女子プロたちのフェアウェイウッド&ユーティリティショットに学ぼう!!
【80台が出る!スコアメイクのための女子プロ連続写真】PART3
パー5ホールや長いパー4ホールでよく使うフェアウェイウッドとユーティリティ。ボールを正確にとらえ、距離をしっかり稼ぐコツをつかんでスコアアップといこう。
GOLF TODAY本誌 No.585 54〜63ページより
申ジエ
ボールの近くに立ってタテの軌道でスイング
ヨコ回転の少ないタテ回転の球だからグリーンやピンを正確にヒットできる
①アドレスのカラダとボールの間隔が近い
②タテに上げるからトップがアップライト
③長いインパクトゾーンでボールをとらえる
④ベタ足気味のスイングで、下半身のバタツキがない
軌道がタテ型ならインパクトゾーンを長く作れる
申ジエ選手はUTクラブの上手さに定評があるプレーヤーで、ショットの安定性はピカイチです。一番の特徴はボールの近くに立って構えていること。身長はそれほど高くないけれど、ボールの近くに立つことでスイングの軌道がタテ型になります。
そうするとインパクトゾーンが長くなり、ボールをスクエアにとらえられる時間も長くなる。タテ回転のきれいなスピンがかかりやすいからタテの距離感が揃いやすく、左右のブレも少ない。ボールから離れて構えるとスイング軌道がフラットになり、ヨコ回転のスピンがかかりやすく、距離感や方向性に誤差が生じやすいのです。
申ジエ しん・じえ(スリーボンド)
1988年4月28日生まれ、韓国出身。155㎝。元世界ランク1位の実力者。2020年は富士通レディース、TOTOジャパンクラシック優勝。賞金ランク8位。ツアー通算24勝。
渡邉彩香
スイング軸をキープすれば出球の方向が安定
①両手の位置が高いハイトップ
②軸をトップの位置にキープしたままでダウンスイング
③軸の位置が変わらないから軌道が整いやすい
④カラダをしっかり回転し、クラブを左に振り抜く
球筋を揃えるには出球のブレをなくすのが先決
ドライバーと同様、高いトップからクラブをタテに振り下ろしてフェードを打つのが渡邉彩香選手のスイング。安定したフェードが打てるのは軸を一定にキープしているから。
調子を落としていた頃はダウンスイングで上体が目標側に流れる傾向がありましたが、今はカラダの軸をトップの位置にキープしたままでクラブを一気に加速させて振り抜いています。
ハイトップからクラブを思い切りよく左に振り抜けるのは、軸のブレがなくなった証拠。出球が方向性のカギですから、軸のキープが何よりも重要です。
渡邉彩香 わたなべ・あやか (大東建託)
1993年9月19日生まれ、静岡県出身。172㎝。2020年は開幕戦のアース・モンダミンカップで5年ぶりにツアー4勝目を飾った。賞金ランク5位。
カラダの回転を使ってクラブを左に振り抜く
両肩と両腕の三角形のキープはスイングの基本
比嘉真美子選手はどっしりした下半身が上体の回転を支えているという印象のスイングです。トップの捻転の深さや捻転を一気にほどいてパワーの効率を上げています。
一方の酒井美紀選手のスイングはカラダを素直に回して、スムーズに振り抜いているという感じです。
見た目にはスイングのタイプが違っていても、基本的なポイントは一緒です。アドレスの両肩と両腕の三角形をできるだけ崩さずに、カラダの回転を主体にスイングする。カラダをしっかり回すには、クラブを目標よりも左へと振り抜く。これが大事です。クラブを目標に向かって真っすぐ出そうとすると、フォロースルーで腕がカラダから離れて、カラダの回転にブレーキがかかってしまいます。
比嘉真美子
①上体と下半身の捻転差が大きいトップ
②腰を先に戻してパワーをボールにぶつける
比嘉真美子 ひが・まみこ(TOYO TIRE)
1993年10月11日生まれ。沖縄県出身。161㎝。2019年のダイキンオーキッドなどツアー通算5勝の実力派プレーヤー。2020年の賞金ランク20位。
酒井美紀
①アドレスの両肩と両腕の三角形をインパクトで再現
②カラダを回せるだけ回すという感じのフィニッシュ
酒井美紀 さかい・みき (国際スポーツ振興協会)
1991年5月24日生まれ、福島県出身。165㎝。ツアー通算2勝。20年は19年に続き、堂々のフェアウェイキープ率1位。20年の賞金ランク11位。
有村智恵
左サイドのカベがしっかりしているから方向が狂わない
①胸を右に90度回してバックスイング
②ダウンスイングで急がないで下半身を静かに始動
③左足を踏ん張ってカラダの捻り戻しのパワーを受け止める
④左サイドが安定すればフォロースルーの軌道が揃いやすい
パワー効率によって球質が重くも軽くもなる
写真ではちょっと分かりにくいですけれど、有村智恵選手は左サイドのカベがとてもしっかりしているのが長所です。持ち球はフェードですが、左サイドの壁が安定しているから球質の重いフェードが打てるのです。しかも球が止まりやすいから、キャリーでグリーンを狙える。フェアウェイウッドやユーティリティのような長いクラブでも点で攻めていけるタイプです。
左サイドのカベというのはインパクトで左足を踏ん張って、左ヒザが目標側に流れないようにすること。大山志保選手のアイアンショットでも説明したように、左ヒザを頑張るイメージです。
有村智恵 ありむら・ちえ(日本HP)
1987年11月22日生まれ、熊本県出身。159㎝。2012年の日本女子プロを含むツアー通算14勝。20年はNEC軽井沢72ゴルフトーナメント4位。賞金ランク31位。
若林舞衣子
持ち球をストレートに変えて攻略の幅が広がった
①テークバックでフェースをシャット気味に上げる
②フェースの開閉を抑え、ボールをスクエアにとらえる
③ストレート系の球ならピンの位置が右でも左でも真っすぐ攻めていける
フェースの開閉を抑えれば曲がり幅が小さくなる
若林舞衣子選手は元々ドローヒッターでしたが、球筋をストレート系に変えてショットがすごく安定してきました。持ち球がドローの人はピンの位置が左のときは攻めやすいけれど、右に立っているときは狙いにくい。その点、ストレート系ならピンが右でも左でも攻めていける。攻略のバリエーションがとても広がったように思います。
ストレート系の球を打つポイントはフェースをできるだけスクエアにキープすること。最近のプロたちはテークバックでフェースをシャット気味に上げる傾向が見られますが、それもフェースの開閉を抑えてスクエアフェースにキープしやすくするためなのです。
若林舞衣子 わかばやし・まいこ(ヨネックス)
1988年6月9日生まれ、新潟県出身。165㎝。2008年SANKYOレディースなどツアー通算3勝。2020年はNEC軽井沢72ゴルフトーナメント2位タイ。賞金ランク24位。
◎スイング解説 服部道子
はっとり・みちこ
1968年生まれ、愛知県出身。84~85年日本女子アマ3勝。85年に全米アマで優勝し、USGA主催の「全米」タイトルを制している唯一の日本人。91年にプロ転向し、2度の日本女子オープンを含む通算18勝。98年は賞金女王の座についた。現在はトーナメント解説など多方面で活躍。2021年東京オリンピックのゴルフ日本代表女子コーチをつとめる。
取材トーナメント/NEC軽井沢72ゴルフトーナメント、ニトリレディス、TOTOジャパンクラシック
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【80台が出る!スコアメイクのための女子プロ連続写真】
●PART1 女子プロたちのアイアンショット学ぼう!!(1/2)
●PART1 女子プロたちのアイアンショット学ぼう!!(2/2)
●PART2 女子プロたちのアプローチショットを学ぼう!!
●PART3 女子プロたちのフェアウェイウッド&ユーティリティショットに学ぼう!!
●PART4 女子プロたちのパッティングに学ぼう!!