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スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.36
ゴルフは欲との闘いでもある。どのホールでも「パーを取ろう!」と頑張るのもいいが、つねにプレッシャーと背中合わせのプレーではすぐに息切れしてしまう。今回はパー3ホールの上手な攻め方の思考を学び、パーセーブの回数を増やせるようになろう。
ゴルフトゥデイ本誌596号/106〜107ページより
【マネジメント編】パー3ホールをボギー狙いで攻めればパーが取りやすい!
ティショットを重圧なく打てる作戦を立てよう
ショットミスの少ないプロやシングルゴルファーはパー5ホールでバーディやパーが取りやすいけれど、90切りを目指すゴルファーにとってはパー3ホールのほうがパーセーブしやすいでしょう。パー5やパー4ではショットをうまくつなぐ必要がありますが、パー3でしたらティショットさえ成功すればパーが取れるチャンスです。
ではティショットでどんなことに注意すればいいかというと、どこに打てばパーが取れるかよりも、どこに運んでおけば確実にボギー以内で上がれるかを考えましょう。ピンがどこに立っていようとグリーンの真ん中を狙って打つのがベストとよくいいますよね。グリーンの中央付近に乗れば2パット以内でホールアウトできる公算が高いからです。でも、それはティショットが大成功した場合の話であって、ミスもある程度予測した上でターゲットを決めるほうが絶対いいと思います。
ティショットをバンカーに入れてしまったとしても、そこからピンが比較的遠ければグリーンの面が広く使えるからOKの範囲内。でもピンが近いバンカーは難しいから避けるべきです。バンカーショットの技術にもよりますが、ピンの位置次第で入れてもいいバンカーと入れてはいけないバンカーに分かれるのです。同じことはアプローチショットにも当てはまります。
そのホールのシチュエーションを見て、パーを取りにいくならどんなリスクを背負わないといけないのか。ティショットでプレッシャーを感じるようなら、どうやってボギーで上がるか。そんな思考で攻略プランを練ってみるとティショットの重圧から解放されて、ミスの少ないプレー運びができます。パーを取りにいくと案外大叩きしやすいけれど、最初からボギー狙いでいけば結果的にパーセーブのチャンスが向こうからやってくるものなのですよ。
21年のカシオワールドで片岡大育プロの応援に。真ん中は初キャディの森智大クンです。
伊能恵子
(いのう・けいこ)
千葉県出身。男女ツアープロをサポートするプロキャディの第一人者。現在は主に片岡大育のキャディをつとめる一方、リンパセラピストとしても活躍中。
【メンタル編】「自分が打つときに、他人の立つ位置や仕草が気になります」
自分のプレーに集中しやすい環境作りも大事
ゴルフのマナーとして、プレーヤーの邪魔になる場所には立たない、声を出さないなどの決まりがあるのは皆さんもよくご存知でしょう。これから打つ人の真正面や飛球線の後方側に立つのはタブーですが、中には斜め後方に立たれたり、音は立てないけれど急に腕組みしたり足を組み替えたりされると気になってしまうことがありますよね。
実は私も気にするタイプです。というか苦手な場所があって、そんなときは「そこに立たれると気になるので、立たないで貰えますか」とやんわりとお願いするようにしています。そこに立つのがダメなのではなくて、自分はその場所が苦手だという表現をすれば相手を傷つけないで済みます。苦手な場所に立たないでもらうだけで仕草なども気にならなくなります。
我慢して言わないままでいるとターゲットどころか、その場所が気になって自分のプレーに集中できません。そんな状態でいいショットが打てるわけがないのです。ミスしてしまうと、「そこに立たれたから」、「アイツのせいだ」などと責任転嫁したくもなりますよね。
結局のところ、まず伝えることが大切なコミュニケーションだと思うのです。自分がベストプレーをするためにも最善を尽くすのがいいですし、お互いが気持ちよくプレーするためにも相手に気を配るのも大事です。
ゴルファーなら誰でも自分なりのルールみたいなものがあって、それに抵触すると取り締まりたくなるのなら、黙っていないで警告を発しましょう。取り締まりとか警告なんて大袈裟ですが、自分の苦手を事前に知らせておき、お互いが認識しあえばイヤな思いをしなくて済むはず。自分だけを有利にするのではなく、同伴のプレーヤー全員が有利となるような心遣いが、一日のラウンドをハッピーエンドにしてくれるものだと私は考えます。
A.「この場所が苦手なのですと相手にやんわりと伝えましょう」
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
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