりを抑えることができます。
Q. スライスしにくいグリップの握り方って?
ゴルフクラブのヘッドはターゲットに対してスクエアな状態で、左手をグリップの上から被せるように握り、左手の甲が打球方向ではなく上を向いた状態にする握り方を「フックグリップ」(またはストロンググリップ)といいます。
この握り方をすることで、インパクトで手首が返りやすくなり、インパクトでフェースがスクエアに返ってきやすくなり、スライスを抑えることができます。
Q. シャローイングはスライス矯正にも有効?
「シャローイング」という言葉を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
トップからの切り返しでシャフトを寝かせる(背面に倒す)ことをシャローイングと呼びます。ダウンスイングでヘッドを寝かせるとゴルフクラブのフェースは開いた状態になります。そして、体の回転によって開いたフェースを閉じることによってインパクトをします。
インサイドからアタックしやすくなるので、スライスしにくくなるとは言えますが、矯正できるとは言えません。また、身に付けるのが難しい動きでもあるため、スライスで悩むゴルファーにおすすめできるものでもありません。また、シャローイングという言葉は、ボールに対してヘッドをシャロー(またはスティープ)に、鈍角に入れることをシャローイングと呼ぶ場合もあります。
ドライバーでスライスする原因と直し方をおさらい
ドライバーに限らず、スライスする原因・要因はインパクト時のフェース向きとクラブ軌道です。これがスライスのパターンに該当すると、軌道がインサイド・アウトでもボールは右へ曲がります。
とはいえ、多くのアベレージゴルファーに当てはまるアウトサイド・イン軌道はスライスを誘発しやすくなるため、まずはここを修正することを意識してみましょう。修正が良い方向へ向かうと、スライスの度合いも小さくなると考えられます。
■解説者プロフィール
宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経て、フリーランスのゴルフライターへ。USGTFティーチングプロ資格を有し、現在は埼玉県の練習場でレッスン活動も行っている。
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