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下り傾斜〜カップを『50センチオーバーするタッチ』で狙う!?

日下部光隆の傾斜対応パットテク|第2回 下り傾斜

2020/12/15 ゴルフトゥデイ 編集部

アマチュアが苦手とする傾斜にかかるパットの攻略の秘訣を、パット名人の日下部光隆が教える新連載。連載2回目の「下り傾斜」では、カップを50センチオーバーさせる絶妙なタッチの出し方をレクチャーする。

GOLF TODAY本誌 No.581/134〜137ページより

下り傾斜はカップを50センチオーバーするタッチを目指す

傾斜でもアドレスや打ち方は平坦地の時とほとんど変えない。下り傾斜なのでボールはやや左足寄りにセットされる。ボールの赤道をきちんとヒットすると、ボールはバックスピンがかかり、だいたい20センチほど浮いてから、キャリーして地面との抵抗を受けて、バックスピンが順回転に転じる。

下り傾斜のパッティングでは、ジャストで入れるタッチでいくのか、強めのタッチを出しにいくのかを打つ前に考えますが、下りは入らなくてもカップの下に付けたいので、やはりオーバー目に打つ方がいいでしょう。といっても、あまり強く打ってしまうと何処までも行ってしまうのが下り傾斜の厄介なところです。

そこで、私がよく言うのは、下りの傾斜はカップを『50センチオーバーするタッチ』で狙いましょう、ということです。これなら入る確率も高くなるし、もし外れても返しが上りの50センチなら楽に入れることが出来ます。

下り傾斜のパッティングの打ち方ですが、よくパターの芯を外して打つとか、傾斜に沿ってハンドファーストに当てるとか言いますが、私はこれはやめた方がいいと思います。

パッティングは打ち出しの瞬間にバックスピンがかかりキャリーして地面に落ちてから順回転がかかり転がり始めます。このキャリーが無いと距離感の合うタッチが出せないので、私は下りのパットでもいつもと同じ打ち方をするのです。ボールは真ん中から少し左足寄りで、ゆっくり目のストロークでフォローを低く出していきます。

下り傾斜のポイント1|構えはややハンド レート

普段通りのストロークでないとタッチを出すのが難しいので、セットアップの重心位置は変えず、普段通りのルーティン、普段通りの打点で打つ。ボールは左足寄りの方が転がり方は良くなる。

下り傾斜のポイント2|パチッとしっかり 打つ

日下部は「パットの達人はパチッと打つ人が多い。(片山)晋呉は下りの速いラインでも、ある程度締めてパチッと打っていると言っていました」と言う。

【要注意】下りでハンドファーストはNG

下り傾斜のセットアップで、ボールを中に入れるのはダメ。ハンドファーストのインパクトはロフトを殺して上からボールを打つことになり、(ヘッドスピードが低い)パッティングの場合は飛び出しで球が浮かず地面を転がりながら順回転に転じるので、普段通りのタッチが出しづらくなる。

「上り傾斜」よりもタッチの重要性が増す「下り傾斜」には、感性を磨く練習が必要だ!

【感性を磨く練習その1】カップを見ずに打つことで感性を磨こう

カップが見えないように打つことで、視覚以外の感性を駆使して超微妙タッチを身に付けることができる。

【感性を磨く練習その2】打った直後に 『結果』を声に出して 言い当てる

打った直後に、『右』『左』『ショート』『オーバー』といった結果を予測して声に出して言う。打った感触を即座にキャッチして声に出すことで、脳の働きや感性が鋭敏に働き、『50センチオーバー』のタッチに近づける。

「50㎝のタッチ」を身に付ける 練習法はコレ!

『タッチ(距離感)』というものは、一回身に付けば自転車と同じようにずっと身に付くものです。だから、身に付くまでは自転車のように繰り返しの練習が必要です。

我が家にはリビングからトイレに行く途中の廊下にパターマットを置いてあって、そこでパットをしてカップインしなければトイレに入れないというルールがあります。5歳と8歳の息子はもちろん、私も必死でこのルーティンに日夜、勤しんでいます。そういう生活の中にパターを取り入れることで、本当のタッチ、距離感は身に付くのです。

日下部光隆
くさかべ·みつたか。1968年生まれ。神奈川県出身。青山学院大学出身。173㎝、75㎏。91年プロテスト合格。ツアー3勝。現在は都内世田谷区で「WASSゴルフスタジオ」を主宰しながらシニアツアーにも参戦中。

協力/富士カントリークラブ


日下部光隆の傾斜対応パットテク

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【シリーズ一覧】
●第1回:上り傾斜〜入るパットは「構え方」から違う!プロはラインに構える。アマはボールに構える?〜
●第2回:下り傾斜〜カップを『50センチオーバーするタッチ』で狙う!?〜
●第3回:【引っかけやすいフックライン】はヒールを浮かせて、フェースのトゥ寄りでインパクト!〜
●第4回:【パター傾斜対応】スライスラインで緩まない打ち方を日下部光隆が解説
●第5回:【スネークライン】ラインを読みづらいスネークラインの読み方の手順を解説!