1. TOP メニュー
  2. テクニックに効く
  3. 入るパットは「構え方」から違う!プロはラインに構える。アマはボールに構える?

入るパットは「構え方」から違う!プロはラインに構える。アマはボールに構える?

日下部光隆の傾斜対応パットテク|第1回 上り傾斜

2020/11/12 ゴルフトゥデイ 編集部

アマチュアが最も苦手とする傾斜にかかるパッティングだが、ポイントをしっかり押さえておけば大丈夫とパット名人の日下部光隆は言う。連載一回目の「上り傾斜」では、ラインのヨミ方とタッチの出し方をレクチャーする。

GOLF TODAY本誌 No.581/62〜65ページより

日下部光隆
くさかべ·みつたか。1968年生まれ。神奈川県出身。青山学院大学出身。173㎝、75㎏。91年プロテスト合格。ツアー3勝。現在は都内世田谷区で「WASSゴルフスタジオ」を主宰しながらシニアツアーにも参戦中。

ターゲットに対して「体を正対させる」ことがポイント

プロはラインを見る時間が長いが、アマはボールを見る時間が長い

上り傾斜のパティングでまず大事なのは、ラインの読みとセットアップです。まずボールの後ろからカップまでの全体像を見て、ラインが決まったら距離に合わせた素振りをして、ターゲットを見続けながらボールに近づきます。

セットアップするまでは体を正面にしてターゲットに向け、フェースアングルが合ったなと思ったら初めて下を向きフェースをボールに合わせます。打つ前に再度ラインを見たら、なるべく早くストロークをして打ちます。

このようにラインを見続けることで、傾斜やラインのイメージが消えることなく、また体がオープンになった状態でアドレスに入れるのでフェースもターゲットにきちんとセットをすることができるのです。

多くのアマチュアの人は、後方からラインを確認してから後、ラインではなくボールを見ながらセットアップをしにいきます。それで傾斜やラインの情報は一旦消えてしまいますし、ボールを見ながら構えに入ることで、左肩が被ったりしてスクエアなセットアップが出来ないといったことが起こります。

傾斜の時のセットアップでは、ラインを見る時間を長くするように心がけてみましょう。

プロはラインに対して構える一方、アマは“ボールに構えてしまう”

プロやパッティングの上手い人は、自分が打ち出したい方向を明確にして、その方向やラインを見ながら転がりのイメージを持ってアドレスに入る(右)。パッティングの下手な人はいきなりボールに対して構えるので、傾斜やラインの情報が目から入ってこないままに打つことになる(左)。

『上り』は強く打つのでライン取りは浅めになる

上りのスライスラインで、どのくらい切れるか悩んだ時は『カップに真っすぐ打ったらどれくらい切れるだろう』と予想してみよう。そうすると、カップの右にこのくらい切れそうな幅とおおよそのラインがイメージできる。

しかし、実際に打つ場合は上り傾斜を加味して打つから、イメージよりも強めにヒットすることになるので当然、曲がり幅もイメージしたものより少なくなる。よって、上りのパットの場合は、打ち出しのラインもイメージより浅めに設定することになる。

打つまでにラインから目線を離すのは、たったの2回だけ!

1️⃣真後ろからラインを見ながら距離を イメージして素振り。2️⃣ラインを決めたら後ろからラインを見ながら回り込む。3️⃣体を目標方向に向けながら右足をセット。4️⃣フェースをボールに合わせる。当たらないように目線をボールに向ける。
5️⃣フェース面がターゲットを向いているか再度確認。6️⃣ターゲットを見ながら左足をセット。7️⃣ラインのイメージを持ったまま下を向いて ストローク。8️⃣フォローで顔が上がる。

ラウンド直前の練習はこれ!タッチを変えて打つ『3球打ち』で劇的にパットが良くなる!

タッチは手ではなく目からの情報で養われるものだった

上りの傾斜で多いミスは、打ちきれずにショートすることです。要するに強めのタッチが出せないわけですが、このタッチを出す良い練習法がありますのでご紹介します。

ゴルフ場のスタート前とかにボールを3球用意して、カップまで5~10メートルのパットをし ます。まず一球打ってみて、例えば、それが1メートルショートしたとします。そうしたら2球目は1メートルオーバーさせるようにタッチを変えて打ってみます。2球目が1メートルオーバーできたら、最後の3球目は2つの中間の距離を打ってみます。

タッチというのは目からの情報によって養われていくものなので、こういった実際に見た結果からのフィードバックで体に覚えさせるのが一番大事な練習になるわけです。この練習を繰り返しやることで、上りのパットをショートすることは激減するはずです。

10メートルのパットを、ショート、オーバー、ジャストを繰り返しやる。結果を見て、その時の手の感触、強さ、転がり、音などの情報を体にフィードバックしていくことでタッチが身に付く。慣れてきたら、10センチオーバーを3球連続や、ジャストタッチを3連続というようにやり方を変えてみよう。

これもやっておこう!目をつぶって 打つことでタッチの感覚を研ぎ澄まそう

ボールとパターをセットアップしたら、あとは目をつぶった状態でパッティングをする。そして目をつぶったまま、今のパティングの結果を推測する。目からの情報が遮断されることで、他の感覚を研ぎ澄ませて判断することで、さらにタッチが出しやすくなる。

鋭敏なタッチを手に入れる練習法はコレ!

居間の絨毯などの上で5メートルほどの距離をとって、壁に向かってパッティングをする。打ったボールが壁の手前ギリギリで止められるように練習をする。慣れてきたら、目をつぶって打ったり。10センチ手前で止めるというように練習のバリエーションを増やしていく。

協力/富士カントリークラブ


日下部光隆の傾斜対応パットテク

第2回へ

【シリーズ一覧】
●第1回:上り傾斜〜入るパットは「構え方」から違う!プロはラインに構える。アマはボールに構える?〜
●第2回:下り傾斜〜カップを『50センチオーバーするタッチ』で狙う!?〜
●第3回:【引っかけやすいフックライン】はヒールを浮かせて、フェースのトゥ寄りでインパクト!〜
●第4回:【パター傾斜対応】スライスラインで緩まない打ち方を日下部光隆が解説
●第5回:【スネークライン】ラインを読みづらいスネークラインの読み方の手順を解説!