上げるアプローチの打ち方|クラブのロフトを信じて打つのがポイント
上げるアプローチ|9ドリル【前編】
ボールを転がせない場面では上げるしかない。向江寛尚が言うには「高さを出すのですが、自分で上げようとするとミスになります」。どんな練習をすればロフト角どおりにボールが上がるアプローチが打てるようになるのかをレクチャーする。
レッスン
向江寛尚
むかえ・ひろたか/1972年生まれ、
東京都出身。法政大卒業後99年プロ転向。多くのトーナメント出場の経験を積み、2005年からレッスン活動を開始。現在はオンワードゴルフアカデミーを拠点にレッスンを行う。
ドリル1|上げるアプローチの基本チェック
ロフトにまかせて打てる構えのポイント
低く転がしたければスタンスを狭くし、ボールを右足の前に置いてハンドファーストに構えますが、上げたいときはボールを左足寄りに置き、両手を体の中心線上にセットします。上げたいのにハンドファーストに構え、打つときにしゃくり上げてしまう人がとても多く、それがダフリなどのミスを招く要因になります。
両足を揃えた姿勢からスイングの大きさに合わせて右足を広げ、スタンス幅を調整して構えたらあとは手首を使わずにスイングしましょう。
アドレスをつくる手順
手首を使わず胸の回転でスイング
ドリル2|ボールリフティングドリル
ソールを使うイメージを把握する
上げるアプローチの場合、クラブのロフト角どおりに打つと同時にソールを滑らせて打つイメージが要求されます。この感覚をボールリフティングドリルでつかんでください。ヒール側からクラブヘッドを回転させてソールを滑らせるようにしないと、フェース面でボールを拾い上げることができないことがわかります。
ソールを滑らせる感覚をつかむ
リフティングの練習が効果的
ドリル3|ボール2個打ちドリル
フェース面にボールを乗せる感覚を知る
2個のボールを横に並べて一緒に打つ練習です。フェース面とコンタクトするボールの下にクラブヘッドを通し、ソールを滑らせるイメージで打つのがコツ。実際に打つボールはフェース面に乗る感覚によって高い角度で上がりますが、もう1個のボールはインパクトの衝撃だけで低く飛んでいきます
2個のボールは違う角度で飛ぶ
ボールを2個並べて打つ
ドリル4|右足ツマ先開きドリル
下半身の無駄な動きを抑える
ダウンスイングでヒザが流れやすい人にオススメのドリルです。とくにインパクトで右ヒザが前に出るとフェースが大きく開き、ボールがネックに当たればシャンクが生じます。これが癖になると厄介ですから右足のツマ先を開いて構え、右足を動かさないでボールを打つ練習で早めに修正しておきましょう。
右ツマ先を45度くらい開く
右ヒザが流れずインパクトが正確
ドリル5|ハンドダウンドリル
ボールの下にクラブを通して打つ
クラブヘッドをボールの下に通してソールを滑らせる感覚を養う練習です。まずSWのフェースを開いてソールの面を広く使えるようにしますが、そのままではフェースがやや右を向くのでボールが右に飛んでしまいます。そこでフェースが目標を向くまで手元を下げてハンドダウンに構えるのがコツです。
ハンドダウンに構えて打つ
ボールの下にクラブヘッドを通すつもりで思い切りよくスイングしよう。
GOLF TODAY本誌 No.578 64〜67ページより
●上げるアプローチ|9ドリル
前編:高く上げるアプローチはクラブのロフトを信じて打つのがポイント
後編:松山英樹の高く上げるアプローチ。弾道のイメージも大事だが、ロフトにまかせて打つことがより重要だ