シングルさんの神ドリルPART2|飛距離&方向性アップのためのドリル(後編)
【時短練習スペシャル】練習は量より質!シングルさんの練習法であなたもシングル!
練習不足&運動不足でも、スイングスピードを維持するコツからフックやスライスを克服する練習まで。トップアマが実践する飛んで曲がらないショットを打つためのドリルを試してみよう。
GOLF TODAY本誌 No.593 28〜37ページより
GolfDrill⑮|ウェッジとドライバーを交互に打ってフックを矯正
ボールが左に出始めてヒッカケが怖くなったときに行うドリル。自分の得意な番手で出球の傾向をつかみ、ドライバーで逆球を打つようにすれば少ない球数でフック癖を解消できる。
Profile
金澤 徹さん
(かなざわ とおる)1970年7月26日生まれ。茨城県出身。14歳でゴルフを始め、土浦日大高校ゴルフ部のキャプテンを務める。米国留学中にプロ転向、2010年にアマチュア競技に復帰。全日本企業対抗全国大会で個人・団体の部で2勝。
2本を交互に打つことで本番をイメージできる
Driver
トップの位置を高くし、下半身から先に動き始めるようにすれば、下から入りすぎていた軌道がニュートラルに戻る。
Wedge
もう一度AW(52度)を打って出球を確認。看板に向かって真っすぐ飛べばオーケー。
得意クラブなら調子がわかりやすい
100ヤード打てる52度で100ヤード先の看板を狙い、その日にボールの出る方向をチェックする。ドローヒッターなら多少右に出ても問題ないが、52度で少しでも左に出るようならドライバーだとヒッカケて大ケガになる可能性がある。不安なときはドライバーに持ち替えて、わざとスライスを打つことで出球の方向を修正する。
52度ではなくドライバーを使う理由は、タイミングのズレやヘッドの遅れなど原因が分かりやすいからだ。
左に出る原因は様々だが、「たいていはトップでクラブをかついでいるか、手打ちになっているか」(金澤さん)。そのままだとスライス系の球は打てないので、スライスが打てるようになるまで練習すればクセは直っている。
フックが出るのは、たいていボールをつかまえたいとき。無理矢理アウトサイドインに振るのではなく、バックスイングの軌道や下半身が使えているかどうかをチェックし、いまのスイングをなるべく変えないでフェードを打てるようにすれば根本の原因から直せます。
GolfDrill⑯|あおり打ちのフックはティを低く
過度なインサイドアウト(=あおり打ち)によるフックボールは、ティアップの高さを変えて打つことで修正できる。
Profile
川﨑邦朗さん
(かわさき くにお)1972年生まれ。茨城県出身。高校1年時に父親のすすめでゴルフを始め、大学でゴルフ部に所属。「日本ミッドアマ」「関東アマ」の常連で、2017年「茨城県アマチュアゴルフ連盟選手権」で優勝。
ダウンブローを意識して軌道修正
地面のボールはあおり打てない
ヘッドが下から入らないようにしてインサイドアウト過ぎる軌道を修正するドリル。川﨑さんは芝やマットの上のボールを“直ドラ”で打つ。直ドラなら物理的にあおり打ちが不可能になるからだ。直ドラに自信がなければアイアン用の低いティを使おう。
フルショットする必要はなく、軌道とフェースの向きに注意して軽めに振る。ややダウンブローに当てるつもりでちょうどいい。
インパクトでフェースが左を向いているとヒッカケになるので、やや開き気味に当たるようにしたい
球が右に出てからフックする場合はあおり打ちが原因。正しい軌道に戻すには左手の片手打ちもオススメです。まっすぐ左に出るときはフェースの被りが原因です。フックが出るときはほぼ下半身が止まっているので、もっと動かすように意識すればさらに効果的です。
GolfDrill⑰|ドライバーとアイアン(UT)を1球ずつ打つ
練習の流れとしては短いクラブから打ち始めて順に番手を上げていくのが一般的。だが、ドライバーとそれ以外の番手を交互に打つようにすればより本番に近い感覚を養える。
Profile
松島登紀夫さん
(まつしま ときお)1964年生まれ。本格的にゴルフを始めたのは30代半ばから。2015年栃木県知事杯一般の部2位タイ。2019年関東シニア決勝大会出場。
全番手同じタイミングで振れるからティショットのミスが減る!
試合前のイメージトレーニングに最適
ウォーミングアップの後、1球目に打つのはドライバー。2球目はセカンドショットで使うアイアンやUT、そして3球目はドライバーに戻る。1球ごとにドライバーに戻ることで他の番手もドライバーと同じタイミングで振れるようになり、クラブを持ち替えることによるミスを減らすことができる。
また、試合やラウンドの前なら次に回るコースを想定して番手を選ぶようにすれば本番に向けてのイメージトレーニングにもなる。
全英シニアに行って驚いたのは、練習場で同じ球を続けて打つ選手がいないこと。左右あちこちに打ち分けて本番の準備をしているのです。一球一球コースをイメージしながら打つのは最高の練習です。プレショットルーティンもきちんと行えばさらにいいですね。
GolfDril⑱l|フック(スライス)が出始めたら「壁」前の素振りが効果あり!
ゴルフ場や庭の生け垣、練習場のネットなどを利用してオンプレーンスイングをマスターするドリル。ストレートボールはもちろん、ドローやフェードの練習にも応用できる。
Profile
風間智行さん
(かざま ともゆき)1965年4月23日生まれ。神奈川県出身。2004年「日本ミッドアマ」6位タイ、17年、19年「神奈川県シニアオープン」ローアマ。ドライバー平均飛距離250ヤード。ベストスコア65。
ボールを打つときはペットボトルがガイドライン
生け垣やネットの近くで振ってみる
生け垣やネットなど素振りでヘッドが当たっても安全な「壁」を見つけよう。適当な「壁」がなければ紐を張ってもいい。その「壁」ギリギリにヘッドを置いて構え、ふだん通りに振る。
もし軌道がインサイドアウトならフォローでヘッドが「壁」に接触し、アウトサイドインならテークバックで当たる。これをテークバックでもフォローでも「壁」に当てないように振ることでインサイドインのオンプレーンスイングが身についてくる。
また、ドローを覚えたければ「壁」に対してスタンスがオープンになるように構えて振る。「壁」に当たらないように振れば低いトップから高いフィニッシュのインサイドアウトの軌道になるし、クローズに構えれば高いトップから低いフィニッシュのアウトサイドインの軌道になる。
応用編|ドローとフェードのスイングプレーンをイメージ
自分では真っすぐ振っているつもりでも、アウトやインに上がっていることはあります。正面に壁があることで自分が軌道で打っているかよくわかると思います。実際に壁に当たらないまでもテークバックやフォローでどちらが気になるかで、自分のクセもつかめます。
GolfDrill⑲|ウェッジ片手打ちドリルでドライバーも飛んで曲がらない
ビジネスゾーンでの体、腕、クラブの使い方はどの番手でも共通。ウェッジの片手打ちで習熟しておけば、ドライバー自体の練習はあまりしなくても飛距離と方向性アップが可能だ。
Profile
服部滋多さん
(はっとり しげた)1988年9月9日生まれ、東京都出身。両親の影響で初めてクラブを握ったのは1歳の時。2010年「国民体育大会」個人8位、同年「茨城県オープン」ローアマ。ドライバー平均飛距離270ヤード。
ドライバーショットは片手アプローチの延長!
クラブフェースと体の動きを同調させる
両手のフルショットは調整して何となく真っすぐ打ててしまうが、片手のアプローチでは誤魔化しが効かない。
右手打ちでは、体全体を使って振ることがポイント。右手首の角度を保ったままクラブを下ろし、フェース面と体の回転を一致させる。常に体の正面でボールをとらえるようにすれば、安定したクラブ軌道で振れるようになる。
一方、左手打ちでは自分がボールに対して、どのような角度でアタックするのかをイメージ。ゆっくりした自然なフェースローテーションで、球をつかまえられるようにする。片手である程度打てるようになったら、最後は両手でバランスよく振れるか確認しよう。
ドライバーのフルショットも片手アプローチの延長。しっかり当てられれば、ドライバーも真っすぐ飛ばせるようになる。
右手は勝手に動くので、左手1本で振るくらいでちょうど。右手打ちと左手打ちでは体の動く場所が違います。左手でボールに対してどうアタックしていくのか、右手はフィニッシュに向かってどうフォローしていくのか。それぞれの動きがわかれば、自然と下半身も動かせるようになります。
アドバイザー
寺西 明
(てらにし あきら)30歳でゴルフを始め、「関西アマ」「関西ミッドアマ」など数々のタイトルを獲得。2015年、49歳でプロテスト一発合格。2020年は「日本シニアオープン」で優勝し、シニアツアー賞金王獲得。ツアー通算6勝。ゴルフ塾「寺小屋」で多くのプロやアマを指導する。
協力/関東ゴルフ連盟
●【時短練習スペシャル】練習は量より質!シングルさんの練習法であなたもシングル!
Part1:スイング作りに役立つ基本のドリル(前編)
Part1:スイング作りに役立つ基本のドリル(後編)
Part2:飛距離&方向性アップのためのドリル(前編)
Part2:飛距離&方向性アップのためのドリル(後編)
Part3:UT&アイアンの球筋を安定させるドリル(前編)
Part3:UT&アイアンの球筋を安定させるドリル(後編)
Part4:スコアが縮まるショートゲームのドリル
Special:2020シニア賞金王・寺西明の“超自分流”ドリル