日本ツアー気になる選手たちの飛ばしテク!【ぶっ飛びインパクトのポイントを新発見!】
【大特集】80台が出るドライバーショット|ぶっ飛びインパクトの作り方 PART2
パート2では2020年の国内ツアーで話題を呼んだ主なプレーヤーの連続写真をお見せしよう。佐藤信人のスイング解説付きだからよくわかる!
※平均飛距離は2019シーズンのデータです。
GOLF TODAY本誌 No.583 36〜45ページより
第一人者はやっぱりこの人石川遼の飛ばしテク|シャローダウンでプレーンに乗せる!
石川遼のドライバースイング|ポイント
①下半身がほとんど動かず、上体のヒネリでクラブを振り上げている
②左足を踏み込んでクラブをシャローに下ろしてくる
③インサイドアタックでインパクトのパワー効率がアップ
④ヘッドがよく走っている躍動感のあるフォロースルー
トップでのクラブの傾き角度をキープして下ろす
2020年の石川遼は切り返しの動きを盛んにチェックする光景をよく見ました。トップのクラブの傾き角度をキープして振り下ろす「シャローダウン」です。
こうするとインサイドアタック、つまりクラブをインサイドから理想的な角度で振り下ろしやすく、ボールを正確にとらえやすくなります。
ダウンスイングでクラブが寝すぎると振り遅れやすいし、クラブが立ちすぎてはカラダが突っ込みやすい。調子がおかしくなったなと思ったら、切り返しのポジションでトップからクラブを真下に落とす感覚をチェックするといいでしょう。
石川 遼 いしかわ・りょう
1991年9月17日生まれ、埼玉県出身。175㎝、70㎏。2007年のマンシングウェアオープンKSBカップを15歳で制して大きな注目を浴びた。翌年にプロ転向し、09年には18歳で史上最年少の賞金王。ツアー通算17勝。CASIO所属。
若手のニューリーダー星野陸也の飛ばしテク|カラダを回せるだけ回して大きく振り切る!
星野陸也のドライバースイング|ポイント
①テークバックでヘッドの動きと同調して顔が右に回る
②カラダを回せるだけ回すという感じのトップ
③左足を踏み込んでから回転スピードを思い切り上げる
④顔を無理に残さないでクラブを大きく振り抜いている
回転にブレーキをまったくかけないスピンスイング
星野陸也のスイングのいいところは、横への移動の動きがなく、カラダの回転にまったくブレーキをかけていないこと。バックスイングでは顔を右に回して、カラダを回せるだけ回しています。そして切り返しで左足を踏み込んだら、軸をしっかりキープして回転スピードを一気に加速。コマを連想させるスピンスイングです。
本人はバックスインで顔を右に回す意識はないでしょう。多少オーバースイングになってもいいからカラダを気持ちよく回して、クラブを思い切り振り切るのが彼の信条だと思います。
星野陸也 ほしの・りくや
1996年5月12日生まれ、茨城県出身。186㎝、76㎏。日大を中退し、2016年プロ転向。18年のフジサンケイクラシックでツアー初制覇。日本を代表するロングヒッターで知られ、20年のフジサンケイクラシックでV2。ツアー通算3勝。フリー。
期待のスーパールーキー金谷拓実の飛ばしテク|下半身リードで上体のネバリ感覚を生み出す!
金谷拓実のドライバースイング|ポイント
①トップの間の取り方が松山英樹に似ている
②下半身が先行し、上体を遅らせている感じのダウンスイング
③下半身主体でスイングするから、上体にリラックス感が見られる
④両足を蹴り上げる動きが小さい。飛距離より方向性重視のスイングだ
上体が力まず、胸の開きが抑えられる
飛球線後方からのアングルではわかりにくいかもしれませんが、ダウンスイングで下半身が先行しているけど、上体がしっかり粘っているなという印象のスイングです。ややレイドオフのトップから胸の開きを抑えて、下半身リードでクラブを振り下ろし、インパクトのタイミングをうまく整えています。
金谷拓実がダウンスイングでどうして上体が粘れるかというと、下半身の動きに目を向けることで肩や腕の余分な力が抜けるから。腕や手でクラブを下ろそうとすると上体が力んで突っ込んでしまいやすいので注意しましょう。
金谷拓実 かなや・たくみ
1998年5月23日生まれ、広島県出身。172㎝、75㎏。2015年の日本アマ優勝。19年には三井住友VISA太平洋マスターズ優勝。世界アマチュアランク世界1位の実績を引っさげて20年10月にプロ転向を宣言。東北福祉大4年在学中。11月のダンロップフェニックスで早くも初優勝。
幻の3年連続賞金王!? 今平周吾の飛ばしテク|ストレート軌道を徹底キープして振る!
今平周吾のドライバースイング|ポイント
①ダウンスイングで両ヒジにゆとりをもたせている
②両手を返さないでボールをストレートに打ち抜く
③インパクトエリアの軌道が狂わないからフィニッシュが安定
左手甲とフェース面が完全にリンクした直進性の高いスイング
今平周吾は左利きで、インパクトで左ヒジを逃がし気味に振っています。やはり左利きのジョーダン・スピースとの共通点が多いですし、インパクトエリアでの腕使いはブルックス・ケプカにもよく似ています。
本人はインパクトゾーンのことしか考えていなくて、いかにストレート軌道をキープするかを重視しているそうです。トップやフィニッシュなどスイングの上のほうはあまり考えないで、クラブをなるべくカラダの近くで振ることに集中しているから、左手の甲とフェース面がリンクした分厚いインパクトが作れるのです。
今平周吾 いまひら・しゅうご
1992年10月2日生まれ、埼玉県出身。165㎝、66㎏。2008年の日本ジュニアで松山英樹らを抑えて優勝。11年プロ転向。18年と19年のブリヂストンオープン2連覇を含むツアー通算4勝。18~19年と2年連続で賞金王を獲得した。所属フリー。
日本一曲がらない男稲森佑貴の飛ばしテク|安定したフィニッシュが抜群の方向性を生む!
稲森佑貴のドライバースイング|ポイント
①ダウンスイングで胸がボールの右を向いたまま手を低く下ろしている
②今平周吾同様両手のローテーションを抑えてインパクト
③振り抜いた体勢のまましっかり立っているのが一番の長所
フィニッシュの安定がミスを大きく減らしてくれる
フェアウェイキープ率のトップの座に君臨しているだけに、スイングの安定性はピカイチ。今平周吾のようにインパクトゾーンをとても大事にしているなという印象ですが、稲森佑貴の安定性はフィニッシュによるところが大きいと思います。
彼はどんなときでもフィニッシュが崩れることがありません。小さい頃から、フィニッシュの体勢のままで3秒間静止する練習を多く積んだそうで、その感覚がカラダに染み込んでいるのでしょう。フィニッシュの安定を追求すれば、ショットの正確性もアップすることを教えてくれるスイングです。
稲森佑貴 いなもり・ゆうき
1994年10月2日生まれ、鹿児島県出身。169㎝、68㎏。2012年プロ転向。18年と20年の日本オープンを制覇。ドライバーの正確性に定評があり、フェアウェイキープ率は15~19年と5年連続で1位。国際スポーツ振興協会所属。
スイング解説
佐藤信人 さとう・のぶひと
1970年3月12日生まれ、千葉県出身。高卒後に渡米し、ネバダ州立大入学。93年に帰国してプロ転向。2000年には日本プロなど年間4勝。ツアー通算9勝。03年からは欧州ツアーを転戦するなど経験は豊富。現在はシニアツアー出場の一方でテレビ解説もこなす。
撮影トーナメント/2020 ZOZOチャンピオンシップ、2021 フジサンケイクラシック
【シリーズ一覧】
●Part1:ドライバースイング【連続写真をじっくり見て覚える!】USPGAツアープロたちの飛ばしテク!
●Part2:日本ツアー気になる選手たちの飛ばしテク!【ぶっ飛びインパクトのポイントを新発見!】
●Part3:プロゴルファー12人のドライバースイング連続写真|飛ばしのコツ