一番飛ばせる「ステルス」はどれ? テーラーメイド「ステルス」3モデルを打ち比べ
2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッションVol.2
スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が、発売前から大きな話題となっているテーラーメイド「ステルス」シリーズ3機種を打ち比べた。「ステルスプラスドライバー」「ステルスドライバー」「ステルスHDドライバー」はそれぞれどんなタイプのゴルファーにマッチするのだろうか。
どの「ステルス」も飛距離性能はトップクラス
ヘッド体積は3モデルとも460㎤で長さも同じ45.75インチ。純正シャフトは「ステルスプラスドライバー」が専用設計の「TENSEI SILVER TM50(’22)」、「ステルスドライバー」と「ステルスHDドライバー」には「TENSEI RED TM50(’22)」が採用されている。そして、3モデルに共通しているのは飛距離性能と打感のよさだ。
「飛距離性能はぼくの知る限り世界でトップクラスです。カーボンフェースだから飛ぶというだけでなく、カーボンによってフェースを20グラム軽くできたことで設計自由度が格段に高くなり、直進安定性と飛距離性能が飛躍的に上がったということです」(関)
打感は3モデルともにカーボンフェース特有のやわらかさがある。
「とてもやわらかいけれど弾き感があります。実際に打って聞いて感じていただきたい素晴らしい打感です」(関)
また、「SIM」や「SIM2」から一新された見た目も「ステルス」の魅力だ。
「つや消しとつやありのコントラストやSTEALTHのロゴが浮き上がるところ、フェース面の赤など今までにないかっこよさです。自分が強くなったような気分で所有欲も満たされますね」(関)
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「ステルスプラス」はニュートラルでコントローラブル
「ステルスプラスドライバー」「ステルスドライバー」「ステルスHDドライバー」ともに飛ぶのは間違いないが、それぞれの性格の違いを関が順番に打って確かめた。
「『ステルスプラスドライバー』はヒール側がシェイプされていてトゥ側にボリュームのある洋梨顔です。前作のように極端に右を向く顔ではなく、スクエアに見えるのでアライメントも非常にとりやすいです」(関)
顔と同様にシャフトの動きもニュートラルなのでコントロールはしやすい。
「『TENSEI SILVER』は50グラム台とは思えないほど先端がしっかりしていて余計なヘッドの動きが抑えられています。したがってアウトサイドから振ったりインサイドから入れたり、フェースを開いたり閉じたり、プレーヤーがコントロールできます」(関)
弾道は3モデルの中で一番低くスピンも少ない。球のつかまりも抑えめだ。
「ライナー系の強い球になりますね。ぼくはフッカーですが強振しても左が怖れず振っていける重心位置とシャフトです。ウエイトを調整すれば大きく曲がるフッカーでも対応できると思います。逆にスライサーは球をつかまえづらいと感じるでしょう」(関)
つかまりのいい「ステルス」ドローが打ちやすい
「『ステルスドライバー』は『ステルスプラスドライバー』と変わらない洋梨形状で、トゥ側にボリューム感があって球がつかまりそうなイメージです。大きな違いは『ステルスドライバー』にはウエイト調整機能が搭載されていないことです」(関)
打ち出しの高さはさほど「ステルスプラスドライバー」と変わらなかったが、球のつかまりは明らかに「ステルスドライバー」が上回る。
「『ステルスプラスドライバー』がストレートからフェード系の球が打ちやすいのに対し、『ステルスドライバー』は弾道がドローで固定されるような重心位置にチューニングされています。シャフトの『TENSEI RED』も真ん中からちょっと先にかけてのしなりが少し大きいのでけっこうつかまります」(関)
スカイトラックで計測してみると、同じスイングで振っても『ステルスドライバー』の弾道は『ステルスプラスドライバー』に比べて20ヤード近くドローがかかった。
「少し逃がすような打ち方をしてみてもまったくスピン量が増えず弾道もドローのまま。いい意味で操作性がないというか直進安定性が非常に高いクラブといえます」(関)
「ステルスHD」ならスライサーも真っすぐ飛ばせる
「ステルスHDドライバー」には明らかに異なる形状が与えられている。
「『ステルスHDドライバー』はヒール側に少しボリュームのあるおにぎり型。ヒール寄りに重さがあるのでさらにつかまりやすくなっています」(関)
シャフトは『ステルスドライバー』と同じ『TENSEI RED』を装着している。
「TENSEIらしい速くしなり戻る感じで、打ち出し角も上がってHDの名前通りハイドローの弾道になります」(関)
「ステルスプラスドライバー」で真っすぐに飛ばせるスイングで「ステルスドライバー」を打つと20ヤードくらい曲がるドローになったが、「ステルスHDドライバー」は40ヤードも左に曲がった。
「日本のコースで40ヤード曲がれば左の林に入ってしまいますが、裏を返せば40ヤードくらいスライスしている人が『ステルスHDドライバー』ならセンターに打てるということになります。試しに思い切りスライスをかけるスイングで打ってみましたが、スライスせずほぼストレートの弾道になりました」(関)
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ヘッドスピードに応じて選べる「ステルス」3兄弟
今回の試打結果を踏まえて「ステルスプラスドライバー」「ステルスドライバー」
「ステルスHDドライバー」がマッチするゴルファーをプロファイリングした。
「『ステルスプラスドライバー』は一番ヘッドスピードの速い人向けです。純正シャフト『TENSEI SHILVER』のSで42m/s以上の人が使うと飛距離も出てまっすぐ遠くに飛ぶと思います。
それ以下だと球が失速したりつかまりきらなかったりする可能性があります。つかまりが抑えめなのでストレートからドローの球筋の人が打ちやすいでしょう。
もう少しつかまりやすいのが『ステルス』です。球筋は厚めのドローになるので、ちょっとフェースが開いて当たってこすり球になってしまう人にいいと思います。ヘッドスピードはSで40から43m/sくらいが適正かと思います。
つかまりがよく打ち出しが高いのが『ステルスHDドライバー』の特徴です。適応ヘッドスピードの他の2モデルに比べて低く、39から42m/sくらいが適正。42m/s以上あると逆にフックしてしまうでしょう」(関)
試打・解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。
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