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“ながら”でも効果絶大! スムーズなスイングをマスターするための股関節のエクササイズ

ゴルフで美BODY|ゴルフピラティス/第13回 回旋の動き 股関節編

2020/11/20 ゴルフサプリ編集部

スムーズでバランスいい効率的なスイングを手に入れるには、そのベースとなる身体作りや身体のメンテナンスが重要。そこで、おすすめしたいのが、ゴルフピラティスだ。
ゴルファーのために考案されたゴルフピラティスは、美的スイングの要となる身体作りに効果があることはもちろん、美しい姿勢作りやシェイプアップ効果、ケガの予防にもつながる。

今回は、股関節の内旋・外旋について紹介する。

PROFILE
竹内弓美子(たけうち・ゆみこ)
京都府出身。キャナリープランニング合同会社代表。日本女子プロゴルフ協会会員(ティーチングプロ資格A級)。アメリカLPGA T&CP クラスAメンバー。日本ピラティス指導者協会(JAPICA)ゴルフピラティス専門コース開発者。ネバダ州立大学公認ピラティス指導者。日本予防医学会会員。これまでに、のべ6万人以上のゴルファー指導に携わる。著書に、『もっと飛ばせる!ゴルフの体幹トレーニング~ゴルフピラティスでブレない軸をつくる』(スキージャーナル社)がある。ゴルフピラティスを活用した著書や講習等によってゴルフビジネスの地位を確立させ、2019年LPGAアワード「ゴルフビジネス賞」を受賞。
★現在、WEBレッスンの準備中(現在、スタジオは閉鎖中)。キャナリープランニング(https://www.canaryplan.co.jp/)のホームページでお知らせします。

普段意識して動かすことがない股関節の内旋・外旋こそ、日常的に動かすが吉!

本連載第11回目で、股関節の内転筋・外転筋について解説しましたが、今回注目するのは股関節の内転筋・外旋筋です。

おさらいになりますが、股関節を曲げるための筋肉が「屈筋(くっきん)」、伸ばすための筋肉が「伸筋(しんきん)」、ももの内側を寄せる(脚を閉じる)ための筋肉が「内転筋」、ももを離す(脚を開く)ための筋肉が「外転筋」、外側に回すための筋肉が「外旋筋」、内側に回すための筋肉が「内旋筋」です。

実際のスイングではももを動かして内旋・外旋するのではなく、脚を固定して、その上にある骨盤を回す動きをします。これがミソ。

たとえば、アドレスからトップでは右の股関節が内旋し、ダウンスイングからフィニッシュでは左の股関節が内旋します。スイングする際はぜひ、その動きを意識するようにしてください。
そう考えると、スイングには股関節の動きがいかに重要か、よく分かるでしょう。

股関節まわりの筋肉が硬くなってスムーズに回旋の動きができないと、体重移動はスムーズにいかなくなり腰のキレが悪くなります。上半身と下半身の捻転差が小さくなるため、飛ばしのパワーも出ません。

とはいえ、本連載を読んできた方はもう理解されていると思いますが、股関節は日常生活であまり意識して使うことがないだけに、その機能や動かし方が分からない人はまだたくさんいます。

股関節の動きをよくすることはゴルフだけでなく、日常生活にもいい影響を与えます。人は歳を重ねるごとに足元がおぼつかなくなったり、つまずきやすくなったりするものですが、1日でも長く自分の足で若々しく歩くためにも、ぜひ日頃からエクササイズを行いましょう。

今回は内旋・外旋のエクササイズですが、股関節を鍛えるのに最も簡単な方法は、何よりもまず歩くことです。 カートに乗って楽々プレーも時にはいいと思いますが、ゴルフはそもそも歩くスポーツ。自分の足で歩くことで股関節周りの筋肉が自然と鍛えらますし、スイングリズムもプレーのリズムもよくなります。足裏から地面の起伏や芝の状態などを感じ、刺激が入ることで、ゴルフの上達に欠かせない五感も研ぎ澄まされていくので、まさに一石二鳥どころか一石三鳥なんです。
つまり、歩かないのはもったいない! 1歩1ヤードを目指し、颯爽とフェアウェイを闊歩しましょう。

歯ブラシしながらできる、股関節の内旋・外旋のエクササイズ

■【スタンディング・レッグ・ツイスト】
1.脚を肩幅程度に開き、つま先を真っすぐ前に向けて立つ。両手は腰にそえる。
2.つむじを上、尾骨を下にして、背骨をスッと伸ばす。へそは背骨に引き込み、お腹を凹ませる。骨盤底筋も締めて引き上げ、お腹とお尻の筋肉で骨盤を立てる。
3.鼻から息を吸いながら、片方の足を外側に開く。
4.口から息を吐きながら、足を内側にひねる。これを10回繰り返す
5.反対の足でも同様に10回行う。

★POINT
・脚は、股関節から動かすこと

足首だけを動かすのではなく、脚のつけ根(股関節)から動かすこと。つま先とヒザは常に同じ方向を向くように。
脚と腰が一緒にまわらないように注意。おヘソは常に正面を向くのが正解。

布団に入ったままできる、股関節の内旋・外旋のエクササイズ

■【ワイパー】
1.脚を肩幅より広めに開き、仰向けになる。
2.腰の後ろの隙間をなくす「Cカーブ」をつくる(連載第4回参照)。ピラティスの呼吸法で、4秒間かけて鼻から息を吸う。
3.8秒間かけて口から息を吐きながらおへそを背骨のほうに押し込み、腰の後ろをピタッと床につける。尾てい骨が床から少し上がり、腰と床の間のすき間がなくなったら、「Cカーブ」の完成。
4.鼻から息を吸ってスタンバイ。
5.口から息を吐きながら、両ヒザを向き合わせるようにももの付け根から内側に回し、「1・2・3」とカウント。この時、腰が反りすぎないよう注意。
6.一気に足を解放する(自然とつま先が外を向く)。これを10回繰り返す

★POINT
・脚は、股関節から動かすこと
・足首は90度に曲げたままキープ
・左右差も意識すること

このエクササイズも、脚のつけ根(股関節)から動かすことが一番のポイント。両脚を内側にひねる際は、ヒザを向かい合わせるように。

せめて内旋の動きだけでも習慣に!
今回紹介するエクササイズはいずれも簡単なものですが、もっとシンプルにしたいなら、今回テーマである内旋の動きだけでも効果的です。

何気なく立っている時、布団に入った時、「あ、ちょっと動かそう」と思い出せるようになったらしめたものです。ちょっとした時間も逃さず、有効活用しましょう。

腰痛予防にもなりますし、何よりもスイングで腰がキレキレに! 安定性と飛距離アップにつながりますよ。

【おさらい】ゴルフピラティスって何?

健康的にゴルフを楽しむための体幹トレーニングで、効率的なスイングをマスター!

ゴルフピラティスとは、ネバダ州立大学のドリー・ケラベス教授と、私(竹内)が共同で開発したプログラムです。ゴルフピラティスのすべてのエクササイズはゴルフにつながっており、スイングを効率的に行うための身体作りを目的としています。

ゴルフピラティスの主な効果

体幹が鍛えられる

ゴルフピラティスは正しい姿勢や呼吸法をキープすることで身体のコアの筋肉に働きかけ、柔軟性が高く、ケガのリスクの少ない身体を作ります。

スイングを再現性の高い、シンプルなものに変える=安定感が増す

ゴルフピラティスを行うことで身体が正しく使えるようになると、余計に複雑になっていたスイングがシンプルで効率のいい動きになります。動きがシンプルであれば再現性が高くなり、スイングは安定します。これが、“効率のよい美しいスイング”です。

ケガを予防する=長くゴルフを楽しむことができる

ゴルフピラティスで骨格を本来あるべきポジションに戻し、正しい身体の使い方を習得しましょう。ケガのリスクが減り、長くゴルフが楽しめる身体になります。

MODEL PROFILE
宮谷優理(みやたに・ゆり)
京都府出身。職業は歯科医師。速水歯科医院(滋賀県)副院長。「竹内先生にご指導いただき、ゴルフ歴は半年ほど。まさに面白くなってきたところです」

写真/作田祥一
撮影協力/ロイ・マーケティングデザイン