【引っかけやすいフックライン】はヒールを浮かせて、フェースのトゥ寄りでインパクト!
日下部光隆の傾斜対応パットテク|第3回 フック傾斜
アマチュアが苦手とする傾斜にかかるパットの攻略の秘訣を、パット名人の日下部光隆が教える連載。第3回目の「フック傾斜」では、絶対に引っかけないフックラインの打ち方をレクチャーする。
GOLF TODAY本誌 No.583/128〜131ページより
フックラインはトゥ寄りで打つとラインに乗る!
トゥ寄りで打つと 軽いギア効果で フックラインに乗る
私が教えている多くのアマチュアゴルファーは、パッティングの時にフェース面のヒール寄りで打っています。自分は芯で打っていると思っても、少しヒール寄りにズレてヒットしているケースが実に多いのです。ヒール寄りで打った球は、くっついたヒッカケのミスになります。これがフックラインの時に出ると、カップから逸れてどんどんコロがっていくので大変です。
逆に、トゥ寄りで打つとフックラインに乗るパッティングが出来ます。これは、アイアンのトゥでボールをヒットした時に起こる『ギア効果』によって、フックボールが出ることを考えると分かりやすいと思います。但し、アイアンと同じ形状のL字型のパターでトゥ寄りで打つと、右方向への飛び出しが大きくなるので、これはやらない方がいいでしょう。でも、今、多くの人が使うフェースバランスのパターの場合はインパクトでのフェースのブレもギア効果も抑えられるので、良い感じでフックライン上に乗る球が打てるのです。
ヒール寄りで打つと左に引っかかる
フェースのヒール寄りで打つとフェースが閉じる動きをするのでボールは左方向に飛び出す。アイアンほどのギア効果は生じないので、フックラインでは、そのまま左にどんどんコロがっていくことになる。
トゥ寄りで打つと球はやや右に飛び出してラインに乗る
トウ側にボールをヒットすると、その衝撃でフェースが開いて当たるので、ボールはやや右に飛び出す。パッティングの場合、インパクトの衝撃度が弱いのでギア効果の影響が少ないので、ちょうどフックラインに乗るパッティングが打てる。
パターのヘッド形状によってギア効果の影響が変わってくる
アイアンのトゥで打つと、ギア効果によってボールは右に飛び出してフックボールが出る。アイアンと同形状のL字型のパターでトゥ寄りで打つと、やはりインパクトでフェースの開きが大きくなり、右方向への飛び出しが大きくなるのだ。
しかし、フェースバランスのパターの場合はインパクトでのフェースの挙動が抑えられる形状なので、ギア効果の影響が少なくなり、ちょうどフックライン上に乗るコロがりが出てくれる。
フックラインはハンドアップに構えてトゥ寄りで打つ
デシャンボーのようにハンドアップに構えてヒールを浮かせる
フックラインのパッティングの時に、引っかけないための構え方ですが、出来るだけボールの近くに立ち、ハンドアップ気味にして、ヒールを浮かせて構えるようにします。こうすると、フォローでヒールが出る状態が作れるので、決して引っかけが出ないし、トゥ寄りで打ちやすくなるわけです。
ボールの近くに立ち、ハンドアップに構えることのメリットは、ヒジから下の前腕の部分とパターのグリップからシャフトのラインが揃って動きます。ブライソン・デシャンボーもそういう構え方をしていますが、彼を見れば分かりますが、この構え方をするとクラブと左腕が一直線に並び、一体感が出てきます。そうすることでフェースの開閉も抑えられるので、引っかけないパッティングが出来るだけではなく、真っすぐなラインのパッティングでも、ストロークが安定するのでカップインの確率も上がるわけです。
ボールから離れてハンドダウンに構えるとヒールに当たるリスクが高くなる
写真左)ボールから離れて構えるとハンドダウンの構えになり、トゥ側が浮く。そうなるとストロークでフェースの開閉が大きくなるし、ダウンブロー気味のインパクトになるので、引っかけるリスクが多くなる。写真右)ハンドダウンに構えると、ダウンブロー気味のインパクトに加えヒール気味にヒットするリスクが加わり、引っかける確率が高くなる。
フック傾斜はボールの近くに立ってハンドアップで構える
写真左)パットの上手い人は、ボールの近くに立ち、ハンドアップ気味に構えることが多い。そうすることでフォローでヒールが出る状態を作っておき、決して引っかけないようにしているのだ。
写真中央)ハンドアップにすると、デシャンボーのようにシャフトと左腕が一直線上に並び、フェースの開閉が抑えられ引っかけないストロークが出来る。
写真右)パット名人はヒールを浮かせて構えている。そうすることで、フォローでヒールが出る状態を作っておき、決して引っかけないようにしている。
日下部光隆
くさかべ·みつたか。1968年生まれ。神奈川県出身。青山学院大学出身。173㎝、75㎏。91年プロテスト合格。ツアー3勝。現在は都内世田谷区で「WASSゴルフスタジオ」を主宰しながらシニアツアーにも参戦中。
協力/富士カントリークラブ
【シリーズ一覧】
●第1回:上り傾斜〜入るパットは「構え方」から違う!プロはラインに構える。アマはボールに構える?〜
●第2回:下り傾斜〜カップを『50センチオーバーするタッチ』で狙う!?〜
●第3回:【引っかけやすいフックライン】はヒールを浮かせて、フェースのトゥ寄りでインパクト!〜
●第4回:【パター傾斜対応】スライスラインで緩まない打ち方を日下部光隆が解説
●第5回:【スネークライン】ラインを読みづらいスネークラインの読み方の手順を解説!