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お腹に「氣」を意識するだけでスイングが見違えるほどよくなる!!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.18

2021/03/05 ゴルフサプリ編集部

理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第18回は心とカラダのバランスを整えて、スイングパフォーマンスを上げる方法についてのアドバイス。その秘訣は「氣」にあるという。

「氣」をカラダに注入して、プレーのパフォーマンスを上げよう

まずは、お腹からエネルギーを発散させるイメージを持とう

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はスイングのパフォーマンスを向上させる方法について説明していきたいと思います。グッドショットはいいスイングから生まれます。当たり前のことですが、「いいスイング」とは一体何でしょうか。もちろん技術的なメソッドも大事です。でも、それ以上に重要なのが「心とカラダのバランス」なのです。心とカラダのバランスが整えば、脳からの指令がカラダの隅々まで行き届きやすくなり、プレーのパフォーマンスが上がります。

エネルギーを意味する「氣」という言葉をご存知のことと思います。現在よく使われる「気」の旧字ですが、「氣」と「気」では大きな違いがあるそうです。「気」といえば、根気とか気合などの言葉を思い浮かべますよね。ところが「気」の「メ」はエネルギーを締めることになり、押さえ込まれるような感覚に通じやすいのです。一方の「氣」の「米」は末広がりで、八方に広がる意味が含まれていると聞きました。

そう考えると、本来のエネルギーであるべき字は「氣」と考えるのが正しいといえるでしょう。「米」はボクたち日本人にとってエネルギーの源でもあります。「氣」をカラダに注入することで、心とカラダのバランスが整いやすくなるのです。なかなか思うようなプレーができないと、思考もマイナス方向に働いてしまいやすいですよね。そんなときこそ、「氣」が肝心です。まずはお腹を意識してください。おヘソのすぐ下の「丹田」と呼ばれるツボ付近に力をためて、そこからエネルギーを発散させるイメージを持ちましょう。

お腹に力をためてカラダに「氣」を注入する意識を持つことから始めよう。

深くて長い呼吸を繰り返して、お腹に「氣」を意識しよう

ボクはアマチュアの方々をレッスンするとき、「腕や手を使うことはあまり考えないで、お腹の回転を意識してスイングしましょう」とアドバイスしています。歩くときも含めて、プレー中はお腹から常に「氣」を放出しておくつもりでいれば自然と姿勢がよくなり、アドレスやスイングが安定します。お腹の回転を意識するということは、体幹を主体としてスイングすることになり、カラダの軸回転が安定してミート率も劇的にアップします。お腹に「氣」がないと背中が丸まった猫背のアドレスとなり、スイング軌道もブレやすくなります。

お腹から「氣」を放出するイメージでカラダを回転。この動きがスイングの基本動作だ。
おヘソを少し引っ込めて「氣」を意識すればアドレスの姿勢が安定する。
お腹はカラダのコアの部分。ここを意識するだけで上体と下半身の動きのバランスが整いやすい。
アドレスの前傾角度をスイング中もキープしやすくなり、ミート率が大幅アップする。
お腹が緩んで、「氣」が入らないとカラダがスムーズに回転せず、クラブを正しい軌道で振れない。

お腹に「氣」を意識するには、深い呼吸を心がけてください。呼吸の仕方のポイントは10秒間かけて口から息を吐き切り、5秒間かけて鼻から息を吸うこと。「深くて長い呼吸」というわけです。「長い息ができる人は長生きする」と昔からの言い伝えがあるそうです。お腹にエネルギーをためられる腹式呼吸を繰り返すと酸素を多く取り入れることができます。カラダが活性化してストレスの解消にもなりますし、緊張を和らげる効果も高くて、メンタルやマネジメントにも好影響を与えてくれるのです。

深呼吸でお腹に「氣」を注入しよう。まず10秒間かけて口から息を吐こう。
次に5秒間かけて鼻から息を吸う。この「長い呼吸」を5回くらい繰り返すとカラダが活性化する。

「ひとりジャンケン」で脳を活性化しておくと効果的

心とカラダのバランスを整えるために、オススメの「脳トレ」があるので紹介します。それは「ひとりジャンケン」です。「最初はグー」で始めたら、3回続けて右手が勝てるかどうかを自己テストしてください。3回とも両手のグー、チョキ、パーの形を変えることが条件です。右手の次は左手が3回続けて勝てるかどうかをテストしましょう。実際にやってみると案外難しいことはわかるはずです。心とカラダが統一しないと、脳指令が手先にうまく伝わりにくいからです。

「心・技・体」とよくいいますが、「心・体・脳」がスイングやメンタルなどの安定に直結するというのがボクの考え方です。自分の思ったことやイメージしたことをカラダで実行できれば、脳からの指令がカラダにちゃんと伝達できていることになります。スタート前やラウンド中のちょっとした合間などに深い呼吸で「氣」をためて、ひとりジャンケンの脳トレで「心・体・脳」を整えておくと、驚くほどグッドショットの確率が上がります。

ひとりジャンケンしてみよう。最初はグー!
グー、チョキ、パーの順番は適当でOK。最初は右手が3回続けて勝ち続けられるかをテストしてみよう。次は左手の3連勝ができるかどうかも試そう。
心とカラダが統一できていないと3連勝が難しいことがわかる。

最後に動画でチェック!

「氣」でアドレスもスイングも安定する

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/船橋カントリークラブ

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大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。


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