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Q.スイング中、前傾をキープできません A.前傾は、カラダの引っぱり合いの中で保たれます|ゴルフ新理論「グラビティメソッド」

カラダが喜ぶ、グラビティメソッド Season3 vol.20

2022/03/28 ゴルフサプリ編集部

スイング中の重心を整え、再現性を高める「グラビティメソッド」。
シーズン3では、ゴルファーの具体的な悩みを解決していきます。

GOLF TODAY本誌 No.596 110〜111ページより

Q.スイング中、前傾をキープできません

A.前傾は、カラダの引っぱり合いの中で保たれます

遠心力と体が引っぱり合った結果、前傾はキープされる

そもそも人間のカラダは前傾をキープしにくく、伸び上がる動きになりやすい。クラブの遠心力と体の引っ張り合いが生じることで、前傾が保たれたスイングは実現する。

結果的に足圧がかかり、スイング軸が保たれる

スイング中の前傾をキープするというセオリーは、よく言われることです。実際にそれを練習している人も多いですが、それだけ前傾を保てないゴルファーが多いということでしょう。

さて、前傾キープが難しい要因を人体構造の観点から考えると、注目すべきは股関節となります。股関節は「屈曲「」伸展「」外旋「」内旋」などが複合された動きをする部位なのですが、胸郭(上半身)の捻転に対して伸展しやすい造りになっているのです。

スイング中、ゴルフクラブには大きな遠心力が発生するので、それがさらに助長されやすくなります。これを抑制するには、遠心力と引っ張り合う力が必要になります。引っ張り合うことで、スイングバランスは保たれ、前傾をキープしやすくなります。

そのひとつのポイントとしては、ダウンスイングでは胸を下に向けて、右足に圧がかかるようにします。そうすることでフォローサイドに向かう遠心力に対して、引っ張り合う体勢が出来上がります。ただし、意識して右足を踏み込んではいけません。結果的に「右足に圧がかかる」ように振ることが肝要です。

ダウンスイングで、右足に圧がかかるとクラブとの引っ張り合いが生まれる

ダウンスイングでは胸を下に向け、右サイドでクラブを振る。そのような意識を持ってスイングをすると、ダウンスイングで右足に圧がかかるのを感じるはず。これによって、フォローサイド方向に強くなっていく遠心力と体との引っ張り合いが生じるとともに、股関節の伸展を抑えて前傾キープがしやすくなる。

右足裏で地面に圧がかかる。意識的に体重を残そうとしたり、乗せようとするとスイング軸が右に傾いてしまうので要注意。
写真は大げさに体と遠心力の引っ張り合いを表現しているが、右足に圧がかかることで、このような引っ張り合いが起きる。

(よくある前傾キープの)こんな練習(動き)はNG

クラブを肩に担いで、前傾キープのカラダの動きを練習するドリルは有名だが、あまり良い練習とはいえない。実際のスイングは、体の各部位の複合的な動きによって成り立っている。そのため、正しいとは言えない動きを覚えることになりやすいからだ。

「バックスイングでは右に、ダウンスイングでは左に体重移動しなければいけない」や「トップは高いほどいい」といった“よくあるセオリー”は股関節の伸展を生じさせ、前傾キープを難しくする。
「左から右、あるいは右から左に体重を移動させよう」とすると、スイング軸は傾きやすくなる。踏み込んだりする動きもイメージも必要ない。

バックスイングは、左足に圧がかかる

バックスイングではクラブを右サイドに動かす=遠心力が右サイドで働く。そのため、この力と引っ張り合うためにも、バックスイングでは左足に圧がかかっていることを感じるのが自然だ。

大本研太郎

(おおもと・けんたろう)
レッシュプロジェクト・マスター級トレーナー資格を所持し、データと理論に基づくレッスンに定評がある。新理論「グラビティメソッド」で、2018年PGAティーチングアワード最優秀賞。「GPC恵比寿」主宰。1974年生まれ。


カラダが喜ぶ、グラビティメソッド ―Season3―

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